らいぶらりぃ | |||||
Prev | Next | to the Index |
●日 時 | 1997年4月27日(日)14時開演 |
●会 場 | 大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス |
●出 演 | 指揮:広上淳一 |
演出:栗山昌良 | |
トスカ:並河寿美 | |
カヴァラドッシ:林誠 | |
スカルピア:田中由也 | |
アルジェロッティ:雁木悟 | |
教会の堂守:晴雅彦 | |
スポレッタ:坂口尚平 | |
シャルローネ:澤井宏仁 | |
看守:井原秀人 | |
羊飼いの少年:寺内智子 | |
合唱:オペラハウス合唱団/ころぽっくる合唱団 | |
管弦楽:オペラハウス管弦楽団 | |
●演 目 | プッチーニ:歌劇「トスカ」(全3幕) |
広上さんが国内でオペラを振るのは、今回が初めてなんだそうです。で、会場
は満員御礼状態で、広上さんの人気というのも伺うことができました。一説に
は、東京や広島など、関西以外の地域からもたくさん、かけつけてきたお客さん
がいてはるとか。たいそうな賑わいでした。 開演の前に、ここの館長の日下部吉彦氏のプレ・トークがあったのですが、こ こで、何と、開演直前の広上さんが、登場してきたのです。普通、指揮者の方っ て、直前にはあまり喋れないものだと思うのですが、そこを、気さくにも、お引 き受けになって、今回、トスカを指揮するにあたってなど、お話しをされてまし た。私はたまたま、席が1Fの3列目の真ん中あたりで、ちょうど、私の目の 前、手の届きそうな真ん前で、広上さんが立ってお話しをされているのです。間 近に拝見することができて、もう、とっても嬉しかったです。(^^)カメラヲモッテタラナ… さて、公演の方ですが、関西二期会や歌劇団の中堅どころ、実力派の歌手をそ ろえてのキャスティングに、豪華な舞台セット、巧みな演出とそろっていて、言 うことなし! でした。トスカ役の並河さんは、まだお若い方ですが、なかなか 堂々としたトスカだったと思います。演技にちょっと固さが見られたり、中音域 で声が響きにくくなったり、などのことはありましたが、健闘してはったと思い ます。2幕の「歌に生き、恋に生き」は、熱唱でしたねぇ。ここぞという場面で きっちりとまとめ上げていたと思います。また、スカルピアの役の田中さんは、 悪人(?)らしい感じを上手に表現してはったと思いますし、何と言っても、カ ヴァラドッシ役の林さんの超熱唱! 最後の「星は光りぬ」なんか、もう、聴い ていて涙が出てくるほどに、感情たっぷりに歌ってはりました。よかったぁ。 オーケストラはオペラハウス管弦楽団。プログラムを見たら、半分は客員で あったような気もしますが、これを広上さんの指揮はよくまとめていたと思いま す。何というか、とっても歌わせ上手、というか。各楽器とも、歌うべきところ はしっかり歌っていたと思いますし、だからこそ、舞台上の歌手たちの歌もま た、生き生きとしたものになっていたのかもしれません。3幕に出てくるチェロ のソロはとっても素敵でした。 あ、特に印象的だったのは、3幕のクライマックス、処刑の行われるところで す。客席のこっちに向かって、「ぱぁーん!」て、発砲してくるんだもん。正面 にいた私まで、飛び上がって(?)しまった。(^^;) あと、欲張りなことを言う と、その後の一気に悲劇の底へと落ちていくところの感情表現なんかが、もっと あってもよかったような気がしました。(けど、よく役を演じ切っていたとは思 います。) 全体を通じて言えることは、まあ、どこの上演でも一緒なのかもしれません が、スカルピアの存在感をしっかりと出すことで、トスカやカヴァドッシとのや りとりに緊張感を与え、引き締まった舞台だったと思います。途中、アリアなど の歌唱が終わると「ブラヴォー」等の拍手がOKだったのですが、そのための間 を若干、置きながらも、とってもテンポよく場面を展開していってました。です から、どんどんと舞台上の世界に引きずり込まれていくような感じでした。とっ ても素晴しい公演だったと思います。 しかし、4日連続公演のうちの、私の行ったのは、2日目の公演。3日目、4 日目と体力はもちはったんやろか、と心配になってしまうほどの、迫力ある熱演 でした。(^^;) けれど、唯一、残念だったのは、1F席の前の方だったため、指揮の広上さん の姿を、間近に見えそうでいながら、前の人の頭なんかでちいとも見えなかった ことです。(それに、広上さんて、割と小柄な方なんですね…)(^^;;) カレッジ・オペラハウスでは、この秋に黛敏郎の「金閣寺」の上演を予定して いるとか。今からしっかりチェックしておきましょ。(^^;) |