らいぶらりぃ
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レニングラード交響楽団

●日 時1997年6月1日(日)14時開演
●会 場サントリーホール
●出 演アレクサンドル・ドミトリエフ指揮レニングラード交響楽団
ヴァイオリン:前橋汀子
●曲 目モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲二長調
チャイコフスキー/交響曲第5番
(アンコール)
シューベルト/楽興の時
ブラームス/ハンガリー舞曲第1番


 仕事で、仙台へ出張に行くことになって、ついでやから、柏(千葉)の実家に も寄っておいで、という上司からの温かい言葉に甘えて、休みを1日、もらって 実家へ帰ることにしました。でも、それだけでは面白くないから、と、東京でコ ンサートを聴いて行くことにしました。題して、「よはねすの東京・仙台/コン サート・ツアー」。(^^;) その第1弾は、サントリーホールでの、レニングラー ド交響楽団。昨年にレニングラード・フィルとレニングラード国立歌劇場管弦楽 団、今年の4月にはロシア国立交響楽団、と、最近、ロシアづいているのです が、その続編です。(^^;)

 「フィガロ」が始まって思ったのは、何か、上品な響きがする、ということ。 レニングラード・フィルのような派手さ、華麗さは、確かにないように思いまし たが、その代わり、渋さと上品さを持っているように思ったのです。冒頭のpp から、弦がfで入ってくるところも、ただ大っきくするんやなくて、自然な感じ でfになるようにと考えられたfだと思うんです。それに弦の音にすごく透明感 がありますね。高音なんかもとってもクリアに聴こえました。

 ベートーヴェンは、ちょっとだけ不満が残ってしまいました。もちろん、前橋 さんのヴァイオリンは最高!なのですが、オケがそれとうまくかみ合ってないよ うに思う部分が、ちょっとあったように思うんです… 1楽章や3楽章の盛り上 がってくるようなところなんか… でも、前橋さんのヴァイオリンは、生では初 めて聴いたのですが、とってもエレガントですよね。どうも、最近、諏訪内さん や、矢部さん等の若手のヴァイオリニストばっかりしか聴いてないので、前橋さ んのようなベテランどころもちゃんと聴かないといけませんね。(^^;)

 メインはまた「チャイ5」。この前のスヴェトラーノフのロシア国立響の時も この曲をやっていて、その時の印象が強烈に残っていて、あまり聴き比べはした くなかったのですが… 素敵な演奏だったのですが、スヴェトラーノフの方がそ れに勝る素晴らしさだったので、何か、かすんで聴こえてしまったのが、残念で した。2楽章の第2テーマで盛り上がるところのタメ、とか、4楽章のクライ マックスでのタメ、など、スヴェトラーノフさんの印象があまりにも強すぎて…

 もちろん、ドミトリエフさんの指揮があかんとか、そんなこと言う気はないん です。2楽章の頭のホルンの歌わせ方なんかは、朗々と歌うのでなく、しっとり と、やさしく歌いかける、というふうで、印象的でしたし(このホルンの奏者 が、またいい!)、1楽章の第1テーマの付点の音を大事に歌わせたり(だか ら、逆に、それでテンポがちょっとずれ気味になったという気もする…)、と、 おぉ!と思うところは、いっぱいあったんです。4楽章の主部も、むちゃくちゃ 速かったですけど、最後の盛り上がりはすっごくよかったです。(トランペット の音なんか、何とも渋くていい!)

 アンコールは、今年がアニヴァーサリーな2人の作曲家の代表的な曲ですね。 「楽興の時」はなかなか、趣が変わってて、よかったです。

 てなことで、不満はないのですが、前に聴いたスヴェトラーノフの凄さをも再 確認することのできた演奏会でした。(^^;)オイオイ…