らいぶらりぃ
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関西学生混声合唱連盟第28回定期演奏会

●日 時1997年6月4日(水)18時開演
●会 場フェスティバルホール
●出演&曲目以下、感想と一緒に書いていきます。


1.関西学院大学混声合唱団エゴラド(指揮:高村英志/ピアノ:池須ーリング知子)
混声合唱組曲「水のいのち」より(作詩:高野喜久雄/作曲:高田三郎)
1.雨/ 3.川 /5.海よ
 …すみません、ちょっと遅れてしまいまして、聴けてないですぅ…
2.関西大学混声合唱団ひびき(指揮:今田哲弘/ピアノ:清水幸恵)
混声合唱組曲「IN TERRA PAX 〜地に平和を」より(作詞:鶴見正夫/作曲:荻久保和明)
I.知った / IV.ほうけた母の子守歌 / V.IN TERRA PAX 〜地に平和を
 この曲って、荻久保さんの曲の中では、割りと取り組みやすい曲のように思うので すが、割りとうまく、きれいにまとめていたと思います。ただ、きれいな演奏という だけで、そこから、何か、訴えかけてくるものがあったかというと、必ずしもそうと は言えないように思います。これって、平和への祈りの曲ですよね。そういう想いと いうものが、演奏にもっと込められていてもいいように思います。ベースがちょっと 聴こえなかったかなぁ。
3.大阪大学混声合唱団(指揮:山本尚義/ピアノ:堀早苗)
林光編曲による日本のうた(作曲:林光)
死んだ男の残したものは / うた / ねがい
 「死んだ男…」は武満の「うた」の中にもある、有名な曲に手を加えたものです ね。好きな曲なので、気持ちよく聴けました。けど、3曲目の「ねがい」が、一番、 気に入ってしまいました。佐藤信さんの詩もいいですね。演奏の方も、表情もそれな りについていて、よかったと思います。ただ、全体的にfになると、声がバラけるよ うに思いました。特に高声系にそういう傾向が見受けられました。
4.立命館大学混声合唱団メディックス(指揮:八幡佳子)
「Three Part - songs Op.18」より(Edward Elgar)
O Happy Eyes / Love / My Love dwelt in a Northern Land
 エルガーの合唱作品って、あまり演奏される機会ってないですよね。そんな中で、 このパートソングを取り上げられた、選曲は、なかなか素晴しいと思います。で、実 際、演奏の方も、きれいにまとまっていて、なかなかの好演でした。パートのバラン スなんかもよくとれていましたね。ま、あれだけの人数で歌うような曲なのかな、と いう疑問はちょっとあるのですが、でも、逆に、あれだけの大人数で、これだけまと め上げられるというのは、大したことなのでしょうね。
5.神戸大学混声合唱団アポロン(指揮:西山洋平)
「Messe fur zwei vierstimmige Chore」より(Frank Martin)
I. Kyrie / III. Credo
 後輩たちの演奏です。聴く耳がちょっと厳しくなってしまうようですが… ちょっ と期待外れでした。高音系が響いてこないですね。ソプラノも昨年の響きがないし、 テナーは線がちょっと太過ぎるような気がしました。Credoの、「Crucifixus etiam〜」って、テナーから入ってくるところ、もう少し繊細さが欲しかった… こ れでは、無思想な演奏、と言われても仕方ありますまい。確かにこの時期にしては、 まあ、よくまとめていると言えるのでしょうけど、もうちょっと仕上げてきてほし かった、というのが正直な気持ちです。
6.同志社混声合唱団C.C.D.(指揮:大田享)
「Magnificat」(Domenico Scarlatti)
 これまた、あまり聴かないような曲を… ただ、演奏の方は、男声の方に芯がな く、不満が残りました。バラけて聴こえてくるのです。もう少し、発声をちゃんとし た方がいいような…(っと、これはどこの団にも言えることですね。)ただ、そんな 中で、アルトがしっかりと聴こえてきたのには、ちょっと感動してしまった。(^^;)
7.合同演奏(客演指揮:鈴木捺香子/客演ピアノ:今岡淑子)
混声合唱曲「邪宗門秘曲」(作詩:北原白秋/作曲:木下牧子)
 この曲が初演されたのは、私たちが大学1回生の時。神戸大学の混声合唱団エルデ (私達がいたのとはまた、別の合唱団です)がその25回記念定期演奏会で委嘱初演 したのでした。その時の指揮は、私達の合唱団の顧問もしてはる、斉田好男先生。も ちろん、私達もその演奏会には行って、この曲を聴いていたのですが、その時の印象 は、何か、すごい曲ができたんやなぁ、というもの。正直、よう分からないうちに終 わってしまったんです。(^^;) で、今日の演奏。実は初演以後、木下さん、何回かこ れを改訂してはるんですね。聴いてみて、あれ、こんな曲やったかいなぁ? という のが今日の印象。こんなにわぁーっと盛り上がる曲だったけ? と思ってしまいまし た。でも、6団合同の演奏でこれだけのものを引き出してきた、指揮の鈴木先生には 脱帽!です。京都エコーの指揮をしてはる方で、コンクールなどでも成果をあげては るようですが、その技量のすごさというものを見せてくれました。実にいい指揮をし はりますね。歌う側からしたら、こういう風に歌わな、あかんな、ということをはっ きりと認識させてくれるような指揮です。いい演奏だったと思います。

 で、拍手に応えてのアンコールは、同じ木下作品「方舟」から「夏の思い出」。今 岡さんのピアノがまた、とっても冴えていて、いい演奏でした。私達も昔、歌ったこ とのある曲なので、懐かしい想いで聴かせていただきました。ピアノの後奏が終わっ て、ふと、次の終曲「方舟」の「空を渡れ、空を渡れ〜」って始まらないかな、なん て期待してしまった。(^^;)(←んなわけ、ないやろ!)

 てなことで、それぞれの単独ステージにはちょっと期待外れの面もありましたが、 合同ステージには満足のいった演奏会でした。仙台への出張から帰ってきてその足で 行ってきただけの甲斐はあった、かな。(^^;)