らいぶらりぃ
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聖フロリアン少年合唱団

●日 時1997年6月15日(日)14時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演フランツ・ファーンベルガー指揮聖フロリアン少年合唱団
オルガン:片桐聖子
●曲 目モンテヴェルディ/サルヴェ・レジナ
ガルス/子供たちよ、声をあつめて
バッハ/主よ、人の望みの喜びを
バッハ/トッカータとフーガト短調(オルガン独奏)
モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス
デュリュフレ/ことごとくあなたは美しく
ヘルベック/子供たちよ、声をあつめて
シューベルト/アヴェ・マリア
シューベルト/自然のなかの神
ブラームス/「若返りの泉」より 子守歌
メンデルスゾーン/6つの二重唱曲より
挨拶 / すずらんと小さな花 / 民謡「おお、おまえは寒い風の中で」
シューベルト/セレナード
シューベルト/子守歌
シューベルト/菩提樹
シューベルト/楽に寄す
シューベルト/ナイチンゲール
ヴェルナー/野ばら
ジルヒャー/ローレライ
J.シュトラウスII/トリッチ・トラッチ・ポルカ
J.シュトラウスII/皇帝円舞曲
J.シュトラウスI/ラデツキー行進曲
(アンコール)
中田喜直/夏の思い出
J.シュトラウスII/美しく青きドナウ


 聖フロリアン少年合唱団は、ブルックナーゆかりの合唱団で、もともとは聖フロリ アン聖堂の聖歌隊です。聖歌隊ですから、その歌声は、まさに天使の歌声というにふ さわしい、澄んだ美しいものでした。聴いていて、何か、とっても気持ちが落ち着い てきて、とっても安らいで聴くことができました。

 印象的なのは、ソロの曲。モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、オ ルガンを従えての演奏です。小っちゃな男の子がオルガンの脇にちょこんと立って、 オルガンの伴奏で、「Ave, Ave verum corpus…」って、澄んだ声で歌い出した時 には、思わず、その美しさに涙ぐんでしまった… 汚れを知らない声、ってのはこう いうのを言うのでしょうね。聴いていて、背筋をぴんと伸ばして聴かなあかんような 気持ちになってしまいました。後半のブラームスの子守歌もソロでしたけど、こっち もよかったぁ。あまりの美しさに、ほんまに眠ってしまいそうになるような…(^^;)

 シューベルトの曲もたくさん聴けたし、ブラームス、メンデルスゾーンといった、 今年がアニヴァーサリーな作曲家たちの曲ばかりで、楽しめました。「ローレライ」 とか「菩提樹」なんかも印象的でした。

 最後は、シュトラウスのワルツ。個人的には、ここだけちょっと不満が残りまし た。というのは、歌っている彼らが楽しそうに歌ってない、ように見えたことです。 ウィンナ・ワルツなんだから、もうちょっと楽しそうに歌っても…と思ってしまいま した。もちろん、ハーモニーはとっても奇麗だし、演奏そのものは素晴らしいと思う のです。けど… と考えて、ふと思い出したのが、この前、仙台で聴いたドラケンス バーグ少年合唱団。彼らのとても明るい表情での演奏が、強烈に印象に残っていて、 それと比べてはいけないのでしょうけど、どうしても頭の中で、比較してしまうか ら、物足りなさを感じてしまうんですね。ま、聖歌隊が母体の少年合唱団と、学校の クラブが母体の少年合唱団とを比べることは、意味のないことなのでしょうけどね。

 アンコールに、いきなり「夏の思い出」が出てきたのには、ちょっとびっくりしま した。(^^;)