らいぶらりぃ
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大阪シンフォニカー第53回定期演奏会

●日 時1997年6月19日(木)19時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演トーマス・ザンデルリンク指揮大阪シンフォニカー
ピアノ:熊本マリ
●曲 目ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」Op.9
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
フランク/交響曲二短調


 6月にしては珍しく、台風が接近しているという、不安定な天気の中、仕事の疲れ を感じながらも、シンフォニーホールへ向かったのでした。

 今日のメインは、何と言っても、熊本マリさん。ラヴェルのコンチェルトを聴かせ てくれました。たまたま、席がLBの3という、ピアノの鍵盤がよく見えるところ だったので、打鍵の様子等もしっかり見ることができました。で、マリさんのピア ノ、力強いですね。容姿の美しさもさることながら、その奏でるピアノは、繊細さも 感じるのですが、それでいて、パワフル!です。1楽章や3楽章など、決してオケに 引けを取らないほど、ダイナミックな演奏だったと思います。が、それよりも印象的 なのは、第2楽章。ここのソロの何と言う美しさ!1音1音、大切にしながら、たっ ぷりと歌っていたと思います。思わず、うっとりと聴きほれてしまいました。それに ここは、バックのオケもよかったと思います。ピアノの次に出て来るアングレのソロ もとってもよかったし、弦もそれらを十分に引き立てていたのではないでしょうか。 いい演奏でした。

 拍手の後、嬉しいことに、マリさんのアンコールがありました!しかも、ファリャ の「火祭りの踊り」! ここぞと言うばかりのパワフリャーな演奏でした。これだけ でも、満足って感じです。(^^;)

 順番が逆になってしまいましたが、最初の「ローマの謝肉祭」、ちょっとアラを感 じる部分もあったのですが、特に管楽器系がよかったですね。シンフォニカーの演奏 は、1月の定期を聴いて以来ですので、久しぶりなのですが、聴く度に、上手くなっ た?と感じさせるような演奏をしてくれますね。静と動の対比、というか、表情の付 け方がいいなと思います。ザンデルリンクさんの指揮もなかなか、と思うのですが、 うまく、演奏を引き出していると思います。

 後半のフランクも、そういう感じで、いい演奏でした。やはり、これも第2楽章の 美しさ、でしょうか。アングレのソロも相変わらずいい!ですし、ひとつの響きによ くまとまった弦も、曲の雰囲気を盛り立ててますね。ホルンがちょっとうわずってる ような…という気がしたのが、残念なところかな。でも、そんな細部にはこだわりま すまい。丁寧な音楽作りで、聴く者に対してとっても訴えかけてくるもののある演奏 だったと思います。

 プログラムに挟んであったチラシを見ていたら、この秋、9月27日(土)に、昨 年に引き続いて、東京での公演をされるとか。ますますその技量を伸ばしていってい るようで、なかなか頼もしいことに思います。(^^)