らいぶらりぃ
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大阪センチュリー交響楽団第42回定期演奏会

●日 時1997年6月23日(月)19時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演広上淳一指揮大阪センチュリー交響楽団
ピアノ:東誠三
●曲 目ハイドン/交響曲第102番変ロ長調
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
シューベルト/交響曲第3番ニ長調D.200


 4月に「トスカ」を、広上さんで聴いて以来、すっかり、広上さんのファンになっ てしまったみたいで、今日のもずっと前からしっかりチェックしていたのでした。

 最初のハイドンから、たっぷりと聴かせてくれましたねぇ。ただ、何か最初の出だ しの音がちょっとぶれていたような気がしたのは気のせい? でも、とっても歌わせ 上手で、その広上さんの指揮も見ていると、とってもいいですね。たまたま、LA− 14という、指揮者がよく見えるところに座っていたので、ラッキー!でした。流暢 に指揮をする…というよりは、むしろ、踊ってはると言った方がいいのかもしれませ んが(ごめんなさい)、それを見ているだけで、どういう曲にしたいのかということ が、よく分かります。「すーっ」とか「う〜ん」、「ぱっ」、「ぱぁん!」とか、い ろんなことを言いながら(というか歌いながら)の指揮で、踊り(?)の方と相まっ て、思わず、ぷっと吹きだしそうになってしまった… でも、これってハイドンなん ですよね。古典派の曲って、ここまでドラマティックにするもんなんかしら?(^^;)

 「皇帝」は、ピアノの東さんがなかなか… とってもお洒落なんですね。それに、 第1楽章の第2テーマのところで、そこまで溜めるか、というくらい、思いっきり溜 めてはってて、おぉ!と思いました。それだけでも、普通に聴く「皇帝」とは雰囲気 が変わってくるんです。タッチも、ソフトで、やさしい感じで、何か、フランス風の 「皇帝」を聴いているようでした。(後で、東さんのプロフィールを見たら、パリに 留学してはってたようで… やっぱり。)特に2楽章なんかは、とっても奇麗な演奏 でしたねぇ。個人的には、フランス風よりも、ドイツ風の、がっちりとした(?)感 じの演奏が好きなのですが、でも、なかなか素敵な演奏だったと思います。そして、 東さんのアンコールは、「悲愴」の第2楽章。う〜ん、やっぱりお洒落な演奏だ…

 そして、最後は、シューベルトの3番。広上さんの指揮がますます冴える!って感 じで、広上節(?)が炸裂(??)してました。だいたい、センチュリーさんって、 いつもきれいにまとまった演奏をされると思うのですが、今日のは、ただそれだけで なく、広上さんの指揮で、何かを表現していこうというものを感じました。1楽章の 力強さや3楽章の優雅さ、よく歌ってたと思います。ただ、そのことで、いつもの緻 密さというものがちょっとだけ欠けたかな…という気もしたのですが。ま、それを 補って余りある演奏だったと思いますし、広上さんの指揮もたっぷりと見ることがで きましたので、満足できた演奏会でした。