らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1997年6月29日(日)15時開演 |
●会 場 | シンフォニーホール |
●出 演 | ネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団 |
●曲 目 | シベリウス/交響曲第2番二長調Op.43 |
ベルリオーズ/幻想交響曲Op.14 |
シベリウスの曲に定評のある、ヤルヴィ&エーテボリ響ですが、今日もたっぷりと
聴かせてくれました。シベリウスの2番、第1楽章の頭から、その低弦の響きが何と
も厚くて、北欧の大地をイメージさせるような(?)雰囲気を出してます。そして、
ヴァイオリンの線が、結構、細いですね。もっと聴こえてきてもいいのにぃ、なんて
思ってしまいました。(^^;) 第2楽章が、結構、ゆっくりめだったかなぁ、と思いま
す。割りと、間をよくとったりしていて、よく聴く演奏だともう少し、アップテン
ポだと思うのですが、なるほどぉ、と感心してました。そして怒涛のような低弦で始
まる第3楽章、いいですねぇ。第2テーマのオーボエがまた、たぁっぷりと歌ってい
て、すごくいい感じを出していました。ひとしきり盛り上がって、そして第4楽章へ
と繋がっていく、ここで第4楽章のテーマが高らかに歌われるのが、個人的には、も
う少したっぷりとしてもいいような気もしました。トランペットの音も何か、響きが
軽いような気もしてしまいましたが… 結構、テンポも揺らしてはるんですね。その揺
らし方が、私の好みとちょっとあわないような部分もあったのですが、さすが!の一言
につきる演奏でした。 多分、私の頭の中には、昨年のヘルシンキ・フィルの演奏したシベリウスの印象が 残っていて、つい、それと比べてしまう部分もあったと思うのです。それでも、それ にひけを取らない程の演奏だったと思います。 後半は、「幻想」。これは、もう、文句なし!の演奏でした。この曲を聴くと、い つも、恋とかに揺れる青年の魂のことを考えたりしてまうのですが、今回もそんなこ とを考えたりしながら、聴いてました。(^^;) 第1楽章で、恋の夢を見て、第2楽章 で、その美しいひとと一時を過ごし、そして、第3楽章で、失恋、ひとり、物思いに ふけり、第4楽章で、自殺への行進、第5楽章で、何と言うか、デカダントな狂乱状 態、みたいな。そんな、ストーリーを考えてしまうんです… ま、そんなことはとも かく、演奏の方は、最初に書いたように、文句なしです。ひとつ、挙げるなら、第2 楽章のハープ2台がちょっと聴こえにくかったかな、という感じはしました。けれ ど、第3楽章のオーボエのソロの何とも言えぬ響き!や、第4楽章の行進曲での金管 の冴え渡ったサウンドや、ティンパニの巧みなバチさばき、第5楽章でのクラリネッ トのソロのデカダントさや、金管によるグレゴリオ聖歌の神々しさ、等々、おお!と 思うことばかりでした。 全体的に言えるのは、ヤルヴィさん、結構、細かいところまで緻密な音楽作りをし てはる、ということでしょう。テンポの設定の仕方なんかも、おお!と思うものがあ りましたし、ディナーミクスの付け方なんかもたっぷりとしてくれるから、聴いてい て、じわじわっと興奮してきますね。交響曲が2本という、何か、濃い内容の演奏会 でしたが、十分、堪能できました。(^^) |