らいぶらりぃ
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京都市交響楽団第395回定期演奏会

●日 時1997年7月21日(月・祝)14時30分開演
●会 場京都コンサートホール
●出 演阪哲朗指揮京都市交響楽団
ヴァイオリン:玉井菜採
●曲 目ハイドン/交響曲第4番二長調Hob.I-4
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲二長調Op.77
シューマン/交響曲第4番ニ短調Op.120


 あの阪さんの指揮で京響を聴いたのは、2月のこと。それから5ヶ月ぶりに同じ組 み合せの演奏を聴きに行ってきました。あの時の演奏の感動を思い出させるような、 いや、それ以上の演奏だったように思います。

 最初はハイドン。舞台の中央にはチェンバロがどぉーんと置いてあって、何と、阪 さん自身がチェンバロを弾かれるというスタイルの演奏でした。小人数編成なのです が、最初、ちょっとヴァイオリンとかに何かクセのようなものを感じたりもしたので すが、第2楽章に入る頃から、特にそういうものもなくなってきました。4月の時も 感じたのですが、こういう小ぶりな曲でも、阪さん、実に緻密にまとめあげてはるん ですね。歌うべきところはしっかり歌ってはるし、オペラやシンフォニーばかりでな くて、室内楽の分野にも力を入れてはるのかしら… 端正に、いかにもハイドンらし く、まとめてたと思います。

 お次は、私の好きな曲のひとつである、ブラームスのヴァイオリン協奏曲。ソリス トの玉井さんって、存じ上げなかったんですけど、京都出身の方なのですね。まだま だお若くて、阪さんよりもちょっと下、なのかしら。ちょっと緊張してはるようにも 見えましたが、素晴らしい演奏だったと思います。歌わせ上手の阪さんの指揮だから かもしれませんが、曲をよく捉えて、十分に歌い上げていたと思います。カデンツァ のところはもうちょっと、ゆとりみたいなものもあってもいいように思いましたが、 2楽章なんかはたっぷりと歌ってましたねぇ。多少、線が細いような印象はしました けど、表現力のある演奏だったと思います。これからのご活躍が楽しみでもあります ね。あ、オケの方も、そんなんで、独奏者を引き立てる役になりきっていて、よく盛 り立てていました。低弦がよぉ、響いてたのが、印象的です。

 メインは、シューマンの4番。いつも思うことですが、阪さんの指揮って、ほん と、曲を緻密に作り上げてはりますよね。1楽章のテーマとかにしても、マルカート 気味にするところと、レガートにするところと、はっきりと明確に区別して歌い上げ てますし、また、それにオケもよくついてきてたと思います。金管がわぁっと鳴らな いのも、また、印象的ですね。全体的な流れの中で、各楽器がそれぞれ、どういう音 を出すべきなのか、ということを、よーく考えてはるような感じがするのです。この 曲って、出るところで全部、出てきたら、ほんと、イケイケの曲になってまいますも んね。何か、しっとりと、それでいて、じっくりと仕上げてはるなぁ、と感じまし た。知的な演奏、と言ってもいいのかもしれません。

 ということで、相も変わらず、阪さんの「追っかけ」状態は続いているのでした… (^^;) ちょっと気になってるのが、この前、7月7日に阪さん、東京シティフィルの 定期でも振ってはるんですけど、どんな評判だったんだろう?ということ。一ファン としては、気になる…