らいぶらりぃ
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第114回神戸松蔭チャペルコンサート

〜ライプツィヒ1723年I〜

●日 時1997年9月15日(祝)15時開演
●会 場神戸松蔭女子大学チャペル
●出 演鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン
ソプラノ:鈴木美登里
アルト:米良美一
テノール:ゲルト・テュルク
バス:ペーター・コーイ
コンサート・ミストレス:若松夏美
通奏低音:鈴木秀美
オーボエ:アルフレード・ベルナルデイィーニ
●曲 目バッハ/カンタータ第22番「イエスは十二弟子を召し寄せて」BWV22
バッハ/カンタータ第23番「汝まことの神にしてダビデの子よ」BWV23
バッハ/カンタータ第75番「乏しき者は食らいて飽くことを得」BWV75


 またまたBCJの定期であります。先週に松本で「マタイ」を聴いて、そしてま た、ライプツィヒ時代のカンタータ、とバッハづいている今日この頃です。(^^;)

 山を登って(^^;)、会場に着くと、何と、ずらぁ〜っと行列が。何回も来ているので すが、こんなん、初めてですなぁ。おそらくは、例の「もののけ姫」のテーマで一 躍、有名になられた、米良美一さんも出てくるということで、それ見たさ(という か、聴きたさ)で来られたお客さんが多かったから、でしょうか。う〜む、素直に喜 んでよいものなのか、迷ってしまう…(^^;)

 で、今回から、傑作ぞろいのライプツィヒ時代が始まるのです。(BCJは、ずっ と、バッハのカンタータを定期で扱っていて、前回までは、ワイマール時代のカン タータのシリーズだったのです。)わくわくと、その幕明けの演奏を、行列に並びな がら待ちます。やがて行列が動き出して、さぁ、やっと開場だぁ、と思っていると、 わらわらと出演者の皆さんも外へ出て来て、チャペルの方へと向かいます。(学舎に 控室があって、そこからいったん外へ出て、チャペルに入るようになているので す。)と、その時、向こうから歩いて来る、どこかで見たお顔。おぉ、ナマの米良さ んがこっちに来るぅ! 至近距離1mのところをすれ違って行かれたのです。そ りゃ、何回もBCJの演奏会ではお目にかかっていますけど、こんな近くでお顔を拝 見できるなんて、ごっつい、嬉しかったですぅー。\(^^)/

 ということで、演奏の内容ですが、前半は22番と23番という、対になっているカ ンタータ。聴いた印象では、22番よりも23番の方が、より厳粛、という感じがしま すね。まるで、ブラームスのモテットの109番と110番がそうであるかのように (?)。23番でのソプラノとアルトの2重唱アリアなんかもとってもきれいでした し、何といっても、合唱をたっぷりと聴けたこと(第3曲と第4曲が合唱なんで す。)、そしてその合唱が、何か神々しさみたいなものを与えるような演奏だったこ とが、印象的でした。22番の方では、第2曲がアルトのアリアですが、さすがにその 時だけは、お客さんが皆、身を乗り出して聴いてはる、ような感じでしたなぁ。やっ ぱり、これが一番聴きたいのね…(^^;)

 そして、後半は75番という、大作であります。悲劇的な器楽の序奏の響きが何とも 言えず、これから始まるカンタータ全体をぴしっと引き締めていたような、感じもし ました。そして入ってくる合唱、やっぱり、いいですねぇ。合唱はあと、第一部と第 ニ部とそれぞれの最後にコラールで入ってきますが、こちらの方は、実に喜ばしい、 希望に満ちたような響きをしていたと思います。バスのコーイさんのアリアが、ま た、いいですね。コーイさんも、いつ聴いても、深ぁい渋ぅい響きをしていて、説得 力があります。あと、印象的なのは、ソプラノの鈴木美登里さんのアリア。皆さん、 米良さんにばかり注目してはるけど、私は鈴木さんも好きです。(*^^*) ハリのあ る、澄んだ響きで歌いはりますもんね。聴きほれてました。で、ひとつ、残念に思っ たのは、第12曲のバスのアリア、トランペットがオブリガートでつくのですが、この ペットの音がちょっと不安定なように聴こえたこと。コーイさんの歌う、輝かしいア リアには、ちょっと合わないような感じはしました。実際、細かいパッセージだと思 うので、かなり難しいのでしょうけどね…

 と、相変わらずの声楽陣の充実したBCJの演奏でした。次回も楽しみです。(っ て、来れるのだろうか…)