らいぶらりぃ
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ルーマニア国立放送管弦楽団

●日 時1997年9月21日(日)15時開演
●会 場神戸新聞松方ホール
●出 演ホリア・アンドレースク指揮ルーマニア国立放送管弦楽団
ヴァイオリン:天満敦子
●曲 目ポポビッチ/Codex Caioni
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
ポルムベスク/望郷のバラード
モーツァルト/交響曲第36番ハ長調「リンツ」


 今回が初来日のルーマニア国立放送管弦楽団、しかも、ソリストは、天満敦子さ ん!ということで、期待に胸躍らせて、意気揚々と松方ホールへ向かう…はずだった のですが、実は前の日の飲み会で、しこたま飲んで、しかも、そのまま友人のとこに 行って、また朝まで飲んでしまった…という、2日酔いではないのですが(何故か、 気分的には、すかっとさわやか!モードだった…)、それでも、やっぱりちょっとし んどいかなぁ、という状態で、ホールにやっとこさたどり着いた、という形になって しまったのでした。(--;)

 ということなので、沈没していることも多かったのですが、いくつか、印象に残っ ていることを、書いてみようかと思います。(^^;)

 最初のポポビッチの曲は、初めて聴く曲ですが、いかにも民族音楽っぽい感じの小 品集(?)ですね。弦楽オーケストラのための曲ですが、激しい舞踏の曲から、もの 哀しいバラードまで、いろいろあって、楽しめました。演奏の方も、弦の響きがとっ てもクリアで、いいなぁ、と思いました。派手さみたいなものはないんですけど、で も、ぐぐっと引き込まれるような、説得力のある演奏だったと思います。ヴィオラや チェロのソロがまた、印象的でした。

 メンデルスゾーンは、なかなか気合いの入った名演だったと思います。天満さんの ヴァイオリンを生で聴くのは、初めてだったのですが、太くて伸びやかな音を出して はりますね。この曲って、割りと細い線の音の演奏で聴くことが多かっただけに、実 に新鮮な感じで聴くことができました。これだけ大らかな演奏もあるのだと、思い知 らされました。多少、アラみたいなものが見えたりもしたように思うのですが、で も、私個人としては、こういう演奏は好きです。曲にかける思い入れはしっかりと伝 わってきましたから。それに、ただ独奏ヴァイオリンを弾いているだけでなく、オケ と一緒になって、オケの中の楽器に主旋が行く時なんか、もう、完全に伴奏役に徹し ての演奏でしたから、それだけ入念に音楽づくりをしてはる、ということでもあるの でしょう。

 そして、何よりも一番気に入ったのは、多少、ミーハー的ですが、やはり「望郷の バラード」でしょう。天満さんと言えば、この曲ですからねぇ。たっぷりと、哀愁に 満ちた旋律を弾かれた時には、もう、ぐぅっと胸に来ましたねぇ。曲も素晴しいし、 演奏もまた素晴しいから、もう、何も言うことなし、です。(^^)

 最後のモーツァルト、ほとんど沈没していたんですが…(--;) でも、先の弦楽器だ けでなく、管楽器も、とっても渋い音を出していて、いいなぁ、と思いました。変に 軽くない、というか。モーツァルトにぴったり、という感じの音だったことは覚えて います。後はちょっと…(--;;)

 ルーマニアという、普段、あまり馴染みのないような国にも、これだけの演奏をす るオーケストラがある、ということを知ることができただけでも、十分、満足できた 演奏会だったと思います。