らいぶらりぃ
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京都市交響楽団第397回定期演奏会

●日 時1997年9月23日(祝)14時30分開演
●会 場京都コンサートホール
●出 演大友直人指揮京都市交響楽団
ソプラノ:日紫喜恵美
テノール:五郎部俊朗
バリトン:小松英典
合唱:京響第九合唱団/京都市少年合唱団
●曲 目ハイドン/交響曲第95番ハ短調
オルフ/世俗の賛歌「カルミナ・ブラーナ」


 京響の今回の目玉は、何と言っても、「カルミナ・ブラーナ」!であります。前々 回の定期では、私のひいきの阪さんの指揮でなかなかの演奏をしてくれましたが、さ て、今回は大友さんで、どんな演奏をしてくれますやら…

 最初は、ハイドン。ハ短調という調性のせいか、しゃきっとした感じのする曲です ね。でも、演奏の方は、可もなければ不可もない、という感じでした。極めて無難に まとめていたと思います。木管のピッチなんかが気になったりもしたのですが、ま、 細かいことは言いますまい。3楽章のチェロのソロは、なかなか素敵でした。

 と、軽く流しておいて(^^;)、メインの方へ。

 じゃぁ〜ん!という大音量で始まる1曲目。パーカッション軍団(?)の音は冴え 渡っていますが、合唱の方はというと…音量は出ているのですが、何やら、発音が はっきりしないように思いました。言葉をしっかりとしゃべることができてない、と いうか。そのせいか、2曲目にかけての序奏部を通して、ちょっとオケとずれてくる ような気もしました。

 第1部に入り、4曲目のバリトン独唱、高音もきれいに響かせていて、なかなかと 思ったのですが、音量的にちょっと… オケに負けているような感じで、何とも聴こ えにくかったのが、残念でした。5曲目の合唱、早くも疲れが出てきたのか、特にテ ナーの声が気になりました。もうちょっと支えのある声を出せないものかと思いま す。6曲目の舞曲、オケがわぁっと盛り上がりますが、ここでも音がちょっとばらけ たような感じがしました。何だろ… 弦と管で、感じ方が違うのかしら…? この後 しばらく続く、舞曲っぽい曲の間、ずっとそのようなことを考えてました。しかし、 繰り返される大合唱にしても、やはり、男声系の響きが足りないような感じもしまし た。バスの響きも何か、軽いんですよね。もうちょっと、低音の響きというものを出 してほしかったように思います。

 そして、その男声だけになる、第2部、一番長大な14曲目にしても、やはり、同 様の不満は残りました… ただ、12曲のテノールのソロは、素晴らしかったです ねぇ。実質、カウンターの声で、切々と歌ってはる、その響きがとても心地よかった です。また、その次のバリトンの、偽グレゴリオ聖歌(?)、これもまた、音量たっ ぷりと、歌いあげていたのが、印象的です。(でも、これ以外の曲のバリトン・ソロ が、ちょっと不満に終ってしまったのは、何でなんだろ…?)

 第3部、ここのソプラノが、今回の演奏の中で一番、印象に残ってます。特に、 21曲目のアリア(なんかな?)は、とってもしみじみとした情感がこもっていて、 何か、ほろりときましたねぇ。22曲の大合唱を経ての23曲のカデンツァも、高音 もしっかりとキメてくれて、ブラヴォー!ものでした。順序が逆になってしまいます が、15曲なんかの児童合唱も、素直なハリのある声質で、好感が持てました。で も、19曲の男声合唱は… 上にも書いたとおりです。(--;)

 そして、最後は大合唱で、ぱしっとキメて、長大な曲は幕を降ろしたのでした。何 か、不満ばかり書いてしまいましたけど、この曲が好きなだけに、つい、いろいろと 注文をしたくなってしまう、ということで。(^^;) 全体を通して見れば、大友さんの 熱の入った指揮に、(完全にはついていけてなかったかもしれないけど)何とか食ら いついていこうという姿勢が、なかなか良かったのでは、と思います。そう、簡単に は生では聴かない曲だけに、わざわざ、京都まで出てきた甲斐があったというもので す。(^^;)