らいぶらりぃ
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大阪フィルハーモニー交響楽団第311回定期演奏会

●日 時1997年9月24日(水)19時開演
●会 場フェスティバルホール
●出 演若杉弘指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ:大倉由紀枝
バリトン:木村俊光
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
●曲 目ブラームス/ドイツ・レクイエムOp.45


 昨日に世俗的な「超」大作の「カルミナ・ブラーナ」を聴いて、その翌日に厳粛 な、宗教的大作の「ドイツ・レクイム」を聴きに行くのも、何だかなぁ、と思いなが らも、期待に胸躍らせて、行ってきました。(^^;)

 が、しかし… 正直なところ、ちょっと残念な感じの演奏でした。(;_;) あまり、 ケチはつけたくないのですが、ちょっと書いてみます。

 第1楽章、低弦に導かれて合唱が入ってきます。この段階で、もう、ちょっと首を うなだれてしまいました。席が悪いのかもしれません、1Fの右側、一番後ろだった ので。けど、それにしても、響いてこないのです。何か、遠くの方で鳴ってる なぁ、って感じで、元合唱屋としては、ちょっとイライラとしてしまいました。で、 この感覚は第2楽章に入ると、更に増長します。オケも、ここでヴァイオリンが加 わって、より華やかになる、はずなのに、これまた響いてこないんですぅ。特にイラ イラしたのは、第1テーマを合唱がfで繰り返すところ、そこに至るクレッシェンド が、こう、じわじわっと全く来なくって、唐突にfに入るという感じがしたんです。 Timpの連打があって、その上で、こう、キてもらわないと、というのは、私の勝 手な思い込みかもしれませんが、ちょっと悲しかった…(;_;) で、合唱の方にして も、fで音量はそこそこ、聴こえてくるようになったんですが、でも、ハリがないん ですな。支えができてないという感じで、完全に喉で押している声なんです。特に高 声は、オイオイ…と言いたくなるような。テナーなんか、バラけてるのが、丸分かり でしたもん。悲しかった…(;_;)

 第3楽章、木村さんのバリトンが、唯一の救いでした。ほらぁ、こんな席でも木村 さんの声はしっかりと響いてくるやないの、って。たっぷりと、豊かな声量で、聴か せてくれるソロは、最高!でした。が、この後、合唱が入ってきてフーガを展開して いくところ、崩壊しかかったように聴こえたのは、気のせいかしら… 一瞬、え?と 声を出しそうになってしまいました。第4楽章も、何か似たりよったりの演奏でした な…

 第5楽章の大倉さんのソプラノもよかったですねぇ。ヨハネの福音書を歌い上げる ところは、とっても素敵でしたし、シメのところもよかったぁ。

 第6楽章、もう、あんまり書きたくないのですが、合唱は、疲れがありありと出て いましたねぇ。テナーは崩壊寸前状態、ソプラノは必死に声を出してる状態、アルト は地声がモロに聴こえてる状態、バスは何やら、聴こえんぞぉ、状態… 何か、もう やめてぇ!って叫びたくなってしまった… 悲しかった…(;_;)

 って、文句ばっかり書いてしまって、ごめんなさい。m(__)m 全体的に言えば、 発声の問題が一番大きいように思います。そして、発音の問題。ドイツ語なんだか ら、もう少し子音が聞こえてもよかったと思います。それに、聞こえたと思ったら、 ばらばらとずれて聞こえてきたり… 第九も毎年、歌ってはるのだから、分かっては るとは思うのです。でも、あのような演奏だと、ほんまに練習しとるんかいな、と 疑ってしまいます。頑張ってほしいところです。

 終楽章、「Selig」という言葉で、静かに、安らかに終るところですが、ここも、 この単語の最後の「ch」の子音が聞こえたり聞こえなかったりと、ばらばらで、伸ば すところでも、支えきれてないから、尻すぼみになってしまって、安らかに終れな かったですぅ。悲しかった…(;_;)

 何か、偉そうなことばかり、書いてしまいました。でも、ブラームスが没して 100年という年に、創立50周年を迎えるオケ(及びその専属合唱団)の演奏が、 こんなんで、いいのかしら、という疑問は、どうしても、感じざるを得ません。今後 に期待したいものです。