らいぶらりぃ
PrevNextto the Index

関西フィルハーモニー管弦楽団第123回定期演奏会

●日 時1997年9月26日(金)19時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演ウリ・マイヤー指揮関西フィルハーモニー管弦楽団
ハープ:吉野直子
●曲 目ロッシーニ/歌劇「シンデレラ」序曲
ヒナステラ/ハープ協奏曲Op.25
ブラームス/交響曲第4番ホ短調Op.98


 つい先頃に、「がんばれ、関西フィル」という演奏会を成功させた、関西フィルさ んであります。しかも、ブラ4! さて、どんな演奏をしてくれるのやら…  ロッシーニは、ま、こんなもんかなという印象でした。fで鳴るところは、よう 鳴ってるし、力で押し切った、というか。(^^;) でも、ちょっと気になる点はありま した。ま、以下の曲にも言えることですので、後で触れることにしましょう。

 吉野直子さんをソロに迎えての、ヒナステラのハープ協奏曲、初めて聴く曲です が、なかなか面白い曲ですね。プログラムの解説を読むと、アルゼンチンの作曲家だ そうで。とってもリズミックな動きがあったり、神秘的な感じのする静けさがあった り、表情に富んだ曲です。第1楽章は、まさにその静と動とを織り混ぜていく楽想。 第2楽章、ここは正に、神秘的な、不思議な感じで、ハープのソロが多いところであ ります。吉野さんの素敵な演奏は、正にここにぴったり、でした。そしてその静寂を 破って強烈に始まる第3楽章、アルゼンチン・ポップスのリズムに乗せて、もう、ノ リノリでしたねぇ。でも、こういうリズムが、ハープといういかにもクラシカルな楽 器と一緒になっても、全く違和感を感じさせないのが、この曲の特徴かもしれませ ん。CDも出ているようなので、探してみよ。(^^;)

 で、メインのブラ4です。私の好きな曲のひとつであります。が…、正直言って、 ちょっと不満足に終ってしまいました。ケチをつけたくはないのですが、音がバラけ るんですね。きっちりとひとつにまとまったアンサンブルになってない、というか。 例えば、1楽章の冒頭のところ、あの有名な、美しいテーマがいきなり入ってきます よね。ところが、この入りの音が、そろって入れてない、そして、次の音への移行 が、バラバラになってしまっている、そういう演奏でしたから、この段階で、ちょっ とダメージを与えられたような感じがしました。(^^;) で、この音のバラけるのは、 ずぅっと続くんです。弦が各パート間で掛け合いみたいになるところなんかでは、丸 分かり、です。また、管にしても、音がすぅっと入ってこない、という部分はありま したし、金管の音もちょいと不安定だったような…そして、特に第1楽章なんか は、センプレ・フォルテって感じで、曲を通じて、大っきな音量で出してるから、 ちょっと…という気はしてしまいました。でも、そのごつごつとした演奏からは、繊 細さというようなものは感じられなかったけれど、何かを伝えようとしているような ものは、ちょっとだけ感じることができたように思います。(好意的に聴いてみれ ば、ですが。)…多分、マイヤーさんが熱心にブラ4の勉強をした、とプログラムの 挨拶に書いてあったのですが、そこに由来するのでしょうね。ま、そういう熱意は買 うことにしましても、そういう熱意を的確に伝えてくるだけの演奏ができてなかっ た、というのが、正直なところでしょうか。好きな曲だけに、妙にアラが気になって しまった演奏でした。

 何か、最近、妙に聴く耳が厳しくなっているような気がしますが、これも、サイト ウキネンを生で聴いてしまったから、なのでしょうかねぇ。(^^;;