らいぶらりぃ
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アンサンブル・モーツァルティアーナ第40回定期演奏会

●日 時1997年10月5日(日)14時開演
●会 場神戸新聞松方ホール
●出 演岡田司指揮アンサンブル・モーツァルティアーナ
パーカッション:パーカッションアンサンブル”シュレーゲル”
●曲 目ロッシーニ/歌劇「絹のはしご」序曲
ビゼー/交響曲第1番ハ長調
シチェドリン/バレエ音楽「カルメン組曲」


 知り合いがいるということで、チケットをいただいたので、行ってきました。この オーケストラの名前は聞いたことはあったのですが、演奏を聴くのは初めてでした。 元々は関西のいろんな大学オケのメンバーなどを中心にして結成された室内オーケス トラで、大学のOBや音大卒業生なども加えて、活動を続けている、オーケストラで あります。

 で、初めて聴いての感想ですが、とってもいいアンサンブルを作りあげている なぁ、と思いました。手堅くかっちりとまとめ上げている、というか。ロッシーニで は、多少、音がバラけるような感じになるところもあったように思いましたが、その 後は、なかなかどうして。弦なんかも、クリアな音を出してきてますし、木管の音も 変に跳ねたりしないのが、いいですね。Obの音が好きだなぁ、と思いながら聴いて ました。

 ビゼーの交響曲を聴くのも、何か久しぶりだったのですが、表情がとってもいい なぁ、と思いました。ダイナミクスの幅も広く、じわじわとクレッシェンドしてくる とこなんか、ぞくぞくっとくるくらいの表現をしていました。特に第2楽章のVnに 出てくるメロディー! 実にたっぷりと、美しく歌い上げていました。その後に来る フーガも、各パートともしっかり主張をしているし、その点、緻密に作ってはるとい う印象もしました。そして、やはり、あの第4楽章の盛り上げ方! 聴く者の心をぐ いぐいと音楽の中に引き込むようにして、クライマックスを迎えたのでした。

 シチェドリンという作曲家の名前はは初めて聞いたのですが、この「カルメン組 曲」、すごい編曲ですね。管楽器を除いて、弦楽+4群の打楽器群+Tim、という 派手な編成で、いやぁ、炸裂しまくりのパーカッション群に、ひたすら圧倒されまし た。(^^;) ティンパニはごろごろと鳴るは、ドラムがごぉんと響くは、シンバルは しゃぁーん!と鳴るは、タンバリンが、トライアングルが、タムタム(だと思う)が 鳴り、チューブ・ベルが響き渡り、マンドリンが、ヴィブラフォンがメロディーを歌 い、或は副旋律を歌う、という、ド派手な曲でした。そして、その上に、弦がまた、 「カルメン」の中のアリアのメロディーを、想いたっぷりに歌い上げるんですね。 Vaに出てきた、第3幕への間奏曲のテーマなんか、ほろっときちゃいましたし、も ちろん、他のパートにしても、然り、です。表情豊かな弦と、冴え渡るパーカッショ ンとで繰り広げられる、まさにドラマが、そこにはありました。何故か、ふと、あの バルツァがそこで歌っている、そんな錯覚を一瞬、覚えてしまいました。(^^;)

 指揮の岡田さんも、学生オケの演奏会なんかで振ってはるのを見たことは何回か、 ありますが、これだけのいい演奏を引き出してくるなんて、すごいなぁ、と思いまし た。若手の指揮者だけに、今後が楽しみでもあります。