らいぶらりぃ
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片山陽子&クリストファー・ブラック

ピアノ・デュオ・リサイタル

●日 時1997年10月22日(水)18時30分開演
●会 場神戸朝日ホール
●出 演ピアノ:片山陽子/クリストファーブラック
●曲 目バード(E.バートレット編)/ソルズベリー伯爵のパヴァーヌ
バード(E.バートレット編)/ジョン、キスして頂戴
ブル(E.バートレット編)/国王の狩りのジーグ
ブラームス/5つのワルツOp.39
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲Op.56b
ボロディン(V.ババン編)/ダッタン人の踊り
プーランク/悲歌
ラヴェル/ラ・ヴァルス


 ご夫妻でピアノ・デュオの活動をされている、片山陽子さんとクリストファー・ブ ラックさん、実は3年ほど前にも神戸で小さな演奏会をされているのですね。で、そ の時、ふとしたことで、私がその演奏会本番の時の譜めくりをさせていただくことに なって、お2人の演奏を間近に聴かせていただいて以来、すっかり、その魅力に引か れているのです…

 前半はルネサンス期のイギリスの音楽。バードと言えば、4声のや5声のミサくら いしか知らないのですが、こういう曲も書いていたんですね。知らなかった…(^^;)

 けど、前半のヤマは、やっぱり、ブラームスでしょう。5つのワルツの美しさ!  陽子さんの弾くプリモが、メロディーをしっかりと歌い上げていきます。また、ブ ラックさんのゼコンドも、音をたっぷりと響かせていて、お互いが、がっちりと支え 合っている、という印象を受けました。そして、「ハイドンの主題…」! 普段は オーケストラで聴く方が多いのですが、元々はピアノ連弾用の曲なんですね。淡々と した感じで、コラール主題を提示した後、変奏部分では、2台のピアノが見事に絡み 合いながら、曲を織り成していきます。各変奏ごとの表情も、はっきりとついていて いるし、また、2人とも、ほんとにしっかりしたタッチで弾いてはるから、とっても 聴き応えがある演奏だったと思います。オーケストラ版とはまた違った趣きで、こん なんもいいな。(^^;) ブラームス好きには、たまらん演奏でした。

 後半は、プーランクは初めての曲でしたが、他2曲はむしろ、オーケストラでの演 奏の方をよく聴く曲。けど、どちらも、オケでの演奏以上に、胸を打つものがありま した。特に、ラ・ヴァルス! フルオケでぱぁーん!とやっても、ぐっとくるものが あるようなこの曲、2台のピアノで、それ以上の表現をしていたと思います。あくま でも華やかに、どんどんと官能を高めていく、その表現力というものは、最高!でし た。

 気になったのは、陽子さんのお顔色がちょっと…かな、ということ。体調が悪かっ たのかしら。ま、演奏の方は、そういうことを全く感じさせないものでしたけどね。 あとは、小さいホールなのに、お客さんが少なかったのも、残念でした。今後のお2 人の活躍には注目していきたいと思います。