らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1997年11月2日(土)14時開演 |
●会 場 | 伊丹アイフォニックホール |
●出 演 | 指揮:其浦宏幸/中村晃之 |
かぶとやま交響楽団 | |
●曲 目 | ベートーヴェン/交響曲第8番へ長調Op.93 |
スメタナ/連作交響詩「わが祖国」より 第4曲:交響詩「ボヘミアの森と草原から」 第6曲:交響詩「ブラニーク」 | |
シベリウス/交響曲第5番変ホ長調Op.82 |
前々から行こうと思っていながら、なかなか都合がつかずに行けなかった、かぶと
やま交響楽団さんの定期に、やっと行くことができました。かぶとやま交響楽団さん
は、西宮市で主に活動をされている、アマチュア・オーケストラです。指揮者は、い
わゆる団員指揮者ですな。真のアマチュア精神からいくと、正統路線と言うこともで
きるのかもしれませんが、はて、どんな演奏を聴かせてくれるのかしら… 最初はベト8。この曲って、聴く分には、小さめの曲だし、気楽に聴けるものだと 思うんですが、実際、演奏するとなると、かなりの技術を要求されるのでしょう? そんな曲をよくもまあ、取り上げたなぁと思うのですが、その意気込みは買うにしま しても、演奏そのものはちょっと…でした。細かなパッセージがバラけて聴こえる、 パートの入りがそろってない、等の問題点があったと思うんです。指揮者を見ても、 どうもいまひとつ、やりたいことが分からなかったりして、う〜んと考え込んでしま いました。ブレスや予備拍の取り方、フレーズの収め方など、もうちょっと勉強され たら、もっとよくなるのかな、と思いました。ま、それでも、崩壊することなく(し たら、恐い ^^;)最後まで無事に行ったのは、なかなかでした。特に4楽章、入りの 部分から、何か、崩壊してしまいそうな嫌な予感がしてしまって、ちょっと不安だっ たんです… でも、とりあえず、曲として聴けるだけの演奏をしてのけたことは評価 されるべきでしょう。 で、スメタナから、指揮者が替わります。替わった途端、これが同じオーケストラ なのかと言うほど、俄然、オーケストラが鳴り出したのです。ベト8ではちょっとひ 弱だったヴァイオリンなんかも、よう鳴り出しましたし、ベト8では音を外しまくっ てたホルンも、安定した音を出すようになったしし、指揮者が替わっただけで、ここ まで変わるの?という変化でした。人数の少ないわりに、弦も各パート、よく鳴らし ていたと思います。木管、特にオーボエなんかも、安定した音を出しているし、そこ に金管がぱぁん!とした音を出してきて、最高の盛り上がりでした。 それは最後のシベリウスにも同じです。全体がかちっとまとまっていて、それでい て、何かを伝えようとしているのも、分かるような気がしました。何と言うか、表情 のつくり方がうまいですね。出すべきところは出して、出なくてよいところでは抑え て、というのをちゃんと分かるようにしてはります。1楽章の頭のあたりは、もう少 しpにしても、という気もしたのですが、でも、あれくらいなんでしょうね。後半の スケルツォは、とても軽快に演奏していましたね。2楽章の変奏曲も悪くないとは思 うのですが、欲を言うと、もっと歌ってもいいと思います。きっちりと楽譜のとおり に演奏できているのだし。けど、3楽章のクライマックスは、感動もんでしたねぇ。 トランペットもトロンボーンも思いっきり鳴らしてるし、弦も負けじとばかりに思 いっきり鳴らしていて、最高のクライマックスでした。 総じて言うと、なかなか熱心な演奏をするオーケストラなんだな、ということで しょうか。「芦饗」と比べるのはよくないのでしょうけど、団員達だけの手で、これ だけの演奏ができるということは、素晴らしいことだと思います。次回も来たいと思 います。 |