らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1997年11月3日(月・祝)14時開演 |
●会 場 | シンフォニーホール |
●出 演 | ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮 |
ベルリン放送交響楽団 | |
●曲 目 | ブラームス/交響曲第3番へ長調Op.90 |
ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68 |
本場ドイツのベルリン放送響による、ブラームスのシンフォニー2本立て!とい
う、豪勢なプログラムです。ブラームス好きにとりましては、よだれの出るような演
奏会というものですな。(^^;) 総じて言ってしまうと、これが本場ドイツの味付けなんだぁ、これこそまさにブ ラームスなんだぁ、と納得が十分にいく、味わい深い演奏でした。弦の数の多さから くる、何ともぶ厚い響き! しかし、だからといって、ただ重厚長大といった感じで なく、繊細さをも持ち合せているんですね。あんなにたくさんの奏者(Vn1だけで も8プルトくらいあったような…)がいるのに、pのとこなんか、全く聴こえないく らいに音を集めてしまうんですから、その技術の確かさというものも分かるというも んです。低弦もごっつい響いてましたし、木管群(特にFlやOb)も素敵でした ね。ブラ1の方で、Hrにあれ…?というようなところが一つだけあったような気も したのですが、ま、ご愛敬ということで。(^^;) ブラ3は、その最初の入りからして、何やらただならぬものを感じたのでした。と ても大きな、波のうねりのようなものが、そのままに音楽の流れとなって表れてきて いるのです。それが、この曲の持つ、重厚さと、さらにその裏に秘められている、大 いなロマン性をも、見事に表現していたと思います。1楽章や4楽章の厳格さと同時 に、特に3楽章で顕著なロマンティシズムも、実に美しかったな。秋の日に聴くにふ さわしい、哀愁の漂うテーマの歌わせ方が、感動的でありました。(これ、好きなん ですぅ…^^;) 4楽章のテーマの扱い方も、また、かっちりした形式の中に秘められ たロマン性をうまく表していたのではないでしょうか。フレーズの歌わせ方が、中途 半端じゃありませんからね。何回か聴いているブラ3ですが、こんなに感動的な演奏 は、初めてのことです。やっぱり、こうでなくちゃ… そして、曲が静かに終った時 は、ほっとして、余韻にもっと浸りかったぞ…(誰かが終るや否や、拍手をするんだ もんなぁ…;_;) ブラ1の方も、今年、何回も聴いている曲ですが、これこそ、ほんまのブラーム ス、という感じの演奏だったと思います。指揮者によって、いろんなテンポが設定さ れるようですが、今日のフリューベックさんの作るテンポというのは、とても聴き心 地のいいものでした。朝比奈隆さんのように妙に遅くすることもなく(朝比奈さんの はあれでいいとは思うのですが。^^;)、むちゃくちゃ早いということもなく、ほん と、ちょうどいいなぁ、って思うくらいの感じでした。ただ、4楽章のクララのテー マのところは、割とたっぷりめに歌わせているように思いました。4楽章の最後はほ んと、圧巻でしたね。一気にaccelしていったかと思うと、思いっきりタメたりして、 聴く者の心をぐっと引き付ける演奏でした。これも、そうそう聴くことのできないよ うな、素晴らしい演奏だったと思います。 とまあ、そんなことで、当分は他の演奏ではブラームスは聴けないかもしれません な。(^^;) |