らいぶらりぃ
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神戸大学混声合唱団アポロン第35回記念定期演奏会

●日 時1997年12月14日(日)16時30分開演
●会 場神戸文化ホール・大ホール
●出 演指揮:山根伸司/西山洋平
客演指揮:斉田好男
オルガン:久保田真矢
ハープ:中嶋順子
パーカッション:山中祐起子
ボーイアルト:常陰哲
神戸大学混声合唱団アポロン
●曲 目吉岡弘行(谷川俊太郎)/混声合唱組曲「十ぴきのねずみ」
マルタン/Messe fur zwei vierstimmege Chore
バーンスタイン/Chichetster Psalms
(アンコール)
Shenandoah
武満徹/小さな空


 あ、さて、後輩たちの演奏会であります。6月の関混連の定期以来でもあります が、さて、どれだけ成長したかが楽しみで、卒業6年目になる今年も、しっかりと 行ってきました。

 まずは、副指揮者の手による「十ひきのねずみ」。要は、谷川さんの「ことばあそ びうた」なんですね。新実さんなんかもこの詩に曲をつけてはりますよね。とにか く、言葉をどれだけはっきりとしゃべることができるか、が演奏の出来を決める曲と 言うことができましょう。が、実際の演奏は、ちょっと…と首をひねらざるをえない ものでした。人数の割りに響いてこない、というのもありますが、それ以上に不満 だったのは、言葉がまったく分からない、ということです。「ねずみ」やら「いる か」やら「だって」、「たね」、「さる」等、もっと言葉を遊んでほしいと思いまし た。聴いている限りでは、単に楽譜上の音符を拾って歌っているだけ、という感じ で、それ以上の音楽というものを感じることができませんでした。リズム感が出てき ていない、というのも、それに輪をかけているかと思います。もっと、いわば「ソウ ルフル」に演奏されるべき曲ではないでしょうか。例えば、1曲目は「Rock'n Roll」 なのでしょう。にも関わらず、全然、そういうビート感が感じられないのです。5曲 目の「さる」にしてもそうです。似たような言葉を並べて、それをビート感のある曲 の上で、しゃべることによる面白み、というものがこの曲の持つ味だと思うのです が、そういうものを感じることができませんでした、残念ながら。練習時間が足りな かったのかな、とふっと思ってしまいました…

 お次は、6月からの引き続きになるマルタンです。あれから、1回生という新しい 戦力を得て、どれだけ成長したかしら…と思っていたのですが、正直言うて、あんま り変わらないような印象がしました。学生の団体にしては確かに、よくまとめている のかもしれません。けど、つい、後輩たちだと思うと、もう既に知らない人たちでは ありますが、どうしても、いろいろと求めてしまいます。Sopの声もやはり、6月 と同様、どうしても薄いかなという印象がしますし、Tenなんか、個人的な好みか もしれませんが、あまり聴きたくない声のように思われました。そして、何が一番、 悲しいかというと、やはり、ベースが聴こえてこないということ。ベースが響かない から、どうしても、曲全体がふわふわとした感じに聴こえしまいます。何か、違うよ なぁ… 6月の時もそうでしたが、一番気になったのが、「Credo」の「Crucifixus」 のところ。Tenから入ってくるのですが、ここのTenって、ああいう発声でほん まにええのかしら。いくら、fだからといって、完全に喉で押しているような声で出 てくるのは、ちょっと違うような感じもしました。ま、最初のステージに比べると、 ちょっとは声が出てきていたような感じもしましたし、曲としては、それなりにまと まっていたかと思います。毎年、言われることでしょうが、ほんま、あとは発声です ね、課題は。

 休憩の後はバーンスタインです。昨年に引き続いての斉田先生の指揮ですね。(い いかげん、たまには違う先生も呼びません?)本来はオーケストラ伴奏の曲だそうで すが、今日は、作曲家自身の手による、Org+Hrp+Perの編曲版なのだそう ですん。まぁ、バーンスタインらしいというか、元気のいい曲ですね。発声について は、相変わらず気になるのですが、それでも、斉田先生の指導の賜物なのでしょう、 しっかりと曲としてはまとまっていたと思います。もう少し、fのところなんかでも 前へ声が飛んできてもいいかなと思います。どうしても、舞台の上だけで、ごにょご にょっとしている、という感じがしてしまいますので。あ、そうそう、第2部で出て きた、ボーイアルトのソロは、とっても可愛らしくてよかったな。ついつい、そちら ばかりに気をとられてしまった…(^^;)☆\(--;)コラコラ… どこの子なんだろ…

 …って、不満ばかり言うてますが、決して、そないにひどい演奏会だったと言うつ もりはないのです。ただ、どうしても一OBとして聴いていると、いろいろと欲が出 てきてしまって。(--;) 曲としてはちゃんとまとまっているし、一応、やりたいと思 しきことも何となく伝わってきているような気もしましたし、無茶苦茶な演奏だっ た、ということは決して、ないと思います。ま、発声のことはいつも言われているこ とですが、学生の合唱団である以上、毎年、メンバーが変わることは避けられないこ とですから、ある程度は仕方のないことなのかもしれませんね。ま、その年ごとのカ ラーというもので、出来うるだけの力を最大限に引き出して、どれだけの演奏ができ るか、ということで、結局はその年の評価は決まるのでしょうね。

 アンコールの「Shenandoah」は綺麗な編曲ですね。どなたの編曲なんだろ… そし て、幕閉めの曲は「小さな空」。これもまた、私たちも昔、歌ったことのある曲だけ に、懐かしい思いで聴いていました。

(追記:元印刷チーフとしてひとこと)
 ま、何を今さら、という感じもするのですが、パンフを見ていて、気になったので すが、「Memorial」のページを作ったのは、「記念」演奏会であるからだと思うので すが、昔のパンフの表紙を、飛び飛びに並べてみることに何か、意義があるのかな… と思います。どうせなら、過去の演奏会の全ての曲目や、客演指揮者の名前とかを並 べるのが、「記念」に相応しい内容になるように思うのですが… 少なくとも、25 回や30回の時はそのようにしてはったと思います。(私はその狭間の26回から 29回までしか関われなかった…)あと、いい加減、パート紹介、もっとキレイにし ません?(^^;) ま、どうでもええ、と言えば、どうでもいいのですけどね…