らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年1月11日(日)14時開演 |
●会 場 | 伊丹アイフォニックホール |
●出 演 | 加藤完ニ指揮伊丹シティフィルハーモニー |
ソプラノ:田中千都子 | |
メゾ・ソプラノ:並河寿美 | |
テノール:中塚昌昭 | |
バス:安川佳秀 | |
合唱:大阪音楽大学オペラ研究部 | |
ピアノ:明石三栄子 | |
●曲 目 | モーツァルト/レクイエムニ短調K.626 |
ガーシュイン/ラプソディー・イン・ブルー |
今年、関西で聴く初めての演奏会です。伊丹シティフィルは、プロとアマの混成に
なるオーケストラで、伊丹アイフォニックホールの専属のオーケストラであります。
このオケを聴くのは、実は、今回が初めてだったりします… チラシを見てまず思ったのは、何や、この選曲は! ということ。だって、モツレ クにガーシュインなんて、絶対に変だと思いますもん。プログラムの中で指揮者の方 が言うには、3年前の震災に捧げる鎮魂歌を演奏し、その後、復興へ向けて希望あふ れるような曲ということで、ガーシュイン、なのだそうです。ま、趣旨は分からなく もないのですけどね…(^^; モツレクは、なかなか熱の入った演奏だったと思います。やはり、被災地域という 思い入れもあるのでしょうね。弦なんか、とってもきれいに響いてきて、いいなぁと 思いました。Vnの高音もきれいですね。けど、オケ以上におぉ!と思ったのは、合 唱団。大阪音楽大学の皆さんなのですが、人数は約30人ばかり。これだけの人数 で、オケを相手に、全くの対等に聴かせてくれました。「Dies irae」の力強さといっ たら、最高!でした。ま、少々、センプレ・フォルテって感じもしないでもなかった のですが(^^;)、全般を通じて、非常に力強さを感じさせる演奏だったと思います。い つも、合唱を聴いて気になる高声系の発声についても、特に難があるということはな く、SopもTenも、私好みの(?)響きでした。ソリスト陣の中では、昨年のカ レジ・オペラで「トスカ」を演じきった、並河さんについ、注目してしまいます。着 実に力をつけてきてはる、ということを感じさせる歌唱でした。Tenの中塚さんの 声がちょっと聴こえづらかったのが、残念ではありました… がらりと変わってのガーシュイン。オケも、前半と違って、大編成になり、より華 やかになります。木管の音もなかなか素敵ですね。Clなんか、ジャズの感じを ちょっと出して、揺らしていたようで、いいなと思います。また、Hrの音が少しだ け不安定になるような部分もありましたが、でも、やりたいことというのは、伝わっ てきていたと思います。ところで、ピアノの明石さんは、OLをしながら音楽活動を してはる方なのですね。多少、固さも見られましたが、丹念に弾いている、という印 象がして、なかなか素敵なピアノでした。それに、結構、遊ぼうとしてはるようで、 テンポを思いっきり揺らしてみたりしていましたね。悪くないなと思いましたが、欲 を言うと、不自然さが残らないような、ごく自然な感じで、テンポを揺らしたり、間 を取ったりすることができなかったかしら…ということを思いました。やりたいこと は十分に伝わってきていますから、後は、全体をひとつの大きな流れとして、音楽を 作ることができたら、と思います。 このオケをこうして、初めて聴いた感想としては、なかなかいいアンサンブルをす るオケだなぁ、ということになるかと思います。プロ・アマ混成ということですが、 そのことが、いい感じで実を結んでいるように思います。プロが技術的な部分をフォ ローしていきながら、アマが積極的な団の雰囲気を作っていく、短いステージの上だ けを見て、こういうのは何ですが、そのように感じました。お客さんもまさに地元の 人たちが多いようで、地域の文化振興という観点からも、素晴らしいことだと思いま す。今後も期待、というところですね。
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