らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年1月18日(日)14時開演 |
●会 場 | シンフォニーホール |
●出 演 | ピアノ:フィリップ・アントルモン |
●曲 目 | ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2 |
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調「熱情」Op.57 | |
ショパン/ワルツ第1番変ホ長調「華麗なる大ワルツ」Op.18 | |
ショパン/ワルツ第3番イ短調「華麗なるワルツ」Op.34-2 | |
ショパン/ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2 | |
ショパン/ワルツ第14番ホ短調 | |
ショパン/バラード1番ト短調Op.23 | |
ショパン/ノクターン8番変ニ長調Op.27-2 | |
ショパン/スケルツォ第2番変ロ短調Op.31 | |
ショパン/ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」Op.53 | |
(アンコール) | |
クープラン/セ・モニーク | |
ドビュッシー/ピアノのための組曲より前奏曲 |
今年初のシンフォです。タイトルのとおり、ピアノの名曲ばかりを集めたプログラ
ムで、しかも、アントルモンさんとなれば、ピアノ弾きにとりましては、たまらない
内容ですな。 前半はベートーヴェンの2つのソナタ。「月光」の第1楽章、最初、少し早いかな という気もしたのですが、メロディラインをはっきり出して、たっぷりと歌ってはり ました。第2楽章はあくまでも軽やかに、弾いてましたね。おぉっと思ったのは、3 部形式の2部から1部の再現に移るところ(分かりづらい表現だ…)で、ちょっと rit.していたこと。イン・テンポでそのままさらりと流す演奏をよく聴いていました し、私自身、そういう風に弾いていたので、これは新鮮に聴こえました。そして、第 3楽章、怒濤のごとく激しく流れる…かと思いきや、音は重厚なのですが、案外とさ らりとした感じで弾いてはりました。クライマックスのところで出てくる細かいパッ セージで、…あれ、ちょっとだけミスタッチしてはる… でも、そんなことおかまい なくで、盛り上がりを保ったまま、一気に最後の和音が鳴らされたのでした。
(ちょっと、ひとりごと) 「熱情」もまた激しく、と言いたいところですが、激しいと言うよりは、さらりと 流れていく中に激しさを秘めた演奏、という感じでした。けど、残念だったのは、第 3楽章のコーダ。一気にたたみかけるようにして、最後のクライマックスを築いてい くところですが、やはり、ミスタッチが耳につくのです… アントルモンさん、 ひょっとしてお体の具合でも悪いのかしらんと、心配になってきます。2楽章の変奏 曲がとても美しく歌っていただけに、何か悔しいような気がしました… 後半のショパンになると、その心配はさらに大きくなってきます。ワルツの1番に しても、何かいまいち乗りきらないような感じで、音に華やかさがなく、3番ももう 少ししんみりと歌ってみては?と思うような感じだったり(逆に、私が普段弾くのが しんみりし過ぎているのかも…)、7番はに至っては、後半、完全に音を外してし まってはる… アントルモンさんご自身、気に入らないようで、ぷいとした感じで、 すぐに次の14番に入っていかれてました… やはり、調子がいまひとつなのでしょ うか。でも、そんな中でも、例えば7番ワルツの中で、右手のメロディばかりを鳴ら すのでなく、左手の1の指が鳴らすような、内声を響かせる、という音楽の作り方 も、はっきりと聴きとることができました。へぇっ、こんなとこでも応用できるん だぁ、って感じで、これは勉強になりました。(^^) バラード以後も、調子の悪さが気になったのですが、それでも、さすが、アントル モンさん、ずらりと並んだ大曲をさらりと弾いてしまわれたのでした。スケルツォの 曲の組み立て方なんかも、勉強になりましたなぁ。 …と若干の不満を残しながらも(^^;)、アンコールは何と2曲。クープランの曲 は、なかなか可愛らしくていいですね。初めて聴いたのですが、気に入ってしまいま した。 今年はピアノの演奏会にもなるべく出かけるようにしようっと。(^^;)
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