らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年1月25日(日)14時開演 |
●会 場 | 東灘区民センター・うはらホール |
●出 演 | フルート:山形由美 |
ピアノ:東誠三 | |
●曲 目 | ルクレール/ソナタ第8番ト長調 |
バッハ/パルティータハ短調BWV.997 | |
ドニゼッティ/ソナタハ長調 | |
宮城道雄/春の海 | |
滝簾太郎/荒城の月 | |
ドンジョン/エレジー | |
ドビュッシー/ベルガマスク組曲より 「月の光」(ピアノ・ソロ) | |
ラヴェル/水の戯れ(ピアノ・ソロ) | |
タファネル/「魔弾の射手」幻想曲 | |
(アンコール) | |
ドヴォルザーク/ユモレスク | |
グノー/アヴェ・マリア |
今や日本を代表するフルーティスト、山形由美さんのコンサートであります。昔の
「連想ゲーム」の印象も未だに残っていますが(^^;)、その音楽性は一段と深みを増し
てきてはる、と感じました。それに、曲間にお話を入れながら演奏してはるので、親
しみがわくというものです。 最初のルクレールは初めて聴いた曲でしたが、いかにもバロックらしい感じのする 曲ですね。緩急の構成がかっちりとしていて、そこへ、由美さんのFlが丁寧に旋律 を奏でていきます。フレージングの取り方もしっかりしてはるから、聴いていて心地 よいですね。Pの東さんも、やさしいタッチの中に、通奏低音的なかっちりとした響 きをもって弾いてはるから、このお2人の取り合せはいいな、と思いました。次の バッハ、東さんのPに多少、バッハらしからぬフランス的な香り(?)が見られたた ような気もしましたが、これは人によって好みの分かれるところでしょうか。東さ んって、フランスに留学してはったから、そういう匂いが出てくるんですよね。で も、そういう匂いが、由美さんのFlのエレガントさを一層、引き立たせているの は、事実でしょう。ドニゼッティなんか、由美さんのFlも情感たっぷりに歌ってい るし、東さんのPもそれに十分に応えていて、とってもオペラテッィクな盛り上りを 見せてくれて、いいなと思いました。 後半は、日本ものからです。「春の海」、私もピアノで弾いたことがありますが、 箏の感じって、ピアノで表現するのが結構、難しいように思うんです。が、東さんの Pは、海の波がさざめく様をよく表現していたように思います。由美さんのFlも、 時にほんまの尺八のような太い響きをだしたりしながら、いい感じに鳴っていたと思 います。そして、今回、一番感動したのが、ドンジョンの「エレジー」です。無伴奏 で、秋の日の落葉が舞う様を表わした曲だそうですが、まさに、そういう絵が脳裏に 浮かんでくるような演奏でした。ひらりひらりと、滑らかに、軽やかに、しかしどこ か切ないような感じで、レガートの美しい曲でした。Fl1本でも、こんなにも表現 することができるものなのですねぇ。ピアノ・ソロの曲を2曲はさんで、最後は、 「魔弾の射手」幻想曲。オペラでも馴染みの旋律が次から次へと出てきます。これも また、たっぷりと歌い上げていて、十分に盛り上がって、曲は終わったのでした。 アンコールは、新しく出しはったCDにも収録されている曲を2つ。最後まで、歌 心に満ちた演奏で、十分に楽しむことができました。一地域の施設・ホールで、これ だけの演奏を聴くことができるというのは、素敵なことだと思います。こういう企画 がもっと増えたら、いいのにな、などと思うのでありました…
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