らいぶらりぃ
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神戸アーバンオペラハウス・ガラコンサート

●日 時1998年1月27日(火)18時30分開演
●会 場神戸文化ホール・中ホール
●出演・配役サントゥッツァ:並河寿美/福原寿美枝
トゥリッドゥ:田原祥一郎/松本薫平
アルフィオ:雁木悟
ネッダ:浅井順子/田中潤子
カニオ:松本幸三/安川忠之
トニオ:井上敏典
シルヴィオ:井原秀人
構成:豊田千晶
飯森範親指揮オペラハウス管弦楽団
●曲 目マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より
 アリア「シチリアーナ」(松本薫)
 アリア「ママも知る通り」(並河)
 二重唱「お前ここにいたのかサントゥッツァ」(福原・田原)
 二重唱「ああ神様が私のところへ」(並河・雁木)
 間奏曲
 アリア「あの酒は強いね」(松本薫)
レオンカヴァッロ/歌劇「道化師」より
 プロローグ(井上)
 アリア「鳥の歌」(浅井)
 二重唱「ネッダ、大丈夫だ」(田中・井原)
 アリア「衣装をつけろ」(松本幸)
 間奏曲
 アリア「もうパリアッチじゃない」(安川)

 一昨日のガラコンサートに続いて、今宵も歌の饗宴であります。(^^;) しかも、今 日は、地元神戸の声楽家たちの登場となりますので、さて、どうなりますやら。

 前半は「カヴァレリア・ルスティカーナ」。前奏曲の演奏が始まり、やがてその一 部として、「シチリアーナ」が歌われます。松本さんの声は今回、初めて聴かせてい ただいたのですが、ちょっと高音に難があるようにも聴こえました。中音域では十分 に響いているのですが、上の方に行くと、ちょっと響きが不安定になるような気がし たのですが、ま、一番最初だから、ということで。(^^;) そして並河さんのサン トゥッツァが登場します。「ママも…」は一昨日も聴いたような…(^^;) でも、個人 的には、並河さんの声は好きですね。しゃんとした響きの芯が通っていて、聴きやす いと思います。次に入れ代わって、福原さんのサントゥッツァと田原さんのトゥリ ドゥの二重唱が始まります。と、ここで思い出してしまったのが、昨年の6月に東京 で聴いた、カレーラスとバルツァの同じ二重唱。(んなもん、思い出すなって。^^;) おぉ、そういや、あの時と場面は一緒だぁ、どうせなら、ローラも誰かにやらせて3 人の駆け引きを展開させれば、面白いのにぃ、なんて思ってしまいました。でも、田 原さんのトゥリドゥも結構、悪くはなかったかな。で、また入れ代わって、並河さん のサントゥッツァが雁木さんのアルフィオに告げ口をしてしまうシーン。どうも、並 河さんが出てくると、贔屓目に聴いてしまう…(^^;)ゞ 間奏曲を挟んで、最後に再び 松本さんのトゥリドゥで訣別のシーンです。やはり、響きの微妙な不安定さが気にな る… 何かこう、力で押してはる、って感じがするんですよね。ま、逆に、それが、 死をも意識した、決然たる意志、というものを十分に伝えてきてはいたと思います。

 …ということで、前半は、若手の歌手の皆さんを中心にした舞台なのでした。後半 は、実力派の皆さんによる、「道化師」です。井上さんのトニオも、浅井さん・田中 さんのネッダも、安心して聴けますね。(^^;) しかし、ここでもまた出てきてはるの が、井原さん。ほんと、最近、あちこちのオペラものには必ずと言っていいほど、出 てはりますねぇ。働きすぎなんじゃないかしら…(^^;) その井原さんのシルヴィオと 田中さんのネッダのやり取りは、なかなか説得力があって、よかったな。松本さんの カニオは、いかにも道化という感じは出ていたように思いますが、個人的には、 ちょっとイメージが違ったかな… 最後の安川さんのカニオの方が、私の好みには 合っているように思いました。浅井さんのネッダを前に、怒りを表にし、ついに刺し てしまう、その緊張感は、なかなか迫真のものでしたな。と、見ると、舞台の奥で、 井原さんのシルヴィオも刺されて倒れてはるじゃないですか。んな、前に出てくれば いいようなものを…(^^;)

 とまぁ、いわば2つのオペラのハイライト版といった感じで、おいしいとこだけを つまみ食いするような演奏会でした。飯森さん指揮のオペ菅の音も安定して、歌い手 を引き立たせていたように思います。あえて、難を言えば、歌手をたくさん、使いす ぎるんじゃない?ということ。(^^;) だって、サントゥッツァは並河さんで、ネッダ は浅井さんで、ずっと聴きたかったんだもん…(^^;;)