らいぶらりぃ
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ザ・シンフォニーホール名曲コンサートVol.30

仲道郁代ロマティック・コンチェルト

     
●日 時1998年3月21日(土・祝)14時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演ピアノ:仲道郁代
渡邊一正指揮大阪センチュリー交響楽団
●曲 目リスト/交響詩「前奏曲」
グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調Op.16
シューマン/ピアノ協奏曲イ短調Op.54

 あこがれの郁代さんのコンサートです。チケットも早々に手配して、1F中央の下 手寄りという、最高の席をGETしていたのでした。

 グリーグにしても、シューマンにしても、どちらも、とってもロマンティックな曲 だと思うのですが、この取り合せはいいですねぇ。郁代さんの魅力が十二分に表れて いたと思います。グリーグの1楽章の第2主題や、第2楽章など、非常に繊細な感じ で弾いてはるのが、印象的です。pの表現の仕方が実に魅力的、ということでしょう か。一瞬、静けさのようなものが漂い、そこから、りんとした緊張感を持ちながら、 メロディが美しく奏でられていきます。そ、混じりけのない、純度の高い清水が、雪 溶けの時期、さらさらと流れていくような、そんな感じがします。(←どんなんや …)カデンツァの部分なんかは、まさに「流れて」いたような気がします。3楽章に 入り、演奏に対する集中力というものはさらに高まるようで、ここの主題を奏する 時、バックについてくるHrがちょっと遅れ気味に聴こえるような気がしました。 ひょっとして、ちょっと走ってはったんかな… でも、その力強さに、ぐいぐいと演 奏に引き込まれていくようで、おぉぉ!と思ってる間に、曲は終ったのでした。

 後半のシューマンもまた、然り、です。情緒あふれる1楽章なんか、まさに郁代さ んにぴったり、という感じで(←何が、だ。^^;)、その美しさに、ほろっときてしま いました。そして、2楽章は更に美しく、郁代さんの持つ、たおやかさ、みたいなも のが、実によく表れていたと思います。実際、見ていると、指や腕の動きが、とって もしなやかで、がんがんとピアノを鳴らす、というのでなく、滑らかな動きでもって 歌い上げる、という感じなんですね。ピアノを”叩く”のでなく、”撫でて”いる、 というか。”優しさ”が音楽にも十分に表れてきています。そして、3楽章は華麗さ を増しながら、クライマックスへと進んでいき、感動のうちに終るのでした。

 生の、郁代さんの演奏に触れ、ますます郁代さんの魅力の虜となってしまいそうで す。終演後、しっかりとサインもいただいたことは言うまでもありません。(^^)v  「ありがとうございます。」と仰って、にこにことしながらサインの求めに応じてく ださる、その表情がまた、魅力的ですね。(*^^*)