らいぶらりぃ
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ウィーン少年合唱団

●日 時1998年4月5日(日)14時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演マルティン・シェベスタ指揮ウィーン少年合唱団
●曲 目<第一部>宮廷礼拝堂の音楽
ヨーゼフ・ハイドン/神への感謝の歌
ファート/サルヴェ・レジーナ
カルダーラ/私の肉はまことの食べ物
カルダーラ/私は生けるパンである
ミヒャエル・ハイドン/愛でたし殉教者の花よ
シューベルト/大ハレルヤ
<第二部>
モーツァルト/オペレッタ「カリフの鵞鳥」
<第三部>世界の民謡
菩提樹の下で(オーストリア)
ジプシーがチーズを食べて(ハンガリー)
ヴォルガの舟歌(ロシア)
美しき国(ドイツ)
アヴィニョンの橋で(フランス)
サンタルチア(イタリア)
ああ美しき君(スペイン)
グリーンスリーヴス(イギリス)
小さなダヴィデよ、ハープを弾いてくれ(アメリカ)
浜辺の歌(日本)
ふるさと(日本)
花(日本)
(アンコール)
J.シュトラウスII/ポルカ「観光列車」
          ワルツ「美しく青きドナウ」
          トリッチ・トラッチ・ポルカ
さくらさくら

 「天使の歌声」…ウィーン少年合唱団のことを言う時、よく使われる言葉ですが、 今回の演奏会では、それだけでない、普段着のままの彼等の姿を垣間見ることができ たような気がします。と言うのも、即ち、第二部でモーツァルトのオペレッタをやっ ていた、ここが実に生き生きとしていたからなのです。

 「カリフの鵞鳥」は、1幕のオペレッタですが、このそれぞれの役に、ウィーン少 年合唱団の皆さんが、衣装も艶やかに扮して、シンフォニーホールの舞台の上をとこ ろ狭しと駆け回る、その姿は、「天使」と言うよりは、普段の寄宿舎生活をそのま ま、見ているような、面白みがありました。学芸会(?)的なノリは多分にあるので すが、それでも、彼等の綺麗な声でのアリアなんかも聴けるのですから、それでよし としましょう。それよりも、その表情の何と楽しそうなこと! 茶目ッ気たっぷりに お互いにやりとりをしている様は、ほんま、日常でもしている姿なんじゃないでしょ うか… それでいて、役づくりもきちんとしていて、ゼルミーレ役の子なんか、ほん まに女の子になりきってるし、フィルジバッハの悪役ぶりもなかなか… 台詞は基本 的には英語のようですが、ところどころ、何と、日本語!でも喋っているのが、我々 へのサービスなのでしょうか、いいですね。それに、ウケを取りに行っているような 部分もあったりして、なかなか笑えました。例えば、最初にカリフが登場してくると ころ、カリフの従者というのか、カリフの頭上に布のカサみたいなものを4人で掲げ て入ってくるのですが、彼らが他の部下達と一緒にお辞儀をしてしまって、そのカサ がばさっとカリフの上に覆いかぶさってきて、カリフがばたばたともがく、なんて シーンがありました。こりゃ、吉本新喜劇の世界ですわな。(^^;) また、最後の方で 魔術師が出てくるところでは、彼がマギー司郎(で、字、あってたっけ?)よろし く、ほんまの手品をしてくれたりして、こんなふうに、観客を喜ばせるツボを押さえ た演出で、十分に楽しむことができました。

 え、他の歌の方はどうだったんだって? そりゃ、もう、澄んだ声で、とても綺麗 なハーモニーでした。それに、高音だけでなく、ボーイ・アルトと言うのか、低音 も、よく響いているのに、おぉ!と思いました。第一部の宗教曲から第三部の民謡ま で、レパートリーも豊富で、いいですね。そして、アンコールには、やはり、のシュ トラウスもの。「観光列車」も合唱があったのですね。知らなかった…(^^;)