らいぶらりぃ
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近藤嘉宏ピアノ・コンサート

●日 時1998年4月10日(金)19時開演
●会 場音楽の友ホール・新大阪
●出 演ピアノ:近藤嘉宏
●曲 目シューマン/アラベスクハ長調Op.18
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ嬰ハ短調Op.27-2「月光」
ブラームス/パガニーニの主題による変奏曲イ短調Op.35
ショパン/エチュード変イ長調Op.25-1「エオリアン・ハープ」
     エチュードホ長調Op.10-3「別れの曲」
     エチュードハ短調Op.10-12「革命」
     エチュード変ト長調Op.10-5「黒鍵」
     エチュードハ短調Op.25-12
ラヴェル/夜のガスパール
(アンコール)
ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
ロミオとジュリエット
ショパン/ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2

 近頃、あちらこちらで人気の近藤さんのピアノを、初めて聴きに行ってきました。

 聴いてみての第1印象は、とにかく、タッチが深く、実に力強い音を出してはる、 ということ。1音1音が、ずんずん、と響いてきて、その迫力には圧倒されそうでし た。特に「月光」の第3楽章、この迫力といったら、もう、ベートーヴェンが考えて いた響きというのは、こういうものではないかしらん、と思わせるほどのものです。 ブラームスも、また、同様の迫力で、この難曲を、堂々とした演奏でこなしてはりま した。う〜む、素晴らしい! 人気急上昇なのも、分かりますね。(^^)

 で、後半のショパン、これもやはり圧倒的な力をもって、迫ってきます。ま、「革 命」なんかはそれでいいのでしょうけど、「別れの曲」は、私の好みとはちょっと 違っていたかな… もっと、歌ってほしいな、という思うのです。割と、淡々とした 感じで、さらっと弾いてしまいはるから、ちょっと欲求不満状態でした。(^^;) け ど、ラヴェルに至って、がらりと変わります。それまでの力で押してくるのが、実に エレガントな、華麗な響きに変わるのです。うん、やっぱり、ラヴェルはこうよ ねぇ、と思うのと同時に、そういう切り替えをしはることにも、さすが!と思いま す。「水の精」の軽やかさ、「絞首台」の暗い不気味さ、「スカルボ」の華やかさ、 いずれも見事に自分のモノとして、表現しきっていたと思います。

 アンコールは3曲。その中でも、「ロメオとジュリエット」(映画の音楽のです …)が、よかったな。だって、私も弾くんだもん。(^^;)

 しっかし、お客さんのほとんどが女性、というのには、何だか気がひけてしまいま した…(当然と言えば、当然なのでしょうが…^^;)