らいぶらりぃ
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小原孝ピアノ・リサイタル

●日 時1998年4月15日(水)19時開演
●会 場いずみホール
●出 演ピアノ:小原孝
セカンド・ピアノ:河原忠之
●曲 目ガーシュイン/「ソング・ブック」より I Got Rhythm/Liza
       3つのプレリュード
       「ソング・ブック」より The Man I Love/Swanee
                    Fascinating Rhythm/Samebody Loves me/'S wonderful
(小原孝編)/パリのアメリカ人 ファンタジー
(前田憲男編)/二台のピアノのためのサマー・タイム
(小原孝編)/アイ・ガット・リズム・ヴァリエーション
ガーシュイン/ラプソディー・イン・ブルー
(アンコール)
(前田憲男編)/愛情物語

 2月に「ピアノよ歌え」のコンサートを聴かせてもらった小原孝さん、今回は、 ガーシュインに真面目に(?)取り組むという趣向です。

 「ソング・ブック」の中からのスタンダード・ナンバーの数々、いやぁ、いいです ね。小原さんならではの歌いっぷりが、よく出ていたかと思います。思わず、体を揺 すりそうになりながら(^^;)、知らぬ間に時間が経っていたという感じです。けど、ほ う!と思ったのは、「3つのプレリュード」。ガーシュインってこんな曲も書いてい たんですね。あまり取り上げられないのかもしれませんが、お洒落な感じの素敵な曲 ですね。これはひとつ、勉強になりました。(^^;)

 さて、お楽しみは後半の2台ピアノによる演奏です。セカンドの河原さんの腕もな かなかのもので、この2人の手による連弾は、ぶ厚い響きの中に、歌心がたっぷりと 表れている演奏で、とても楽しめました。「サマー・タイム」もここまでやるかとい うくらいの、なかなか凝ったアレンジですね。と、「ラプソディー・イン・ブルー」 も2人でするのかと思いきや、こちらは、何と小原さん1人での演奏。ソロ・ピアノ +オケ・パートというような形でするのかと思っていたので、ちょっと意表をつかれ たような気はしました。(^^;) でも、パワフルで、素敵な演奏でした。

 何が素敵と言って、ガーシュインの音楽の持っているメロディックな部分を、よく 理解していて、それを、いつものとおり、たっぷりと歌いあげていく、ここにあるの でしょう。ガーシュインを完全に自分のモノにしている、と言ってもいいのではない でしょうか。(学生時代にも結構、ガーシュインのことを勉強されたようですし。)

 アンコールは、「愛情物語」、つまりショパンのノクターン第2番ですな。これ を、何と2台のピアノで演奏してくれたのです。実はこれ、ソプラノの塩田美奈子さ んのCDアルバム「愛情物語」の中に収録されているものなんですね。このアルバム の中でも美奈子さんの歌の伴奏という形でこのお2人でピアノを弾かれているんです ね。だから、おぉ!と思いながら、美奈子さんがここにいたらな…などと思ってしま うのでした…(^^;)