らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年4月25日(土)19時開演 |
●会 場 | イシハラホール |
●出 演 | ピアノ:児玉桃 |
●曲 目 | バッハ/半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903 |
シューマン/アベッグ変奏曲Op.1 | |
シューマン/ウィーンの謝肉祭の道化芝居Op.26 | |
チャイコフスキー/ピアノソナタト長調Op.37 |
昨年10月のオペ管の定期以来の、桃さんです。聴く度に精神的・音楽的な成長が
はっきりと見られるのですが、今回もまさにそのとおりの演奏でした。 一番はっきりとそれが出ていたのが、バッハとチャイコフスキーでしょう。この辺 りの曲は今までもあまり取り上げていらっしゃらないと思うのですが、まず、そうい う曲を選んでいることから、おぉっと思わせます。バッハの前半は力強い幻想曲。け れど、決して単にfで弾くというだけでなく、1音1音、丹念に弾いているのが分か ります。そしてそれは後半のフーガになっても変わりません。個人的な印象では、 バッハのフーガって、どの曲でも、ちゃんと弾こうと思ったら、ごっつい難しいもの だと思っているのですが(^^;)、それをきっちりと正確に、決して一つの音もおろそか にすることなく弾いてはるのが、見事!です。それに、聴いていると、そのフーガの 中に込められたバッハの想いにまで触れようとしてはるのが、伝わってきます。そ、 まさに正面から堂々とバッハの曲に向き合うという姿勢が伝わってきて、おぉぉっ! と思うのでした。(^^;) 一方のチャイコフスキー、こちらも同様、この曲の真髄に迫ろうという気迫が伝 わってきます。堂々とした1楽章、その中に出てくるチャイコフスキーらしい甘美な 旋律、それ以上に甘美で美しく流れる2楽章、この辺りは、ほんと、ぐっと訴えかけ てくるものがありました。思わず、ほろっとしてしまいました。3楽章のスケルツォ は楽しげに、そして4楽章は再び気合込めて、って感じで弾いていて、この曲をまさ に自分のモノとして演奏している、そう感じました。その気迫が会場いっぱいに広 がって、異様なまでの緊張感がそこに漂ったように感じたのは、私だけかしら… 順序が逆になってしまいましたが、シューマンももちろん、素敵な演奏でした。 「道化芝居」の方は特に、各楽章ごとの場面がはっきりと目に浮かぶようで、実に臨 場感のある演奏でした。 次に桃さんの演奏を耳にできるのはいつかしらん、と今から楽しみです。(^o^)
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