らいぶらりぃ
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大阪フィルハーモニー交響楽団第318回定期演奏会

●日 時1998年5月18日(月)19時開演
●会 場フェスティバルホール
●出 演秋山和慶指揮大阪フィルハーモニー交響楽団
ヴァイオリン:サルヴァトーレ・アッカルド
ソプラノ:菅英三子
テノール:五郎部俊朗
バス:田中勉
大阪フィルハーモニー合唱団/大阪すみよし少年少女合唱団
●曲 目メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
オルフ/カンタータ「カルミナ・ブラーナ」

 4月に職場が変わって、1か月。まだこちらの職場のペースというものがつかみき れていなくて、今日も気がついたら、7時前。「げ、失礼します!」とそそくさと職 場を出て、大阪まで飛んできて、何とか、カルミナには間に合いました。前半のメ ン・コンも聴きたかったのですが、そういうわけで、聴けませんでした。ごめんなさ い>アッカルドさん

 さて、カルミナ・ブラーナ、先日のパソ通のオフ会で全員合奏で演奏した曲です。(^^;) あの 後、今回の大フィルの定期がこれを演奏するということを思い出して、急に聴きたく なって、急いでチケットをGETしたのでした…(^^;) で、今回の演奏、ちょっと無 理をしてまで来ただけの甲斐のある演奏を聴かせてくれたと思います。(^^)

 合唱はいつもの大フィル合唱団。ここの演奏って、勝手なことを言わせていただく と、期待通りの演奏だったり、期待外れの演奏だったり、何か安定しないような印象 があるのですが、今回はどちらかというと、前者の方になるでしょうか。声は十分に 出てきていて、ぐっと聴く側にも力が入ります。細かなところまで聴いていくと、そ れなりのアラも見つかってしまうのですが(^^;)、なかなか健闘していたと思います。 特にアルトのパート・ソロのところは、しっかりした支えのある響きでいいなぁ、と 思いました。ソプラノもなかなか頑張っているのですが、高い音から入ってくるとこ ろの入りが、ちょっとばらけているように思います。また、男声も迫力があるから、 よかったのですが、テナーの響きが薄っぺらくなってしまうようなところがあったの が、気になりました。まぁ、この辺りのことは細かなことです。曲の感じはしっかり とつかんでいるようでしたし、この曲にふさわしい、力強さが出ていたのは、なかな か、と思います。これで、歌詞を棒読みするような歌い方を何とかしたら、なお素敵 な演奏になるのではないでしょうか…

 合唱と言えば、もうひとつ、すみよし少年少女合唱団のことも忘れてはいけませ ん。最近、どうも子供たちの歌声っていいなぁ、と思えるようになってきたのです が、彼らの声もまた、とっても素直な発声で、聴く者の耳にすっと入ってくるんで す。第15曲で、ソプラノの菅さんと作り出す世界は、とても奇麗で、おぉ!と思い ました。第22曲で大人達とかけ合いになるところも一生懸命、頑張っていました ねぇ。素敵な児童合唱でした。

 さて、ソリスト陣はというと、これもまた力のある人をそろえてきていて、とても 安心して聴くことができました。バリトンの田中さんは、曲ごとにはっきりと表情を 変えているのがいいですね。例えば、第13曲では偉そうに修道院長をきどってい て、それが第16曲では切々とした感じで想いを歌っていく… この変化はさすがで す。テノールの五郎部さんの凛とした響き、ソプラノの菅さんの明るい、ぱぁんとし た響き、こちらも素敵です。特に第21曲でのしんみりと心に響いてくる声は、とっ ても美しかったと思います。

 オケの方は、いい意味でも悪い意味でも、やっぱり大フィルだなぁ、と印象がしま す。もうちょっとクリアな音を出しても…と思うような部分があったりします。で も、そういう大フィルの味が、逆にこの曲には合っているようにも思えます。世俗カ ンタータ、という曲の持ち味がうまく引き出されていたのではないかと思います。