らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年7月11日(土)14時30分開演 |
●会 場 | 神戸朝日ホール |
●出 演 | マリンバ:山中祐起子 |
ピアノ:坂本恵子 | |
パーカッション:栗原未知 | |
●曲 目 | バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 |
エドワーズ/マリンバダンス | |
タナー/マリンバとピアノのためのソナタ | |
大前哲/ザ プロスプクツ ダブル・トークNo.25 | |
安倍圭子/道 | |
フバイ/カルメン ファンタジー |
山中さんは、地元の辺りでは、若手と言うよりは、もう中堅と言っていいような、
マリンバ奏者であります。彼女のソロでの演奏を聴くのは、初めてです。(また、マ
リンバの演奏というもの自体、あまり聴いたこともないのですが…) 最初のバッハは、…う、やっぱりチェロの演奏を聴き慣れているためか、どこか違 和感みたいなのを感じてしまいます… 3月に聴いた、鈴木秀美さんの演奏を思い出 しながら聴いていたのですが、あのチェロの音色をマリンバで表現するというのは、 なかなか難しそうですね。もっとも、それがまた新鮮な風にも聴こえたのですが。 2曲目からは、マリンバのために書かれた曲が続きます。エドワーズの曲は、ダン スと言うだけあって、軽快な曲です。それを、山中さんのマリンバは、実に力強く、 明朗な響きで表現していきます。その技術の巧みさは、さすが、というものです。た だ、演奏にどこか、物足りなさを覚えてしまうのです。音ははっきりしていて、いい のですが、そこから、何かが伝わってくるのかしらん…ということをふと、考えてし まうのです。 例えば、タナーのソナタの第2楽章、これは実に神秘的な感じの曲なのですが、こ こは、さすがに音の扱いも丁寧で、その不思議な世界(?)を見事に表現していたと 思うのです。が、こういう、伝わってくる「何か」が、他の曲では、いまひとつ、 はっきりとしてこないんですね。かなり緊張してはるのは、よく分かりましたけど、 でも、やはり、何かを伝えないと。叩いて音を出す楽器のせいか、どこか、演奏に無 機質的なものを感じてしまうののは、ある程度は仕方のないことなのかしら… せっ かく、あれだけの表現をするだけの技術を持ってはるのに、もったいない…と思って しまうのです。 でも、その無機質さが活かされたのが、大前さんの曲。リズミックな動きを繰り返 していくだけの曲なんですね。ミニマム・ミュージックと言うか。曲の是非について は、よく分かりませんが、でもこういう曲も聴きようによっては、面白いのかもしれ ませんね。 逆に、一番、印象的なのは、安倍さんの曲。安倍さんは日本を代表するマリンバ奏 者ですね。さすが、その安倍さんの作った曲だけのことはあって、マリンバの持って いる魅力というものが、実によく生かされています。そして、山中さんの演奏も、そ の魅力を最大限に表現しているようで、その、どこか不思議で神秘的な感じの曲に、 じぃっと聴き入ってしまいました。 最後は、カルメン。フバイの原曲は、VnとPのためのもののようですが、それを マリンバとピアノ用に編曲したもの。うん、こういう曲でこそ、彼女の演奏の力強さ が生きてきますね。闘牛士の歌なんか、結構、迫力ありましたし、ハバネラもなかな か、情熱的な感じが出ていて、いいなと思います。坂本さんのピアノもうまくフォ ローしていて、素敵な演奏だったと思います。 マリンバという楽器の魅力とその難しさのようなものとを、改めて感じた演奏会で した。(^^;)
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