らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年7月11日(土)17時開演 |
●会 場 | 神戸新聞松方ホール |
●出 演 | 阪哲朗指揮アンサンブル神戸 |
ピアノ:土居知子 | |
●曲 目 | モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク |
モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467 | |
ハイドン/交響曲第92番Hob.I:92「オックスフォード」 |
昨年の11月以来のアンサンブル神戸の定期です。指揮は、もちろん、私の大好き
な阪さんです。阪さんの指揮を拝見するのも、1月の東京シティフィル以来ですね。
(^^;) プログラムは、今回も古典派の曲が並びます。「アイ・クラ」は、割りと無難な演 奏のような感じがしました。ただ、見ていると、メンバーさんが何人か、入れ替わっ ているようなのですが、そのせいか、少し音が今までと違う?というようなことも感 じてしまいました。何が悪いなどということは決してないのですが、微妙に何かが違 う、ようなことを感じたのです。 そして、それは次のコンチェルトになって、よりはっきりと感じます。ソロの土居 さんは、昨年にも共演してはる方です。その時にも感じたのですが、やはり音の扱い は丁寧ですね。けど、それだけ、という感じが拭えないのも前と同様です。もっと歌 わせるべきところというのもあるのではないかしらん…と思うのです。例えば、第2 楽章にしても、あの綺麗なメロディーを、大切に扱うのはもちろん大事なことです が、それだけでいいのかしらん、映画でも使われる程の曲なのですから、もっとロマ ンティックさというものが出てきてもいいのではないか、と思うのです。(とは言う ても、ロマン派の曲になってしまってはいけませんが。)また、オケの方も、所々、 音がちょっと、?というような部分があったりして、う〜む、と考えざるを得ないよ うな感じはしました。Hrなんかは音が目立つから、どうしても、損だとは思うので すが、あの音はちょっと…だったように思います。 あの歌わせ上手の阪さんが指揮をしているのに、どうも満足がいかない、と感じて しまうのは、やはり、オケの方に問題があるから、なのでしょうか。(或いは、この 水曜日にミョンフンさん指揮の演奏会を聴いてきた感動が未だに残っているため、ど うしてもそういう耳で聴いてしまうから、なのでしょうか…)メンバー表を改めて見 て、確認してみると、半分近くのメンバーが昨年と替わっているようでしたが、これ は単に今回だけ、たまたまメンバーが来れなくて、トラを入れているだけなのか、そ れとも、ほんまにそれだけ、ごそっと替わってしまったのか、分かりませんけれど も、オケとして継続させていく上では、どうなのかしら、と思ってしまいます。 それでも、ハイドンはやはり、素敵な演奏でしたね。技法的にも優れているこの曲 を、阪さんの指揮が巧みにまとめあげていきます。実にメリハリのある演奏で、か つ、2楽章等での歌わせ方も魅力的です。圧巻は、やはり4楽章ですね。まるで、こ の楽章に今夜の演奏の全てが凝縮されているかのような、充実した演奏でした。 来シーズンからは、コーミッシェ・オーパー専属の指揮者に就任することになって いる、阪さんですが、そうなると、これからは日本での公演も少なくなるのでしょう か。果たして、アンサンブル神戸の方もどのようになっていくか、ちょっと不安も感 じてしまうのですが、よりいい方向へと向かっていくことを願ってやみません。
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