らいぶらりぃ
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夏休みファミリーコンサート
〜新世界からの贈り物〜

●日 時1998年8月2日(日)14時開演
●会 場いずみホール
●出 演天沼裕子指揮大阪センチュリー交響楽団
●曲 目アンダーソン/トランペット吹きの休日
       フィドル・ファドル
       プリンク・プランク・プルンク
       タイプライター
       ジャズ・レガート
       ジャズ・ピチカート
       ブルー・タンゴ
       シンコペイテッド・クロック
       舞踏会の美女
       ワルツィング・キャット
       トランペット吹きの子守歌
ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界から」

 いずみホールでは、この秋に、ガーシュイン生誕100周年ということで、彼のこ とをシリーズで取り上げる企画をしているのだそうで、今回の夏のコンサートは、そ れへ向けてのプレ・コンサートとでも言うべき、アメリカにまつわる音楽が、プログ ラムにあがっています。(と言っても、アンダーソンだけやないか、という気もする のですが…)

 と言うより、私自身は、天沼さんの指揮を見たいと思って、今回の演奏会に行って きたのです。学生の頃に、彼女がどこかの学生オケを指揮してはるのを見た(聴い た)ことがあるのですが、なかなか素敵な演奏をしてはったのが、印象に残っていた のでした。女流指揮者というと、真っ先に松尾葉子さんのお名前があがってくるくら いで、他の方なんて、存じ上げないような感じでしたので、そんな時に拝見した天沼 さんは、余計に印象的でもありました。

 さて、それで今回の演奏会です。前半のアンダーソン特集は、天沼さんご自身の司 会・進行で進められていきます。最初の「トランペット吹きの休日」が終わると、天 沼さんがこちらを見て、「私が司会の天沼です。」と自己紹介。…「司会」じゃなく て、「指揮」なんちゃうんかい、と突っ込みも入れたくなるのですが(^^;)、さらに、 「私、もともとは作曲を勉強しておりまして、1に作曲、2にピアノ、3に指揮、と いう感じで、指揮はあまり好きじゃない…」というようなことをおっしゃいます。で も、そんなに悪い指揮(ってどんなんやろ…?)をなさるようにも見えないのですけ どね… 久しぶりに聴くセンチュリー(2月の特別演奏会以来ですかね…)の音もク リアで、ノリもよくて、アンダーソンの曲を見事に演奏していたと思います。ラッパ 吹きの音も安定していて、いいですね。「プリンク・プランク・プルンク」の中間部 は、ベースの見せどころ(?)ですが、もうちょっと何かやってほしかったような気 もします…(^^;) でも、陰でこっそりと、役のない金管奏者とかが後ろの方で、ホー ルの壁をすりすりとこすって音を出しているのが、ちょっとおかしかったですね。

 後半は、新世界。また…?という感じもしないのでもないのですが(^^;)、でも、な かなかの好演だったと思います。天沼さんの音楽作りは、若々しさが前面に出てくる ようで、もうちょっとゆったりとしても…と思うような部分もあったのですが、それ でも、全体を通じてみると、決してそれが不自然でなく、実に生き生きとした音楽に 仕上がっているのです。また、オケの方もそれによく応えていて、もともと、若々し いオケではあるのですが、さらに若々しい、新鮮な演奏に聴こえました。夏の暑い日 にふさわしい、新鮮で清涼感のある演奏だったと思います。