らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年8月22日(土)16時開演 |
●会 場 | 神戸市立西区民センター |
●出 演 | フルート:吉岡美恵子 |
フルートアンサンブル”エリオ” | |
ピアノ:平山朋子 | |
●曲 目 | モーツァルト/アイネ・クライネ・ナハトムジーク |
ヴィヴァルディ/「四季」より 春 第1楽章 | |
ジュナン/ヴェニスの謝肉祭 | |
ドゥルーエ/イギリス国歌変奏曲 | |
アイルランド民謡/ダニーボーイ | |
ベートーヴェン/エリーゼのために | |
チャイコフスキー/「くるみ割り人形」より あし笛の踊り/華のワルツ | |
中田喜直/夏の思い出 | |
山田耕筰/赤とんぼ | |
ドップラー/アメリカ | |
ハンガリア田園幻想曲 | |
ビゼー/「アルルの女」より メヌエット | |
ボルヌ/カルメン幻想曲 |
この時期、夏休み期間中のせいか、どうしても家族向きで楽しめる演奏会が多くな りますね。啓蒙的な意味では、歓迎すべきことです。今日の演奏会も、どちらかと言 えば、そういう種類になります。プログラム自体は、誰でもどこかで聴いたことのあるようなものばかりを集めてあ るので、お客さん達(結構、家族連れが多かったですね)も十分、楽しめたのではな いでしょうか。それに、吉岡さんご自身が司会として、曲にまつわることなどをいろ いろとお話してはりましたので、より親しみやすかったものと思います。
ところで、フルートのアンサンブルというのも、普段はあまり聴かないのですが、 いいものですね。(^^;) アルト・フルートのおっとりとした音色や、バス・フルート の、え、これがフルートなん?というような音色も聴くことができて、ちょっと感 動、なのでした。また、演奏では使われませんでしたが、日本の篠笛や中国の横笛も 紹介だけされていました。昨日の雅楽の印象も残っているせいか、やはり、こういう アジアの音色・響きには、ほっとするものを感じますねぇ。
曲目の中でいくつか面白かったものを挙げてみると、まずは、ドゥルーエの「イギ リス国歌変奏曲」でしょう。例のイギリスの国歌をテーマにして変奏していくとい う、何とも大胆な(?)曲です。本来は全てを奏するのに20分以上を要するのだそ うですが、今日は、その中からの抜粋が演奏されたのでした。それらを聴いた限りで は、フルートの技巧を上手く使った変奏だったと思います。また、これと似た形のも のが、ドップラーの「アメリカ」。こちらもやはり国歌をはじめ、アメリカを代表す るようなメロディのいくつかをもってきてメドレー風にアレンジしたものです。さす が、ドップラーらしく、技巧的にも優れた曲ですねぇ。
さて、そのドップラーと言えば、「ハンガリア田園幻想曲」でしょう。一部を省略 した形での演奏でしたが、吉岡さんのソロは、この曲に込める思いのようなものも伝 わってくるようで、なかなかのものでした。「アルルの女」も「カルメン」も、吉岡 さんのソロ。いずれもたっぷりと聴かせてくれました。もちろん、エリオの他の皆さ んの演奏も素敵なものばかりで、夏の1日、涼やかな音色で十分に楽しめた演奏会 だったと思います。