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●日 時 | 1998年10月4日(日)18時開演 |
●会 場 | フェスティバルホール |
●出 演 | トーマス・ザンデルリンク指揮大阪シンフォニカー |
ヴァイオリン:漆原朝子 | |
●曲 目 | ドヴォルザーク/スラヴ舞曲Op46-1 |
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 | |
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」 |
朝日新聞の創刊120周年を記念してのこのシリーズも、遂に5回目を迎えまし た。来年もまた続くそうですが、今年の分は今日で終わりです。最後にふさわしく(?)、曲はチャイコのヴァイオリンコンチェルトに「新世 界」。チャイコの方は、ソロに漆原さんを迎えての演奏です。シンフォニカーの皆さ んは、相変わらず元気に音を出してはりますが、所々、ソロとのバランスが、ん…? というような部分があったような気がします。と言うか、漆原さんのヴァイオリンの 響きの線が細いから、そのように聴こえるのかな、という気もするんです。このロシ ア情緒たっぷりの曲を、どのように表現したいということもはっきりと分かります し、懸命に演奏してはるその熱意も伝わってくるのですが、それでも、どこか元気が ないように感じてしまう…んです。ひょっとして昼の部の公演でお疲れになってし まって、そのせいで、音にちょっと伸びとか元気とかが足りないのかな、とも思うの ですが… もちろん、演奏自体は決して悪いことはなく、1つ1つの音を大事に扱っ ていこうという姿勢には、好感が持てます。細かいパッセージなんかでも、丁寧に弾 いてはるので、温かみのようなものを感じるんですね。その辺りは、さすがです。
「新世界」は、特に何も言うことはないのですが(^^;、さすが、ザンデルリンクさ んとの息もぴったりで、シンフォニカーの皆さんが燃えてはるのが、はっきりと伝 わってくるような演奏でした。ま、1年間続いた5回シリーズの最後の最後ですか ら、燃えない方がおかしいのかもしれませんが、さすが!の演奏でした。この調子 で、来年もこのシリーズ、続けていってほしいものです。(きっと、そうなさるで しょうけど。)
それにしましても、5回で5千円という、破格な安さで、これだけの素敵な演奏を 聴けるということは、とても素晴らしいことです。実際、主催者側は大変だと思うの ですが、是非、このような企画は続けていってほしいと思います。事実・真実を伝え るのが、新聞の役割であるなら、また、感動を伝えることも、その役目の一つになる のではないでしょうか。その、感動を伝えるということを、より具現的にしたのが、 即ち、このような名曲コンサートに他ならないと思うのです。プログラムとかもいろ いろと工夫をこらしてもらって、今年・来年で終わりとせずに、ずっと続けていただ きたいものです。