らいぶらりぃ
PrevNextto the Index

アルゼンチン・タンゴの調べ〜ファン・ダリエンソ楽団

●日 時1998年10月10日(祝・土)14時開演
●会 場シンフォニーホール
●出 演カルロス・ラサリ指揮ファン・ダリエンソ楽団
 バンドネオン:カルロス・ラサリ/ポチョ・パルメル/エクトル・シルバ
        カルロス・バティステッサ/ビクトル・ビジェーナ
 第1ヴァイオリン:ペドロ・ガルシーア
 ヴァイオリン:リカルド・ボンビチーノ/ダニエル・マルヘナット
        ロベルト・エリジ/リカルド・チアーニ
 ピアノ:クリスティアン・サラテ
 コントラバス:リカルド・サンチェス
ヴォーカル:ワルテル・グティエレス/グリセルダ・グレシン
ダンス:グラシエラ&クラウディオ/マリアベレン&サンティアーゴ
●曲 目ラサリ&アレシオ/マス・グランデ・ケ・ヌンカ
ビジョルド/エル・チョクロ
プラカニコ/コリエンテス・イ・エスメラルダ
ダリエンソ/パシエンシア(忍耐)
ドナート/エル・ウラカン(台風)
ホベス/ロカ
バルディ/ガ・ジョ・シエゴ(盲目の雄鳥)
プラカニコ/パンパ
クバーノ/リズムの王様
カステジャーノス/ラ・プニャラーダ
サボリード/フェリシア
ディセポロ/今宵われ酔いしれて
ファレーロ/笑え道化師
ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
ラサタ/ホテル・ビクトリア
ラチアッティ/アスタ・シエンプレ・アモール(永遠に別れを)
ピアソラ/チキリン・デ・バチン
サッソーネ&フェデリコ/バルドーサ・フローハ
コビアン/ノスタルヒアス(郷愁)
モーレス/灰色の昼下がり
     ブエノスアイレスの喫茶店
パドゥラ/7月9日
メロ/心の底から
ポサーダス/エル・タマンゴ
アローラス/デレーチョ・ビエホ
スアレス/カンソネータ
スカルピーノ&カルダレーラ/パリのカナロ
ラサリ&モントージャ/ドン・アルフレッド
カバジェーロ/エステ・エス・エル・レイ
カナロ/今ひとたびの
    ジョ・ノ・セ・ケ・メ・アン・エチョ・トゥス・オホス(君の瞳に恋して)
(アンコール)
ラ・クンパルシータ
タンゴ・ミオ

 先月には小松亮太さんでピアソラを聴いてきて、今回は、タンゴ・オルケスタの名 門、ファン・ダリエンソ楽団の演奏会です。どうも、最近、タンゴの魅力にハマりつ つあります…(^^;

 プログラムは、ずらりとタンゴの名曲が並んでいます。どれも聴いたことがあるよ うな、ないような曲ばかりですが、さすがに「ラ・クンパルシータ」はお馴染みの曲 ですね。この曲を簡単にアレンジしたものを、私もアコーディオンで練習していると ころなのですが、それだけに、この曲が流れてきた時は、とっても嬉しかったです。 しかし、お馴染みの曲と言っても、ダリエンソ楽団の演奏は、実に情熱的で、タンゴ の持っている魅力というものを、十二分に発揮させています。歌い回し方なんかも、 いろいろと工夫がしてあって、うむ、ちょっとは私のアコーディオンの練習の参考に もなるかしらん…(^^;

 他の曲にしても、情熱たっぷりの演奏は変わりません。この楽団の編成は、バンド ネオンが5台にヴァイオリンが5本、そしてコンバス1とピアノ1。5台のバンドネ オンから繰り出される音の響きは、とってもぶ厚く、タンゴの軽快なリズムの上に 乗って、その音世界を、より一層、厚みのあるものにしています。そして、そのリズ ムの刻み方も、実にシャープなんです。コンバスがベースをずん、ずんと刻んでいき ますが、その上でも、バンドネオンが、その厚みのある和音で、細かにリズムを更に 刻み込んでいくのです。これがほんまのタンゴのリズムというものなのでしょうね。 すっかり魅せられてしまいました…

 それに加えて、今回はヴォーカルにダンスまで入ってくるのです。グティエレスさ んの声は、なかなかハリのあるテノールといった感じの響きの声ですね。彼の歌う 「カンソネータ」は、中にあの「オ・ソレ・ミオ」が取り入れてあるのですが、その 熱唱には、ぐっと心にくるものがありました。一方のグレシンさんの声は、しっとり とした、シャンソンなんかを歌っても十分に聴き応えのありそうな感じの声ですね。 彼女の声で歌われたピアソラの歌曲は、実にしっとりとした感じで、ピアソラらしさ もよく表現されていたと思います。そして、ダンス! 2組のカップルとも、しなや かで且つシャープな所作で、たっぷりとタンゴ・ダンスの美しさを見せていきます。 その奇麗な動きには、ほんと、見とれてしまうのでした…

 アンコールの2曲目には、「タンゴ・ミオ」を、全員総出演で演奏。歌にダンス と、とっても盛り上がったのでした。気分はすっかり「アルゼンティーノ」!な、ひ とときでした…(^^;