らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年10月17日(土)18時開演 |
●会 場 | 東京芸術劇場 |
●出 演 | タマーラ・ピリプチュク指揮ロシア・カペラ合唱団 |
●曲 目 | ああ、広き草原よ |
お隣さん(スシィトカ) | |
通りに吹雪が舞う | |
はるか遠くで | |
私を責めないで | |
シェンデロフ/ロシアの踊り(バヤンのソロ) | |
トロイカ | |
黒い瞳 | |
暗い森にて | |
母なるヴォルガを下りて | |
夕べの鐘 | |
ポーリュシュカ・ポーレ | |
スヴィリードフ/私にあの歌を歌って | |
ガンジャ | |
黒いからす | |
ともしび | |
ピーテル街道に沿って | |
クズネツォフ/コンサート用小品「いい気分」(バヤンのソロ) | |
行商人 | |
くぐり戸 | |
果てもなき荒れ野原 | |
カチューシャ | |
カリンカ | |
(アンコール) | |
モスクワ校外の夕べ | |
赤とんぼ |
え、何だっていきなり、東京の演奏会なんだ、と言われそうですが(^^;、ちょっと 所用があって東京の方へ行ってきたので、そのついでに寄ってきたのでした…プログラムは、ご覧のとおりの、ロシアの民謡等がずらりと並んでいます。これら を、ロシア本場の超一流の歌手の皆さんがそろった合唱で聴けるのですから、こんな に素敵なものはありません。とても楽しむことができました。
何がいいって、各パートとも、声がきれいにまとまっているのは当然かもしれませ んが、それ以上に、歌っている時の表情が、実に豊かなんですね。それを見ているだ けでも、こちらも楽しくなってきます。一番楽しかったのは、「行商人」。フォーク ダンスでもお馴染みの「コロブチカ」ですね。鳴り物もたくさん出してきて、加え て、テノールとソプラノから1人ずつ前に出てきて、ソロを歌うのと一緒に、踊る! という演出なんです。全員がにこやかな笑顔で、アドリブ的なものも取り入れなが ら、盛り上がりましたねぇ。
声のことで言えば、やはりロシア本場の方達だけあって、その透明感のある響きが 素敵ですね。それに、バスがごぉっと超低音を鳴らしてはるのも、印象的です。この ずっしりとした低音こそ、まさにロシアの合唱音楽、という感じですね。この男声の 魅力が一番表れていたのが、男声合唱の「黒いからす」。ほんと、ずっしりした響き のアンサンブルでした。一方、女声は、「私のあの歌を歌って」で、その透明感あふ れるアンサンブルを聴かせてくれました。こちらも、うっとりするほど奇麗なハーモ ニーでした。
ところで、プログラム中、バヤンのソロというものが登場してきますが、このバヤ ンというものは、ロシアの、ボタン式のクロマティック・アコーディオンのことなん ですね。そ、つまり、いくつかの曲はこのバヤンの伴奏で、歌われたのです。先の 「行商人」や、「トロイカ」、「カリンカ」等々… このバヤンと人間の声というも のも、よく合うものですね。バヤンだと、ピアノの伴奏以上に、より人間的な表情を つけることができるような感じもします。だからこそ、余計に合唱も引き立つ… そ んな気がします。伴奏楽器としてのバヤン=アコーディオンの魅力というものを、実 感することができたのでした。そして、このバヤンのソロでの妙技を見せてくれたの が、上記のソロの曲なのです。どちらも見事な演奏でした。加えて、このバヤンのア ンコールというものもあって、何と、「剣の舞い」! 超絶技巧的な感じもするので すが、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。さすが!ですねぇ。けど、合唱を聴き にきて、まさかアコーディオンも聴けるとは思ってもいなかったので、ちょっと嬉し かったのでした…(^^;(今月は、私にとっては、アコーディオン強化月間か?^^;)
しかし、何で、こういう素敵な合唱団が、関西の方へは来ないのでしょうねぇ…?