らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1998年10月19日(月)19時開演 |
●会 場 | フェスティバルホール |
●出 演 | ロリン・マゼール指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 |
ソプラノ:アンジェラ・マリア・ブラジ | |
●曲 目 | マーラー/交響曲第4番ト長調 |
交響曲第1番二長調 |
イスラエル・フィルと言えば、昨年は、ベームの指揮でマーラーの9番の素晴らし い演奏を聴かせてくれたのが、印象に残っていますが、今回は、マゼールの指揮で、 同じくマーラーの4番と1番。折しも、つい先日も、アバド指揮のベルリン・フィル で3番を聴いてきたばかりで、妙に、マーラーづいている昨今であります。(^^;)最初は4番。マーラーの作品の中では小ぶりな曲ですが、実は、あまり聴かなかっ たりします。(^^;) う〜ん、こんな曲だったかなぁ、と思いながら聴いてましたが、 結構、マゼールさん独特の音楽が流れているような気もします。ま、曲自体、あまり 凝った部分の少ない、まさに天上の音楽と言うべき美しい曲なのですが、それを、さ らに淡々とした感じで演奏している、そんな気がするのです。もちろん、歌うべきと ころはしっかりと歌っていますし、ちゃんと聴かせてくれているのですが、割とあっ さりとした感じに聴こえたのは、私だけかしらん… でも、3番の6楽章ともどこか 雰囲気の似ている3楽章での弦の渋みのある表情は、うっとりとするくらい素敵でし たし、また、メインの(?)4楽章もとっても奇麗でした。4楽章と言えば、ソプラ ノのブラジさん、しっとりとした、割と線の細い響きで、この曲を聴かせてくれま す。多少、オケの中に埋もれてしまいがちに聴こえなくもない部分もあったように思 いますが、こういう、派手さのない、奇麗な曲だけに、そのしっとりした声の魅力と いうものが、よく出ていたと思います。
後半は1番。1番と言えば、3年前に、ロンドン響の演奏で聴いた時の印象が強い のですが、今回の演奏は… やはり、マゼールさん独特の音楽になっていますねぇ。 うまく言えないのですが、よく耳にするような普通の(って何が普通なのかよく分か りませんが…)演奏とは、何か違う、そういう印象を受けるのです。割とさらっと流 してしまうような部分があるかと思えば、え、こんなところで溜めるの? と言いた くなるようなところでゆっくりとするような部分があったりして、多少、違和感を覚 えなくもないような演奏です。それでも、我々聴く側は、何故か、その音楽の中にぐ いぐいと引き込まれていってしまうんですね。どこか違うと思いながらも、その音楽 には、マゼールさんならではの、強い説得力というものがあって、それに魅了されて いってしまうんですね。イスラエル・フィルの面々も、そのマゼールさんの要求によ く応えているようで、かなり力が入っているように見えました。力が入りすぎて、音 が不安定になる部分も多少、ありましたけど。(^^;) 3楽章の冒頭部で、テーマをコ ントラバスのトップが一生懸命に弾いてはるのが、妙に印象に残っています。多少、 コテコテという気もしなくもないのですが、素晴らしい演奏でした。