らいぶらりぃ
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1998神戸学院大学Green Festival第138回

長谷川陽子チェロ・リサイタル
〜3大B組曲・ソナタ全曲連続演奏第4回

●日 時1998年11月14日(土)15時開演
●会 場神戸学院大学メモリアルホール
●出 演チェロ:長谷川陽子
チェンバロ:中野振一郎
●曲 目J.S.バッハ/ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番ト長調BWV.1027
      ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番ニ長調BWV.1028
      イタリア協奏曲へ長調BWV.971
      ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番ト短調BWV.1029
(アンコール)
クープラン/演奏会用小品集より シシリアーノ/トランペット

 先月のイシハラホールに続いての、長谷川陽子さんです。恒例の3大Bシリーズ も、遂にバッハに入ってきました。今回は、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのた めのソナタが3つです。ひょっとしたら、楽器もほんまにヴィオラ・ダ・ガンバを使 いはるかしらん…と期待したりもしたのですが、そこは、普通どおりのチェロでし た。(^^;

 前半は1番と2番、どちらも軽快な感じの曲ですね。陽子さんのチェロは相変わら ず美しいのですが、今回は妙に陪音(?)が聴こえていたような気もします。そのせ いか、どこか弾き辛そうにしていらっしゃるようにも見えたのですが、気のせいで しょうか… 古楽器のチェンバロと、モダンのチェロとを合わせるのですから、どう しても苦しい部分というものは、やはり、あるのでしょうね… それでもしっかりと 曲の流れには食いついていて、集中力はいつもと変わりませんね。それに、小気味よ くリズムを刻んでいく、中野さんのチェンバロが、とっても耳に心地よかったです…

 後半は、いつものようにトークを挟んで、中野さんのソロが入ります。さすが、安 定感のある演奏で、安心して聴けますね。ただ、音楽のことではないのですが、2楽 章の最後の辺りで、客席の方で、ごほん、と咳をしたかたと思いきや、何やらぶつぶ つとしゃべってる人がいて、中野さんもびっくり、の興冷めしてしまったのが、残念 でした…

 そして、ラストは3番ソナタです。前半のとはどこか作風が違いますね。こっちの 方がまさに大バッハと言うにふさわしい風格を持っている、というか。前半にもまし て、力強く、集中力いっぱいの演奏でした。トークの時に、バッハについて、「神棚 に飾っておくだけのものにしたくない」、「とてもお茶目というか、人間味あふれる 面もあって、そこが好き」等と、陽子さん、おっしゃってましたが、まさに、その バッハの人間味と、陽子さんの温かみとが感じられる演奏だったと思います。素敵で した。

P.S.この次の日、陽子さんのファンクラブである、「ひまわり」の集いが、六甲道の 「樽正」さんで催されました。私も参加させていただきましたが、ここで行われた、 ミニコンサートでも、陽子さん、バッハの3番を弾かれたのです。こちらの方は、風 呂本佳苗さんのピアノとの共演でしたが、何故か、こっちの方が、陽子さん、伸びや かに弾いていたような気がします…(^^;