らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1999年5月22日(土)18時30分開演 |
●会 場 | シンフォニーホール |
●出 演 | エマニュエル・クリヴィヌ指揮フランス国立リヨン管弦楽団 |
ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ | |
●曲 目 | ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」 |
左手のためのピアノ協奏曲ニ長調 | |
ピアノ協奏曲ト長調 | |
ボレロ | |
(アンコール) | |
エリントン/Prelude to a kiss | |
Jubilee stomp | |
ビゼー/「カルメン」より トレアドーレ | |
ドヴォルザーク/スラブ舞曲Op.72-2 |
私にとりましては、久しぶりの海外の外来のオーケストラ、友人からチケットを譲 り受けて、妻と一緒に行ってきました。プログラムはずらりとラヴェルの曲が並んでいます。ラヴェルのファンにはたまら ないのでしょうね。私達のお目当ては、ティボーデさんのピアノです。ラヴェルのコ ンチェルトを2曲も聴けるなんて、と楽しみにしていたのです。で、実際、ティボー デさんの演奏は、その期待に十分に応えたものでした。何と言っても、「左手ための コンチェルト」がすごいですね。片手だけで演奏しているんだぞ、ということを主張 するかのように、右手はしっかりとイスの隅をつかんでおり、左手だけで、見事なま でに、この技巧的な曲を弾いていくのです。素人には片手だけでここまでできるなん て、信じられない、という感じで、実際、両手でも、ああはなかなか弾けないのでは ないかしらん…? 曲は、どちらかと言うとちょっと暗い感じもする曲で、感情が怒 濤のように流れていくというふうなんですね。それを、ラヴェル流の美しい旋律も織 り込みながら、力強く、細やかなパッセージで表現していくのです。しかも、ピアノ の鍵盤の音の全て、最低音のGから最高音のCまでをフルに使っているのです。これ を片手だけで演奏するなんて! 演奏するティボーデさんと、更には曲を書いたラ ヴェルの才能に、ただただ驚くばかりなのでした。
一方の「両手」のコンチェルトも素敵な曲ですね。明るく可憐な感じの曲で、前の とは変わって、ピアノもとっても情緒豊かに歌っていました。2楽章のピアノがソロ になるところは、ほんと、しっとりと聴かせてくれました。ティボーデさんって、 とってもいいピアニストだね、と妻と見つめ合いながら話すのでした…
さて、オーケストラの方ですが、なかなか上品な味わいの演奏をしていたように思 います。さすがフランス、という感じで、2月に聴いた、トゥールーズキャピトル管 とは違いますが、非常に丁寧に曲を仕上げていく姿勢には好感が持てます。特に「ボ レロ」での集中力は見事でした。オケのど真ん中でひたすらスネアを叩き続ける太鼓 奏者、若干速めかとも思えるような、とても小気味いいテンポを刻んでいきます。や や気になったのは、倍音を重ねていく部分。メロディーよりも倍音の方しか聴こえて こないような…(^^; でも、各楽器の音がほんとにクリアで、素晴らしい演奏でし た。
アンコールでは、案の定(?)、カルメンが。(^^; 私達は、この6月にまた2人 そろって「カルメン」(チェコ国立ブルノ歌劇場)を見に行きますので、何だかうまい なぁ、と思いながら、終演となったのでした。
なお、終演後、また2人で楽屋口へおしかけて、ティボーデさんとクリヴィヌさん のサインをいただいたことは言うまでもありません。(^^;v