らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1999年7月28日(水)18時30分開演 |
●会 場 | 神戸朝日ホール |
●出 演 | デーネシュ・サボー指揮カンテムス少年少女合唱団 |
三井健嗣指揮松蔭高等学校コーラス部 | |
山口英樹指揮武庫川女子大学付属高等学校コーラス部 | |
●曲 目 | (松蔭高等学校コーラス部) |
ジョスカン・デ・プレ/アヴェ・ヴェルム・コルプス | |
荻久保和明/女声のためのミサ曲第1番「復活」より サンクトゥス | |
(武庫川女子大学付属高等学校コーラス部) | |
ブスト/アヴェ・マリア | |
マニフィカート | |
(カンテムス少年少女合唱団) | |
コチャール/ミサ イ調 | |
コダーイ/詩篇第150番 | |
フォーレ/レクイエムより アニュス・デイ/イン・パラディソ | |
コチャール/リベラ・メ(救いたまえ) | |
サルヴェ・レジナ | |
ユビラーテ・デオ | |
バルトーク/嫁さがし | |
さすらい | |
求婚 | |
バルドシュ/風はうたう | |
コダーイ/ジプシーはチーズを食べる | |
コチャール/夏至の夜の道 | |
ブスト/ラファ・ラファ | |
中田喜直/雪の降る町を | |
間宮芳生/からすかねもん勘三郎 | |
石丸寛編/会津磐梯山 | |
カライ/夕暮れの歌声 | |
(合同合唱) | |
若松正司編/ふるさと | |
コダーイ/夕べのうた | |
若松正司編/赤とんぼ |
2年前にも来日して、その素晴らしい歌声で私達を魅了した「カンテムス少年少女 合唱団」が、また来日しました。前回と同様、ハンガリーものいっぱいのプログラム です。絶対に楽しいから、と妻を説得し、連れ出し、また2人で行ってきました。前回(2年前)に聴いた時もそうでしたが、とにかく、彼女達の歌声は素晴らしい ですね。何がいいのかって、まず声量が全然違います。彼女等の演奏の前に、地元の 女子高校生のコーラスが2つ、演奏したのですが、こちらがまったくの子供に聴こえ てしまうくらい、彼女等の声にはハリがあり、声量が豊かなのです。そりゃ、体格も 違いますから、そういう差がでるのは当然のことでしょう。それに、選曲が素敵で す。今回のツアーにも同行しているという、コチャールさんの曲を計5曲、演奏して いましたが、これがまた、声量を要するような曲なのですね。コチャールさんも彼女 等のために曲を書いてはるから、そういうことも考慮してはるのでしょうか… そし て、ただ声量があるだけでなく、それをベースにした、表現力も素晴らしいのです。 支えがしっかりとできているから、pになっても声のハリは失われることなく、豊か な表情を聴かせてくれるのです。ダイナミックで、かつ表情豊かな演奏、というのが 彼女等の特徴と言えるでしょう。
(念のため、断っておきますが、決して、地元の女子高生コーラスがよくなかっ た、ということはありません。松蔭の方はややおとなしめの清楚な感じで、武庫女の 方は明るく元気な感じで、それぞれ、個性的な、素晴らしい演奏であったと思いま す。)
そして、さらに素晴らしいのは全体での音域の広さです。ソプラノはとにかく高い 音まで、かぁんと響かせてきますし、アルトは低音をごぉっと鳴らしてきます。この バランスが素晴らしいのですね。しかも、最初のコチャールさんのミサ曲では、一部 を客席側に降ろしての、いわばシアターピース形式での演奏で、ソプラノの超高音 が、自分の後ろからかぁん!と響いてくる快感と言ったら! とても17〜18歳く らいには見えない(聴こえない)くらいの声で、歌っているのですね。このソプラノ の声がたまらなく印象的で素晴らしかったと思います。(もちろん他のパートも素晴 らしいのですが。^^;)
で、曲のことを言うと、印象的なのは、やはり、そのコチャールさんの曲になりま す。最初のミサ曲も奇麗な曲でしたし、東京公演で初演となったという「リベラ・ メ」も素敵な曲です。彼女等のことをよく分かった上で曲を書いてはるのでしょう が、とにかくfな部分の多いような曲です。が、決してイケイケの曲ではなく、fを 保ちながら、表情豊かに歌わないといけないような曲なのだと思います。今回演奏さ れた曲は5つのうち4つは宗教曲ですから、当然、そういう祈りの気持ちは必要で しょうし、そういう表現が必要なのだと思います。楽譜も入手できるようですが、歌 う側にしてみれば、きちんと仕上げようと思うと、決して簡単な曲ではないと思いま す。
その他にもコダーイやバルトーク、バルドシュ等、ハンガリーの作曲家達の作品が 演奏されました。久しぶりに聴くマジャール語の曲に、懐かしさのようなものを感じ ながら(?)聴いていました。そう言えば、バルトークの3曲は、2年前にも聴きま したっけ…?(^^; また、ブストの曲も1つ、取り上げていましたけど、そう言え ば、これと同じくブストの曲を最初に取り上げていた武庫女の選曲もお洒落ですね… プログラムの最後にはお約束の日本の歌が3曲、そしてカライです。この「夕暮れ の歌声」も素敵な曲ですね。舞台上で自由に腰を下ろして、夕暮れ時の風に吹かれな がら、リラックスして歌っているという様が素敵です。そして最後には地元の女子高 生と合同のステージ。これだけの大人数でコダーイの「夕べのうた」…?とも思った のですが、大人数だからこそ、ppが生きる、ということもあるのですね。素敵でし た。最後は「赤とんぼ」を歌いながら、カンテムスの彼女等が客席側に降りてきて、 いわば、シアターピース形式になって、幕を閉じるのでした。
終演後、彼女等はそのまま客席側からロビーへ出て、私達を見送ってくれます。妻 と一緒に出て行きながら、彼女等に握手を求めると、「サヨナラ」と言いながら気安 く応じてくれます。(*^^*) 数人と握手してもらいましたが、終ってロビーを出る 時、妻から「何を赤くなっているの?」と突っ込まれてしまうのでした…(>_<)