らいぶらりぃ | |||||
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●日 時 | 1999年10月3日(日)14時開演 |
●会 場 | 神戸文化ホール・大ホール |
●出 演 | 朝比奈千足指揮神戸フィルハーモニック |
ホルン:小山亮 | |
●曲 目 | ブリテン/青少年のための管弦楽入門op.34 |
モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調K.495 | |
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」op.95 |
今年で創立20周年を迎えた神戸フィルの定期です。20周年ということは、地元のア マチュア(正確にはアマ+プロ混成の)オーケストラとして、その成果が問われる時 期にきた、ということでもありましょう。どれだけの演奏をしてくれるのか、それを 聞いてみたいと思い、行ってきました。で、さすがに、20周年と言うだけあって、なかなか熱の入った演奏であったように 思います。いつもは、う〜んと唸ってしまうような演奏をしてくれるので、あまり期 待をせずに行ったのですが、聴いてみれば、結構、いい線、いっているのでは、と 思ったのでした。「新世界」は、まさにそういう思いが十分に入っていたようで、割 とよくまとまった演奏でした。ただ、ホルンの音がちょっとだけ気になったり、2楽 章のアングレがちょっと小さいように思ったり、ということもあったのも正直なとこ ろです。ま、ホルンの音については毎回、思うことですので、改めて書くこともない かと思いますが、それより気になるのは、音楽の作り方そのもの、でしょうか。
それなりに熱の入った演奏であったことは分かるのですが、では、そこからどうい う音楽を伝えたいのか、という部分が、いまいち見えてこないのです。譜面づらを 追っているだけの演奏、というか、平坦で単調な曲づくり、というか、そういうふう に聴こえてしまうのです。1楽章や4楽章では、もっと前へ前へと向かうような力強 さが加わってもいいように思いますし、2楽章ではもっとたっぷりと望郷の念という ものを歌い上げてもいいと思います。3楽章ももっと軽やかにしてもいいと思うし、 逆に、そういうものがないから、曲から見えてくるべき風景や情景というものが見え ないんですね。そういう点を克服できれば、もっといい演奏になるのに…って、これ も毎回、思うことなのですが。(^^;
小山さんをお迎えしてのモーツァルト、これもちょっと期待はしていたのですが、 ちょっと…という感もしました。小山さんもどこか調子でも悪くされていたのか、ホ ルンの軽快な音色が、あまり奇麗に聴こえてこなかったのです。天候があまり良くな かったことに伴い、楽器の調子がおかしかったのでしょうか… なので、オケとのバ ランスも、ん?というような感じで、ちょっと期待が外れてしまった、という感は拭 えません。ま、この曲自体も、結構、難しいものだと思うので、無理もないのかもし れませんが。
…と、ちょっと不満めいたことを書いてしまいましたが、純粋に技術面だけで見れ ば、以前よりは、ちょっとは向上してきているかのような気がします。20周年とい う、一つの節目を迎えて、むしろ、これからが、このオーケストラの正念場でしょ う。演奏技術だけでなく、さらに、精神的な面、ハートの面でも、より音楽性を高め ていき、もっと感動的な演奏ができるようになってほしいものです。市からの補助金 で運営されているオーケストラとして、アマチュアだかプロだかという次元の話では なくて、感動的な演奏をして、それを市民に還元することこそが、このオーケストラ の果たすべきことでしょう。今後も期待したいと思います。