身体が長年かけて築き上げてきたバランスを狂わせない事が一番大切だと考えます。肉体的、精神的、環境的バランスの崩れによって病気になると考え、症状はそのバランスが崩れたことを身体が教えてくれるものと捉え、痛みや病気の意味を患者さんに理解していただきたいと思っております。
歯医者まかせでは根本から「治る」ということは不可能です。自分の身体は自分で守る、自分で治すという意識を持って下さい。そのために私達は最大限の努力をいたします。
皆さんは「歯」というものは、生まれてから性質が変化しない石のようなイメージを持っておられると思いますが、実際は「歯」はそういった不変的なものではなく絶えず変化を繰り返している組織なのです。「歯は生きている」のです。
最近の研究によりますと、「歯」はこころの変化につれても、その生理を変えていることも判っています。喜びを感じる時には、歯の中の体液が歯髄から歯の表面へ、悲しみや怒りのときは、その逆の流れがあることが確かめられたそうです。情緒が不安定な時は「歯」の抵抗力が低くなり、また唾液の分泌も抑制されて、口のなかの細菌のバランス崩れて、虫歯を作る菌が増えてきます。その上に精神的に不安定な時には歯をくいしばる事が多くなり、余計に歯に負担が掛かることになります。そのようにして歯はそのプレッシャーに絶えられず虫歯となるようです。ただ単に甘いものを食べすぎたから、歯磨きをちゃんとしなかったからなどという今までの常識は変えなければならないと思います。
私も以前より、歯磨きはしっかり出来ているのに虫歯が多い子供がいたり、逆に口の中は食べカスだらけなのに虫歯がまったくない子供いたりすることを不思議に思っていました。あらためて考えて見ますと、前者の子供のお母さんは、歯磨きにはかなり神経質で、子供にも「甘いものを食べると虫歯になるよ」と強迫観念を植え付けていた人が多く、子供もおとなしく消極的でありました。後者の子供は、いつも明るく元気な子供が多かったです。
私が今まで書いてきた育児に対する考え方は、そのまま虫歯を作らないための育児法でもあります。子供の精神面を考慮し、出来るだけ悲しみ、寂しさ、怒りなどのマイナスの要因を作り出さないための生活環境です。
もしも、自分の子供に虫歯が出来てしまったら。それは現在の生活環境を見直して見る良い機会だと思います。子供を取り巻く環境にどこか間違ったところがあるから虫歯が警告を出しているのです。虫歯が出来たらまずやることは、それを治すことではなく、それ以上悪くしないことを考えるべきなのです。そういった反省もなく、ただ虫歯の穴を塞いだだけでは何も解決されていないのです。解決されないどころか、より一層お口の中はひどい状態になるでしょう。現在の歯科治療は、悪いところを取って置き換えるだけの治療です。これでは解決になりません。虫歯になった原因を考えてその元を絶たなければいけないのです。
虫歯になったことに感謝し、それを生かすことこそ必要なのです。「病気は自然に治ることもあるけど、虫歯だけは歯医者へ行かないと治らない」というのは、間違った既成概念です。歯も体と同じ生きています。そして、一生懸命自分を守ろうとしています。しかし、それはかなりゆっくりと進みます。歯に負担が掛かれば歯を擦り減らし、または歯を少しゆらす(歯周病のこと)ことにより負担を軽減させる。それも間に合わなければ虫歯として穴をあけることにより負担をなくす。虫歯になればそれが神経まで進行しないように歯髄の内側から壁を作る。その壁も破られたら侵入してきた細菌を体の中に入れないように袋で取り囲む。それも破られたら炎症を強く起こし血液をそこへ集中し腫らすことにより細菌と決戦する。このように歯の一生懸命自然治癒力を発揮しているのです。そのことを無視し、せっかく警報を鳴らしているのにそれを止めてまで現在の悪い習慣を続けることは大変愚かなことであります。
歯が痛くなるのは、それなりの理由があるからなのです。それは体の防御的反応なのです。その警告に素直に耳を傾けなければならないのです。現在あなたの生活で間違っていることはなんでしょう?暴飲暴食ですか。仕事のストレスですか。人間関係の悩み、育児の悩み。それぞれが虫歯の原因、あるいは病気の原因になっているのです。もう一度現在の生活環境を見直してみましょう。たくさん間違いがあるはずです。そして、それのいくつかは何とか改善できるはずです。何事にも前向きに考えて、欲を捨てて本当の幸せを見つけ出してください。
今、このページを読んでいるあなたの姿勢はどんな姿勢でしょうか?
その姿勢のまま上下の歯を合わせてみてください。
左右どちらか強く当たりませんか?
体の重心が左に寄っていれば左が強く当たり、重心が右なら右が強く当たるはず。
そのまま体を起こしてまっすぐにして噛み合わせてみて状態を確認して、
次は首だけ左を向いてから噛み締めてみてください。左が強く当たるはず。
今のこのページを読んでいるあなたの姿勢はどうですか?
少し猫背になり、
首を上にあげて首と肩に無理をかける姿勢、
左肘をついて、ほおづえをついて、
足は組んでいたり、どちらかに流していたりしませんか?
長時間のその姿勢が様々な歯のトラブルの原因かもしれません。
体の軸の変化が噛み合わせに大きく影響を及ぼします。
また、身体は老化と共に潰れていきます。
その体の潰れ方と同様に噛み合せも潰れていきます。
噛み合わせを低くするために、虫歯で歯を欠けさせて、歯周病にして歯を揺らして傾けさせ、またすり減らすことで噛み合わせを低くして口元をつぶしていきます。そうしないと体の潰れ具合に合わせられないからです。
口元をつぶさないためには体を出来るだけ自分でつぶさないこと。
そして、必要以上に上下の歯を合わせないこと。歯を当てることで下顎を動かす筋肉を緊張させ、その緊張が過度になれば頭痛や肩こりの原因にもなります。また、体の歪みを歯にも影響を与えてしまいます。
そのためには舌を上にあげておき、呼吸は可能な限り鼻のみで行うこと。口はしっかりと閉じて、歯を浮かせておくこと。
筒状である人間の体の入り口と出口である、口と肛門は必要な時以外はしっかりと閉じておくことが肝心。
口元はキリッと緊張感をもたせ、お尻の穴をきゅっと締め、気持ちは丹田というおへその下三寸あたりの場所に持っていく。
そんなことが歯磨きよりもよほど虫歯予防だけでなく健康全般への効果があるのです。
1、とりあえずテレビを消そう
自分の席から見て左側にテレビがあるとします。
左を向きながら食べると、左の奥歯で噛むことになります。
左を向きながら右で食べるのは意外と難しいのです。
モグモグと噛んでいる時に左から右に向くと食べ物を右にもっていきます。
どちらを向くか、軸がどこにあるかによって食べ方が変わるのです。
そのテレビの位置が、上にあったり下にあったりで姿勢が変わり食べ方が変わります。
そして噛む回数へ減り、
注意力が散漫になり、こぼしたりして親に怒られ、
食べるのに無駄に時間がかかり、早く食べろと叱られながらのおいしくない食事になるのです。
2、何も食べない時間を確実につくる
朝ごはん、昼ご飯、おやつ、晩ご飯、夜食
その人ごとにいろいろな食事があります。
その食事以外の時には水分以外のものを口にしないことが大事。
間食をしないということ。
すべては、おいしいものをおいしく食べる「喜び」を味わうために。
食べるものに関しては諸説ありますが、どれが体に良いか悪いかは個人個人違いますので、
信じるべきものは自分の体調です。情報に振り回されすぎないように。
3、歯磨きは心を磨く
「虫歯になるから」歯を磨くという考えで磨いてらっしゃる人が多いようです。磨かなければいけないという強迫観念で神経質になり磨いていると却って歯にとっては逆効果の場合も少なくないのです。皮膚炎にならないように、湿疹が出ないようにと毎日身体を洗っている人は少ないと思います。朝に顔を洗うのも同じこと。歯を磨くのもひとつの儀式と考え、さほど神経質にならずに磨いた方が精神的にも実際歯にも良いと思います。
どうせ磨くなら効率良く磨きたいもの。それには歯ブラシの毛先だけを利用して磨きます。歯ブラシは軽く鉛筆を持つような型で持ちます。そして歯面に直角にあて、軽く左右に振動を与えます。くれぐれも力を入れ過ぎない事。歯磨き粉はなるべくつけない、あるいはつけても出来るだけ少ない量で行った方が良いでしょう。
歯間ブラシが入るようになったら、積極的に使用してください。
一日1回だけ磨くのなら、タイミングは夜寝る前。
歯に汚れがつきにくい生活をする。
唾液がたくさん出るように、心を自分で傷つけず、間食をせずに空腹を味わい、
しっかり鼻で呼吸して口に空気を通さないよう、口元と尻の穴を締める。
我が家には子供が5人います。
小さい頃からその子供たちの歯を見ているといろいろなことが見えてきます。
幸か不幸かうちの子供たちにも少なからず虫歯があります。
安心してください、歯医者の子供でも虫歯になるのです。そして歯医者自身も虫歯になるのです。
そしてお医者さんも風邪をひきます。
子供たちの歯を観察してみると、歯の噛み合わせの面に白く濁った部分が少し大きくなったり小さくなったりをくり返しているのです。小さい頃は毎日歯磨きはしていませんが、実際に見てみても汚れはさほど付いていません。なのになぜ白く濁るいわゆる初期の虫歯が出来てしまうのか。いろいろ考えて見ました。
まずどんな時に大きくなり、どんな時に小さくなるのか。汚れの付き方に変化があるかどうか、その時の体調はどうかなどいろいろと思い返してみますとある法則があることに気が付きました。それは子供の精神状態です。仕事が忙しくあまりかまってあげられない時や子供が友達とけんかをしたり、親に怒られたり、そういった気持ちがブルーな時はその白く濁った部分が大きくなるのです。そして歯に付いている汚れも毎日同じように磨いていて特別にお菓子を食べ過ぎたとか、ジュースを飲み過ぎたとか普段と変わらないはずなのに汚れがたくさん付いているのです。その時の唾液の性状や量も普段よりねばっこかったり、量が少なかったりしているようです。
確かに甘いものをたくさんだらだらと飲んだり食べたり、歯磨きもあまりにも手抜きをすれば虫歯になる確立は多くなると思います。しかし、それだけではないようです。その子供の精神状態によって食いしばることが多くなって、歯を虫歯から守るための唾液が少なくなり、またその上に噛み合わせのバランスが悪い場合はある特定の歯に掛かる負担が大きくなり、それに耐えきれずに歯の表面が溶けていくと考えられます。いつもは小さい虫歯が出来たり治ったりを繰り返しているのですが、そのバランスが崩れた時にはじめて虫歯になるような気がします。
そして、口呼吸が多くなるとかなりの汚れがつきはじめます。風邪をひいて鼻が詰まると、口でも呼吸しなければならなくなります。そうすると唇が乾き、前歯が乾き、歯茎も乾き、口の中が粘つき、喉もざらつく。口が臭く感じたりもします。
皮膚も同じで何度も同じところに刺激を与えれば赤くなったり、ひどい時には傷になります。歯も同じではないでしょうか?何度も同じ場所にかなりの無理な力が加わり、その無理な力に対応した箇所が白く濁る。そしてその後負担がなくなればまた治る。しかしその負担が絶えまなく続けば傷になるのです。歯も人間の一部です。硬いから、血もかよっていないからそんなことは関係ないといえるでしょうか。歯も生きているのです。
歯は強い力が加わると、しなります。見た目は堅い歯も力が加われば歪みます。その歪みの大きいところに基質的変化がおこるのです。
もう少し歯を生き物として扱ってみましょう。そうすれば無闇に削ったり抜いたり出来ないはずです。虫歯で穴があいたらそれを削って詰めればそれで良いのでしょうか?それだけでは修復は出来ても、原因は解決されないのです。虫歯になったならそれはどこかに歪みがあり、それを改善するための反応なのかもしれません。そんなことを虫歯が教えてくれているのかもしれません。
虫歯がなくても歯が痛い時があります。歯周病じゃなくても歯が揺れる時があります。
体の精密なセンサーである歯を含む口の中は、いろいろなことを教えてくれます。その情報をどう受け取り、どう活用するかはあなた次第なのです。
現代社会ではたくさんの情報があふれており、それを毎日頭の中に入れては悩み迷い苦しんでいます。自分で考えることをせずに、あの人が言っているから、あの番組で言っていたから、という理由でそれを選択して行動にうつしたりします。
信じるべきものは、自分の体から発せられた情報であり、その情報を元に考えて素直に行動を起こすことが肝心です。
自分の体は自分で守る意識をもつことです。
大変申し訳ありませんが、現在、新規の患者さんは受け付けておりません。
当院ではなるべく咬合を狂わせない治療を心がけておりますが、狂わされてしまった咬合を元に戻す治療は難しく、現在のところ咬合治療は行っておりません。また矯正治療、インプラント、ブリッジ、セラミックも一切行っておりません。1本の歯がなくなった場合、当院では義歯による補綴となります。
基本的に保険で治療しておりますので、健康保険証をご持参ください。
診療は予約制(077-527-1655)です。
(特に初診の患者さんには、特別な場合をのぞき1時間必要となりますので、ご予約のない場合はお断りさせていただますのでご了承ください。)
栗原歯科医院基本治療方針
1、歯は極力抜かない。
2、神経も極力取らない。
3、歯を削る場合も必要最小限とする。
4、噛み合わせを狂わせることは極力しない。
5、基本的にインプラントや矯正はしない。
6、出来るだけ健全な歯を削ってのブリッジはしない。
7、治すことより、これ以上悪くしないことを目標にする。
以上を基本的な考え方にします。