Alfa Romeo 156
The Battle of Garage 17


 2003年 3月 3日
  走行距離 16,280Km
  作業内容 ブレーキフルード交換

 ブレーキフルードを交換する。納車から1度も交換していないから約19ヶ月、距離数にして約1万6千キロ走行したことになる。この作業はエンジンオイルのように頻繁に交換する類ではなく、どちらかというとマイナーな存在であり、忘られがちなメンテナンス項目であるが、必ず定期交換が必要である。交換サイクルは走り方や、フルードの規格によってかなり差が生じるが、2年ごとが理想的といわれ、車検(12ヶ月点検時も)で交換されるケースが多いようである。
 さて、購入したフルードのメーカーは「走り屋さん」なら誰しもがご存知のENDLESS 社のDOT-4である。これを選定した理由は(1)DOT4規格であるウエット沸点155℃を軽くクリアーした176℃という高性能である。(2)なんとなくパッケージがイケてる。(3)いろいろ選定すほど店頭に品揃えされていなかった。以上3点(笑)。
 作業の大まかな内容は、リザーバータンクから新しいフルードを補充しつつ、古いフルードをキャリパーにあるブリーダープラグから排出させ全体を入れ替える内容である。エンジンオイル交換のような古いフルードをすべて抜出し空にした後、新しいフルードを注入するような方法ではない。継足しによる入れ替えと言えばわかりやすいだろうか。

 フルードを排出させる方法は、ブリーダープラグに手押しの真空ポンプを繋ぎ吸い出す方法や、リザーバータンクに加圧して新しいフルードを注入する方法などがあるが、今回おこなった方法は、一般的なブレーキを踏みフルードを押し出す方法である。この方法は1人で出来ないことも無いが、信頼のおける助手の応援を含め2名でおこなうと作業は早い。つまりブレーキを踏む役とブリーダープラグの開閉させる役割り分担である。出来ればリザーバータンクにフルードを注入する役目を担う人間も欲しいところだが、今回は自動注入機を使用した。注入機の詳細は後ほど説明する。さて、作業の説明に入る。
 フルードを抜出す作業はキャリパー1箇所だけではなく、4輪すべてにおこなう。抜き出す作業の順番は、リザーバータンクから遠いキャリパーから順に行う。したがって、LHD156の場合、右リア⇒左リア⇒右フロント⇒左フロントの順番である。昔から不思議に思うが、この「遠い順」の理由が何故なのか未だにわからない(笑)。

 

 まずセオリー通り右リアをジャッキアップする。タイヤを外すとキャリパーが現れるが、その上部裏手に黒いゴム栓が付いている小さなニップルが見つかるはずである。これがブリーダープラグである。ゴム栓を外し、準備した透明のホースを繋ぐ。ホースは内径約4〜5ミリを1メートル程度でよい。新旧のフルードを色で判断するため透明なものがよい。繋いだら左画像の様に針金で持ち上げた状態になるように吊るす。ブリーダーに接続した反対側のホース先端はペットボトルに入れておく。ペットボトルが古いフルード受けになるわけだ。ホースを針金で吊るす理由は、もし万が一フルードが逆流してもすぐにエアーを吸わせないためと、フルードの色を確認しやすくする為である。ここまでセットできたらエンジンルームのリザーバータンクの古いフルードを抜き出す作業に移る。
 リザーバータンクにある古いフルードはスポイト(今回は灯油ポンプを使った)等で抜けばよい。
 フルードはボディーの塗装やゴム類を痛める性質があるので、取り扱いは要注意。リザーバータンク下や周囲にはボロギレを敷くとよい。もし塗装面に付着したらすぐにやわらかい布で拭き取ろう。
 古いフルードがある程度抜けたら新しいフルードを注入する。ここで登場するのがフルード自動注入機ッ!(機ッ!、という程たいしたもんじゃ無いですが…(^_^; )。左画像の様なポリプロピレンで出来たボトル(1L)と上呂を購入する。東急ハンズの化学実験器材売り場で両方合せて700円程度。少しばかり加工が必要だ。まず上呂の先端約50mmをカットする。使うのは先端の管の部分で、残った上呂の部分はエンジンオイル注入時に使えそうである。ボトルの蓋に上呂の管が刺さる程度の穴を開ける。管を蓋に差し込んでオーディオ配線でお馴染みのグロメットで管と蓋を固定する。ここから空気が入らないようしっかり固定すること。最後に管の中間点に横穴を開ける。穴を開ける位置は、先端から約45mm。この45mmは実はフルードのリザーバータンクの底からMAX液面までの距離なのである。

 左画像をご覧頂きたい。水を入れた上記ボトルを逆さにしてビーカーに注入している画像である。勢い良く注入される水は、このままにしておくとビーカーから溢れ出してしまうと思われがちだが、なんと管の途中にあけられた穴の上部まで注入されるとそれ以上注入されなくなる。なぜならばボトルは密閉されているので、管先端及び中間の穴が浸水し、そこから空気の流入がなくなると、ボトル内の気圧が下がり内部の液体は排出されなくなるのである。自動注入機はこの原理を利用している。ビーカーをフルードリザーバータンクと考えればよいのである。
 空になったリザーバータンクにフルードを入れたボトルを逆にして立てる⇒フルードは注入されるが、管途中の穴を越えたところまで注入されると止まる⇒キャリパーから排出されたフルードにより液面は下がる⇒管途中の穴が液面より上に露出する⇒空気がボトルに入る⇒ボトルの気圧が上がる⇒フルードの重さで注入が始まる。この繰り返しなのである。

 左画像は実際にボトルをタンクにセットした状態を写したものである。ここで注意する点は、フルードがボディーやゴム類に付着しないようにボロギレを敷いてシールドしている点と、強風時にはなるべく作業を行わないことである。風で倒れるんですよ、ボトルがね…(笑)。今回は風を考慮し倒れない工夫をする余裕は無かったです。
 さて、リザーバータンクに自動注入機をセットできたらキャリパーからのフルード排出作業を開始する。
 ここからは運転席に座ってブレーキを踏んでもらう助手が必要となる。まず助手にブレーキを数回踏んでもらい、踏みシロが少なくなったところでブレーキを踏みっぱなしにしてもらう。この状態で助手はブリーダー開閉役に対し「踏んだよ」と声をかる。声がかかったら開閉役はプラグを緩める。使うレンチは11mmサイズのメガネレンチ。ここでのコツは一気に緩めず少しづつ緩めることである。
 プラグが緩まると紅茶色のフルードがホースに流れ出る。ホースの中を30センチ程流れ出たら、緩めたプラグを逆に締めつける。締めたのでフルードの排出は止まる。止まったことを確認して助手に対し「踏みなおして」と言う。助手はこの「踏みなおして」という合図があるまで絶対にブレーキを戻さない。ペダルが床についた状態になったとしてもである。助手はこの合図と共に再び数回ペダルを踏んで、踏みシロ少なくなったら踏みっぱなしにして「踏んだよ」と合図する。この一連の作業を約10回程度おこなうと、ホースを通るフルードが紅茶色から透明の色に変わる。透明の色に変わったら、古いフルードが抜けきったという事なので作業は終わり。ブリーダープラグを締め、ゴム栓を付け、プラグ付近をウエスで綺麗に拭いてやれば1ヶ所完了である。ここで注意したいことはプラグを締めすぎないこと。フルード漏れが気になり、ついついレンチに力が入りがちだが、トルクのかけ過ぎでねじ山を壊す例が多々あると聞く。ネジが馬鹿になったら最悪キャリパー交換という結果になってしまう。
 左右のリアキャリパーの作業が終わると右フロントに移る。左画像はフロントのブリーダプラグを写したもの。フロントもリアー同様の作業をおこなう。ちなみにレンチのサイズは8mmである。
 4箇所の交換作業で使用されるフルードの量は上手に交換すると500mlで足りると言う。小生の場合、フルードの色が透明に変わっても「コれでもかぁ〜コれでもかぁ〜」と言わんばかりに抜き続けたらら800mlも使用した。
 作業が終わったら、忽ち全開走行し、ブレーキタッチレスポンスを確かめようとする馬鹿な行為はやめたほうが良い。まず徐行して効きの確認をおこなおう。ある程度徐行し効きとフルードの漏れが無い事を確認できたら全開走行(爆)。
 ブレーキフルード交換によってブレーキタッチが変わるなんて絶対にありえないと思う。もし仮にエアーを噛んでいたら話は別だが・・・。そんなことを考えながらの試乗スタート。

 予想通りタッチはまったく変わらない。相変わらずのカックンブレーキである。ということは逆に考えるとエアも噛んでいなかったと考えられる。偶に箱根でホイールあたりから白煙が出るほどブレーキを酷使しているのだが・・・。サーキットと違い、攻めたつもりでもストリートはストリート、サーキットのような環境に至ほど酷使してしないのだろうか。
 ステンレスメッシュホースと穴あきローターの導入も当分見送りか?。

 

 2003年 3月 3日
  走行距離 16,280Km
  作業内容 タイヤローテーション

 タイヤのローテーションを行う。本当はローテーションなど行わず新品タイヤを奢りたいのであるが、何分不景気で財布(ワイフ)の紐は硬い・・・(泣)。
 左画像はフロントとリアタイヤの比較画像である。黄色いラインのところで合成してある。上部がリア、下部が駆動輪にあたるフロントタイヤである。減り具合の差はご覧の通りである。かなり差が生じている。フロントタイヤはかなりヤバイ 感じである。ローテーションしてもすぐに交換する必要がありそうである。ちなみにタイヤメーカーはコンチネンタル社ContiSportContact である。
 画像ではわかりづらいので、溝の深さを測定した。左画像の通りアウト側から(1)〜(4)の溝をノギスを使って測定している。測定結果は以下の表の通りである。
  (1) (2) (3)

(4) 単位:mm

リ ア 4.5 3.5
フロント 2.5 1.5

 

 2003年 3月 9日
  走行距離 16,341Km
  作業内容 オイル交換

 エンジンオイルとエレメントを交換する。インターバルは7ヶ月とちょうど5千キロである。オイルの汚れ具合は左画像の通りである。オイル量はMinレベルより5mm程上を示している。前回の交換時より一度もオイルの継ぎ足しをおこなっていないから、消費量はかなり少ない。事実オイル交換の為にエンジンルームの底に潜ったが、漏れはもちろん滲み痕すら見当たらない。本当に最近のアルファは素晴らしい!。この状態を長く維持してもらいたいものである。

 購入したオイルは相変わらずセレニアレーシングである。購入先もお馴染みの木場のRACさん。少し値上がりしたのだろうか、3,500円/2Lであった。今回はエレメントも交換するので3L購入。左画像の青いのが1Lボトル。有ったんですね1Lボトル。
 余談だが購入したRACさんに入るなりMOTUL SALE  3/6〜のポップが目に入る。な・な・なんと!300V(クロノとコンペだったかな?)が3,100円/2L也。やっすぅ〜。買うか・・・とかなり迷ったが今回も変わらずセレニアを選択した。結構保守的な自分である(笑)。モチュール派の方は急いだ方がよろしいかと思います。
  エレメントとドレーンワッシャーはコーンズで購入。エレメントの品番は46808398(1,500円)。ワッシャーの品番は10261660(200円)。

 毎度お馴染みに作業だから、説明はかなり大雑多。お許しいただきたい。今回も右フロント側をジャッキアップして作業をおこなう。危険だから出来ればリジットをかませたい。アンダーカバーを外して、オイルパンのドレーンの下にバケツをセット。バケツには左画像の様にスーパーのナイロン袋(穴のあいていないもの)を2枚重ねて入れてある。ドレーンに8ミリ(前回このサイズを間違えて表記しました。ユーノス156さんご指摘感謝です)ヘキサゴンを差込み緩める。ドレーンは外れる直前にオイルが漏れ始めるが、ここでもたもたせず一気に廻し外す。ドレーンはオイルと一緒に廃油受けに落とせばよい。落ちる寸前にドレーンをつまみ回収しよう等という邪な考えはなるべく捨てたほうが良い。高温のオイルで火傷する可能性が大きい。ドレーンは廃油を廃油受けから廃油パックに移す際に回収すればよい。

 左画像がエレメントの交換。廻し始めはエレメントレンチを使うが、後は手で廻し緩める。緩めると左画像の様に隙間からオイルが漏れ始めるので、廃油受けを準備しよう。エレメントが外れても少しの間オイルが抜けるので、なるべく多くのオイルを抜ききろうと思われる方は放置プレイ!(笑)
 新しいエレメントのパッキンにオイル(廃油でOK)を塗り、装着する。締め込み過ぎに注意。パッキンが捻れてオイル漏れが生じると大変です。両手でギュッギュッと締めれば十分。
 最後にオイルパンにドレーンを付ければ作業終了。ドレーンの締め付けはトルクレンチを使う。某ディーラーにトルク値を照会したところドレーンは3.5Kgf・mだそうだ。ちなみにエレメントは1.9Kgf・m。

 アンダーカバーを装着し、ジャッキを外し、新しいオイルの注入作業をおこなう。オイル注入口にはうっかり漏らしても大丈夫なようにボロギレをあてがう。上呂は毎度お馴染みペットボトルの上部をカッターで切ったもの。
 ためらい無く2缶4Lを一気に注入する。ここで一度注入作業を中断しエンジンを始動させ、オイルをエレメントまで循環させる。もちろん少しだけ。暖気させるほど長い時間まわす必要は無い。エンジンを止め再び注入作業を開始する。ここからはオイルゲージを抜き差ししオイル量を確認しながら少しずつ注入する。入れすぎは禁物ね!。結局4Lと600mlを注入できた。
 交換後近所の第2環状を爆走・失礼、おとなしく走ってみた。回転がスムーズになった気がする。といってもエンジンオイル交換を知らなければ気が付かない程の感じである。164の時は交換前後であきらかにレスポンスの差を体感できたが、156はなかなか差が出ない。「古いオイルを使っても新しいオイルを使ってもエンジンの性能は変わりませんよ、アルファ156ってのはネ・・・」と言わんばかりのフィアットさん。喜んでよいのだか悪いのだかなんだか複雑な気持ちである。 

 

 2003年 3月 2日
  走行距離 16,080Km
  作業内容 リアスピーカー交換

 オーディオ買うぐらいならタイヤを買いなさいッ! と言われそうであるがリアスピーカーを交換した。メーカーはお馴染みのBOSE社である。品番は111RD。以前164に設置したことのある機種である。今まで使った101RDとのスペックを比較した場合、差はほとんど無い。変更点は許容入力が45Wrms⇒60Wrms(IEC268-5) 100W⇒160W(peak)と、若干入力に余裕がでたところだろうか。ただしフォルムは一新され、全体が丸くなって背丈が低くなっている。156のリアビューは唯でさえ視認性が悪いので、この点は大いに購入のポイントとなった。きっとバック時後方が見やすくなるだろうと期待した。

 左画像が設置後の比較。ほとんど変わらない・・・(爆)。

 設置作業は比較的簡単なので、新旧スピーカーを交互入れ替えて聞き比べをおこなった。BOSEはスペックじゃ語れない。スペック上ほとんど大差ない両雄ではあるが聞き比べるとまったく違う。もっとも違う点は低音の音圧である。ベードラの響きが101の場合「ダスッ」なのに対し111は「ヅダスッ」なのである。←なんぢゃそりゃ!まったくわからんぢゃろが。<怒らんでつかぁ〜さい> まあ、上手く表現できないが今回の交換も大成功◎である。
 ちなみに外した101RDは某オークションで(高値)で販売させていただいた。安く仕入れて高く売る。オークションなんかで儲けちゃいけませんなぁ〜と反省しながらも、「坊主丸儲けだぜぃ〜」などと喜ぶ自分が情けない。