Alfa Romeo 156
The Battle of Garage 25(番外編)


 ポルシェ トラブルレポート

 バトルガ25にて紹介させて頂いたポルシェのトラブル(詳細はバトルガ25を参照ください)について、オーナーから修理完了報告が届いた。
 日々超過密なスケジュールをこなす多忙な方なので、報告内容はディーラーからの修理明細程度なのだろうと思いきや、驚いたことに、バトルガのネタ作りの為にと、氏自らが修理をおこない画像まで残していただいているではないか・・・(驚)。氏曰く、久しぶりにハンドツールを握り、若き頃所有した跳●馬との格闘を思い出し懐かしくなったという。まったくもって頭が下がる。感謝!。

 さてトラブルの原因であるが、当初キャッチャーに繋がるワイヤーがキャッチャー部で外れたか、どこかで切れたのだろうと予想されたが、まったく違っていた。以下は氏から頂いた修理報告を自分なりに整理しまとめたものである。

 左画像はトランクを開ける為のレバーを写したものである。場所は運転席の足元にある。赤い矢印のレバー(フック)を手前に引くとレバーに接続されたワイヤーが引かれ、キャッチャーがリリースする。仕組み的にはどこにでもある単純なものである。
 もちろんワイヤーは、運動会の綱引きのように、レバーとキャッチャー両端にテンションがかけられた直線ルートでのレイアウトは不可能である。ボディーの隙間を縫ってフレキシブルにレイアウトされるにもかかわらず、レバー部で引いた距離が、キャッチャーに確実に伝達されなければならない。そのために使われるのがアウターチューブである。このチューブはフレキシブルなレイアウト時に起こりうるワイヤーの撓(たわみ)を防止するために使われる。
 タコ糸を使い半円を描いてみてほしい。糸の片方を引っ張ると、半円が崩れるだけで、もう一方まったく動かず引かれないが、フレキシブルなストローにタコ糸を通してタコ糸を引いてみればなんとなくわかると思う。要はワイヤーのガイドなのね。
 このアウターチューブはキャッチャー部分とレバー台座部分2箇所で固定されている。もちろん両端間はトランクの隙間を曲がりくねりレイアウトされている。
 正常な状態ならば、レバーを引くと、引かれた距離と同じ距離がキャッチャー側でひっ張られる。ただしその際はアウターチューブが両端でしっかり固定されていることが前提条件である。
 トラブルの原因は、このアウターチューブを固定させている台座部分が割れ、ワイヤーを引くと同時にアウターチューブまで引かれ、ストローの無いタコ糸状態になってしまったのである。 

 左画像が破損した台座を裏側から撮影したものである。ワイヤーは接続されたままの状態なので台座裏を撮影する為には、強靭な筋力と柔軟性が必要とされる気がする。さぞかし大変だったのではないだろうか。「まだまだ若いねぇ〜!旦那っ!」
 ちょっと余談だが、レバーのところに鍵穴がある事がお分かりになるだろうか。実はグローブBOX同様、レバーも施錠できる仕組なのだ。オープンにしてパークさせた場合のセキュリティーに余念が無い。さらに言うと、このレバーAssy脱着は、レバーをあげた状態で現れる隠しネジを緩めなければ脱着できないらしい。なんとこの奥まった六角ネジを外す為に海外から専用ツールを取り寄せたそうである。かかった費用は修理費をはるかに上回る金額らしい。まったくもってヘンタ・・・失礼、猛者と呼ばせていただきたい!(笑)。

 台座に刻印された品番をディーラーにオーダーすればすぐに新品の台座が手に入るのだが、猛者が考えることはそんな単純ではない。割れた部分をアルミ板で補強してやろうというアイデアだ。
 左が台座にあわせて作ったアルミ板。インナーチューブの固定位置には、ワイヤーが通るサイズの穴(スリット)が開けられている。酔って帰宅して際の作業だろうか、スリットが少し斜めに入っている。なんとも手作りの味が出ていていい感じである(笑)。

 アルミの台座補強版を装着した画像である。アウターチューブは見事に固定され、レバーを引くと「カチンッ」と何事も無かったようにトランクが空いたという。
 左下の画像が開けられたトランクを撮影したもの。かなり太いワイヤーが使われている。こりゃ〜ちょっとやそっとでは切れなさそう(笑)。
 アウターチューブに平行して、むき出しになったワイヤーがあるのがお分かりになるだろか。実はこれ、トランクが開かなくなった際の緊急用補助ワイヤーなのである。どこかのメーカーの赤い糸とかなり違うね(笑)。セキュリティーの関係で、ボディーのどこに出してあるのかはお教えできないが、レバーで開かなくなった時は、それを引いてやればよい。ただしオーナーによると、ボディーからたらされたワイヤー見つけるための作業が結構大変で、本当に緊急なのかどうなのか疑わしいそうだ(笑)。

 ちなみに、この正副の両ワイヤーが切れ(外れ)てしまいトランクが開かなくなった場合の対処方法を調べられているので紹介させていただく。(※930タイプ)
●前期型:ワイヤーが切れると自動的にロックが解除される。
●後期型:バンパーを外し、指定の場所に8ミリの穴を開け、棒を突っ込んで解除する。解除後は専用のグロメットで穴を塞ぐ。グロメットは注文できるよう品番もあるとの事。
 氏の車は930の後にラインナップされた964なので、ちょっと異なるかもしれないが、ディーラーによると後者のバンパー脱着穴あけ作業が必要らしい。

ううぅ〜ん・・・なんとも独車らしい考え方。
とにかく穴あけが必要なくて本当によかった(汗)。

 

 <番外の番外>

 氏がカリフォルニアに住んでいる頃のワンカット。颯爽と乗り込むレディーは氏のムフフ・・・
   なのかどうか分かりませんが(笑)

 そんな事よりドアを開けずに普通に跨いで乗り込んじゃう体格の違いに驚き!。足なげぇ〜よなぁ〜ぎゃいじんは・・・
      とおっしゃってます。