2004年 8月 4日
走行距離 28,400Km
作業内容 車検整備156を購入して早いもので3年が経とうとしている。その間のトラブルは殆ど皆無。本当に優等生である。そんな156の最初の車検整備を行なう。
ご存知のように156を購入したディーラーである「コーンズ」は、今年の6月をもってインポーターであるFAJとの関係を解消している。車検後の整備などを考えると他のディーラーへ鞍替えしたほうがいいのだろうかと、持ち込む事に少し躊躇いが有ったが、同ディーラーによると販売したアルファのメンテナンスは引き続き実施するらしいので、このままお世話になることにした。
同ディーラーは契約解消に伴い場所も南町田から下川井へ移転している。ここは古くからあるコーンズ(アルファ・FIATを除く)のサービス拠点であり、工場内には外装を外され骨格が剥き出しになったF50や整備待ちの360がところ狭しと並んでいる。156はSWが1台、肩身が狭そうに有るだけ。あたりまえだが、少し殺風景なショールーム?(整備上がりの車を待つ場所)にアルファの面影はまったく無く、展示車種はマセのスパイダーとTROFEOの2台のみ。まあ、そんな事はどうでもいいのだが問題なのは場所である。今までの南町田も結構不便を感じていたが、移転後はさらに不便になった。最寄の駅からのアクセスはタクシーが必要となる(本当かどうか、電話1本で送迎してくれるらしいが・・・)。しかしながらこんな事を感じてしまうこと自体、小生は同ディーラーにはふさわしくなくオーナーなのかもしれない。だってフェラーリやベントレーオーナーはわざわざディーラーまで納車したり引き取りに行く事は無く、自宅の車庫にキャリアーカーで引き取りに来させるだろう(笑)。
さて、整備に際し古くからお世話になってるフロントのH氏と打ち合わせを行なう。打ち合わせの内容は、(1)現状での不具合個所の確認、(2)タイミングベルトの交換有無、(3)油水類の交換有無、(4)その他消耗品の交換有無、等をどこまでやるかである。
まず現状の不具合だが、無償サポートが3年で切れるのでできる限り探したが、全く見つからない。今の156は文句のつけようが無いほどの健康体なのである。次にタイミングベルトについては、H氏からきっと交換を薦められると、有る意味期待したが、氏から出たアドバイスは、「3万キロとかで切れる事は無いですよぉ〜。交換しなくてもいいんじゃないですかぁ〜」だって。かなり拍子抜け(笑)。エンジンオイルは前回の交換から1,000キロ程しか走行していないから交換は必要ないが、「エンジンオイル&フィルター無料キャンペーン中!」 なのでお願いした(←セコイ自分)(笑)。ブレーキオイルは交換をお願いした。ミッションオイル、セレオイル、パワステフルード、エンジン冷却水は交換時期でな無いが、点検後必要ならばお願いする事とした。その他の消耗品は減りの程度を確認し必要ならば交換する事とする。
納車後すぐに、H氏から電話が入る。フロントブレーキのパッドがダメらしい。また、ローターも溝が酷いそうだが、今回は研磨すればOKだそうである。純正を付けましょうかと言われたが、折角なので社外品を購入して持ち込む事にする。
購入したショップは毎度おなじみのRACさん。ストリート用はEBC、デルファイ・ロッキード(旧APロッキード)、そしてフェロードの3種類を在庫していた。価格は6千円〜9千円。純正よりかなり安い。悩んだ末フェロードを購入。おもいのほか安く上がったので、ローターも買っちゃおうと思ったが、もしかして・・・とH氏に電話した。予想が的中。氏いわく、「あぁ〜、もう今磨いていますよ!」だって。危うくヤフオクに出品するハメになるところでした(笑)。ちなみにRACさん、今キャンペーン中で全品5%オフだそうです。いつもながらありがたいショップである。
その他の状況について報告を受けたが、バッテリーが賞味期間を過ぎているらしい。バッテリーは車検の検査項目に該当しないので今回はパス。バトルガのネタ作りのために、なるべく早急に自分で購入し交換することとした。油類に際しては予定通りブレーキフルードのみの交換をおこなう。その他の油類及び冷却水は点検し問題が無かった為に交換しなかった。
支払い総額は 175,648円 である。以下は諸費用及び車検整備に要した費用明細である。
諸経費 65,430円 重量税 37,800円
自賠責保険 27,630円
車検整備費 110,218円 整備修理工賃合計 96,285 円
部品代合計 13,933 円
整備点検明細 走行距離 28,416Km 、 実施期間16年8月1日〜16年8月6日
整備、修理工賃 部品代
車検整備一式 42,300 エンジンオイル(セレニア 20K 4.5L) 0 車検代行手数料 12,000 オイルフィルター 0 検査ライン一式 8,000 ワッシャー 0 エンジンオイル、フィルター交換 4,000 Fブレーキパッド (RACより購入5%オフ) 8,550 ブレーキオイル交換、エアー抜き 5,400 ブレーキフルード(TOP−4 2L) 4,000 Fブレーキパッド交換、ローター脱着 10,000 発煙筒 720 左右Fブレーキローター研磨 8,000 発煙筒交換(期限切れ) 0 ショートパーツ(産業廃棄物処理費用等) 2,000 合 計
91,700 合 計
13,270 消費税(5%)
4,585 消費税(5%)
663
整備、修理工賃 合計 96,285 円 部品代 合計 13,933 円
日頃のこまめなメンテ(笑)の賜物か! 驚くほど安くあがった。 ただし、バッテリーは早急に交換する必要があるし、また、タイミングベルトも1万キロ以内に交換が必要だ。バトルガのネタ作りを考えるととても嬉しいが、財布にはとてもキツイ事項である。タイミングベルトはかなりの出費が予想されるので計画的な貯蓄が必要か・・・。「計画的な貯蓄」=コーンズオーナーには不向き?(笑)
ちょっと残念だったのが無料で交換して頂いたオイルである。レーシングから20Kへグレードダウン・・・SAE 10W-60からSAE 10W-40の差が気になるところ。左画像が研磨されたローターと交換されたブレーキパッドである。研磨前はかなり段が付き、また金属内部の巣のお陰で表面がガタガタだったが、研磨後は綺麗になった。
気になるタッチだが、驚くほどいい。156は所謂「カックン」ブレーキであり、踏み代の無さに驚かされるが、フェロードに代えてからそのカックン度合いが改善された。もしくはブレーキフルードの交換によるものだろうか。踏めばジワ〜と効くのである。ドイツ車の様に踏めば踏んだだけ効いてくれるリニアなブレーキには程遠いが、是非お勧めのパッドである。
ただしお勧めできないマイナス点もある。鳴きである。酷くは無いが、止る瞬間キキキィ〜と小さい音で鳴きやがる。個人的には多少鳴くパッドのほうがちゃんと効いてくれている気がするし、「レーシー=鳴くもの」という古い固定観念があるから、全く気にならないが・・・(笑)。
番外 代車のインプレッション
約1週間かかる納車整備の間、ディーラーであるコーンズが用意してくれた代車がフェラーリ ・・・。
っんなぁ〜事あるわけないし、代車自体も無いようである。こういうところは国産車ディーラーと大きく異なるところだ。代車がなければ困るかというとそうでもない。最近の車の利用は毎週週末の買い物程度なので、車がなきゃ無いなりに何とかなりそうだし、近所のスーパーにタクシーで乗り付けるのも面白いかも知れない。そんな話を友人(K氏)と五反田の居酒屋で話している際、同氏から思いもよらぬ話を頂いた。同氏所有の「ポルシェ」を代車に使っても構わないというありがたい話である。氏はポルシェの他にも数台の高級車を所有されており、普段の足代わりに使う車はメルセデスだという。それではと遠慮せず1週間お借りする事になった。
お借りしたポルシェは 93年式 911カレラ2である。別名964と呼ばれている。色はミッドナイトブルー。濃い目の紺にメタリックが施されている。ミッションはZF社製のオートマ、所謂ティプトロニックであり、レバー操作でマニュアルライクな運転も可能である。さらにうれしい事にこのポルシェはオープンなのだ。もちろん幌の開閉はスイッチ操作ひとつで完結する電動式である。
外観及び内装の第一印象は、10年を迎えた車とは思えないほど「キレイ」なのだ。走行距離も4万キロ程度。屋根あり駐車場で保管され、雨天時の走行はほとんど無いという事も素直に納得できる。こまめにメンテナンスを実施されているのであろう、ポルシェのアキレス腱であるエンジンオイルの漏れも全く無いという。
さて、早速氏からキーを預かり乗車させて頂く。
ドアノブに手を掛け、レバーを引くと「カチャ」という音。ドアは想像以上に軽い。この「カチャ」という開閉音もマニアには垂涎らしい。見るからに上質な皮製バケットシートに腰をおろすと着座位置の低さに、この車がスポーツカーだという事を再認識させられる。操作方法のレクチャーを一通り受けた後、エンジン始動。3.6リッター水平対抗6気筒エンジンはいとも簡単に目を覚ます。シフトをDレンジに入れ恐る恐るスタートさせる。まず走り始めてすぐに感じた事はブレーキ操作、アクセル操作、そしてハンドル操作が、156などに比べるとはるかに重いのである。足回りは10年選手とは思えないくらいにダンパーが効いていてシャキットした乗り心地である。後から聞いた話だが、1年ほど前に足回り関係を全て新品にリフレッシュしたそうである。かけた費用は軽自動車が軽く1台買えそうな金額らしい(汗)。低速走行は確かに硬く、ゴツゴツ感は拭えないが、いったん高速走行に移ると、その走行状態は恐ろしく安定してくる。気がつくと法定速度の軽く倍!(良い子はけっして真似しちゃいけません)。それにしてもトルクのあるエンジンは楽で気持ちがいい。どの回転域からでも1トン以上の車体を軽々加速させるし、発進加速はアルファの比ではない。身体がシートにのめり込みそうになるくらいのGなのである。息が詰まる程の加速に対して減速もすばらしい。兎に角よく効くブレーキなのである。またタッチが抜群。踏めば踏むだけグググと効いてくれるリニアなタッチである。
オーナー宅から自宅までの約50キロを走り終え、乗りはじめた時に感じた操作系の重さは自然に慣れて違和感が全くなくなっていることに気がつく。全ての操作系が人間にとって無理なく無駄なく緻密に計算された賜物なのだと思いたくなる。総じてポルシェに対する率直な感想は「どこを切っても金太郎」いや、「どこを切ってもスポーツカー」なのだ。
車はオーナーが変わると、とたんに調子を崩すと言われているが、突然のトラブル発生。トラブルといっても路上で立ち往生するようなものではなく、マイナートラブルの範疇だろうか。
フロントのトランクが空かなくなってしまった。ポルシェはフロントドアオープナーが左足元(左画像赤い矢印の先)についており、そのレバーを手前に引くとボンネットが開くようになっている。ある朝、ボディーカバーをたたんでトランクにしまおうとフックを引くが、フックに手ごたえが全く無い。どうやらワイヤーが外れたようである。ポルシェサイトを検索し同じようなトラブル事例を探したがなかなか見つからない。応急処置は無さそうである。幸いにもすぐに必要な重要な書類や貴重品、さらには子供を詰込んで居なかったから良かったものの(笑)、もしそんな場合のトラブル発生を考えるといささか閉口してしまう。そんな事を考えると、やはりポルシェは「どこを切ってもスポーツカー」なのだ(笑)。「買い物する為なんかにオイラを使わないでくれるっ!」と怒られた気分。
本来ならばちゃんと修理して返却すべきものなのだが、オーナー曰く「やりたいメンテナンスやチューニングが多々有るので、そのときに一緒に修理します。そのままで返却してください」との事。なんと寛大なのだろうか。今件をバトルガのネタに採用しても構わないかという事に対しても全く問題なしだという。修理が完了次第、番外2としてアップいたします。こう御期待!。
ステッカーのサイズとデザインが変わりました。目だたなくていいっす!