Alfa Romeo 156
The Battle of Garage 27


 2004年  10月 23日
  走行距離 29,989Km
  ミッションギヤ入らず修理

  天災は忘れた頃にやってくるなどと言われるが、忘れかけていたトラブルが突然やってきた。それも路上でやってきたからたちが悪い。偶然にも新潟中越地震が起こる30分ほど前にである。車のトラブルなど、震災に比べるとたいしたことじゃ無いが、やはり路上で立ち往生するトラブルは何ともせつないものだ。
 夕刻、妻と近所のスーパーに買い物に行こうと500メートルほど走り出した時である。インパネのミッション警告等が点滅しはじめる。「あれ何だろう?」と減速させると、完全に停止する前にミッションが強制的にニュートラル(N)になった。エンジンはストールせずアイドルも正常。停止後シフトレバーをガチガチ動かし1速やリバースシフトに入れようとしても、まったく入らないのである。とにかくハザードを点灯させ、後続車に対し故障した事を伝え、車が途切れた隙に、緩やかな坂道だったので惰性で路肩に寄せる。
 気を落ち着かせエンジン再スタート。警告等は嘘のように消え、ミッションは何事も無かったようにシフトできるようになる。コンピューターの誤動作だったら良いのだがと祈りつつ、そのまま走行した。
 しかしながら期待は完全に裏切られ、スーパーで買い物を済ませ、家まであと1キロ弱の地点(横浜環状2号線上)で再度ミッションの警告等が点滅しはじめた。
 今度はヤバイ。なんたって交通量の多い3車線環状道路。それも右折しようと右折レーンに並んでいたときである。とにかく同じ右折レーンに並ぶ後続車に故障を知らせ、ハンドルとブレーキを妻に任せ、トランク越しに車を押し路肩に寄せる。幸運にも外側2車線は渋滞中だったため、後方からの追突は避けられた。さらに幸運だった事は、たどり着いた路肩は月極め駐車場の入り口。とにかく勢いを付け駐車場まで車を入れ安全確保をおこなう。先ほどと同様にエンジンリスタートさせるが、今度は警告等はつきっぱなしになり、シフトチェンジはまったく効かなくなる。
 エンジンは掛かるからバッテリーの問題ではなさそうであるが、念のためマイナス端子を外し端子の清掃と、コンピューターのキャリブレーションを行う。結果は、やはりダメ。 
 完全にお手上げである。家まで目と鼻の距離なのに帰還できないとは無念である。自宅の駐車場ならば、ボンネットを開け工具片手に原因を調べる気力も沸いてくるが、避難させた場所は人様の駐車場である。


<ミッション警告等>
 ここは早々に退避が一番とローダーの手配を行う。自慢じゃないが、J○Fなんてものには入っていない(笑)。P.A.S.S.(Perfect Assistance Service System)に連絡すればすぐにでも飛んでくるが、2ヶ月前に3年保障が切れているから、こちらももちろん有償となる。
 「困ったときの保険頼み?」。もしやと保険会社に電話したところ、30キロ以内ならば無償でローダーサービスが受けられることが分かった。コーンズまでの距離は約15キロ。無料である。これまたラッキー。
 依頼して待つこと30分。ローダーサービスは到着した。保険会社の電話対応もとても気持がちよく、ローダーサービスの方も親切丁寧であった。さすがは天下の東京●上だ。感謝!

 ローダーの行き先は上川井のコーンズである。ローダーされていく156を見送り、自宅まで歩いて帰る。思いもよらぬトラブルに多少落ち込みそうになったが、よく考えるとラッキーな事が多かった。自分で言うのも何だが、不幸中の幸いとして
 1、ディーラーまでのローダー費用が無料(遠方でのトラブルじゃなくてよかった)
 2、止まった場所が家のすぐそば(歩いて帰れた)
 3、環状線3車線の右折レーンでの信号待ちという非常に危険な場所でのストップだったが
   外側2車線が渋滞していたため無事に(追突されず)路肩に寄せる事ができた。
 4、久々のバトルガネタができた(爆)

 数日後コーンズのフロントS氏から連絡が入る。トラブルの原因は残念ながらセレポンプの不良。ポンプが死んで油圧が掛からなくなりミッションできなくなったそうである。したがってポンプの交換、またポンプのリレーも接点がかなり焼けているので大事をとって交換。さらにポンプ交換のためセレオイルの新しくするそうである、請求明細は以下の通り。
 部品(油類)は定価である。作業工賃はコーンズのご好意?から特別価格でおこなっていただいているので、今回は公表を控えさせていただく。

品名 品番 金額
リレー(30A/レッド) 46520412 1,350円
セレスピード ポンプモーター 46527834 45,000円
セレスピード オイル1L 59059128 5,000円
作業工賃   ●●,000円
 これで終わったらバトルガらしさに欠けるので、交換した部品の場所を確認する。3万キロ走行をはるかに超え、これから路上での立ち往生を迎えられる・・・、いや失礼、ポンプの交換を迎えられる方々へのアドバイスになれば幸いである(爆)。というか、ディーラーによると、このポンプは普通は壊れないそうである。ご心配なく!。
 まず、ボンネットを開けバッテリーの横、フェンダー側の黒いパネルを外す。赤い矢印2点のプラスネジを外し、セレオイルのタンクの蓋に繋がれたパイプを外しパネルから抜く。
 パネルが外れると丸い形のセレオイルタンクが現れる。パイプがフェンダーの隙間に落ち込まないように、作業中は蓋に接続しよう。問題のポンプは、タンクの手前下にあるステーによって固定されている。左画像をごらん頂きたい。ステーがポンプにかぶさった形であるのがお分かりになるだろうか。四角いステーの端からデリバリーパイプが2本突き出ている根っ子がポンプである。赤い文字でIN OUTと表示しているあたり。
 ポンプは赤い矢印3点で固定されている。この3点を外すとポンプは外れるである。さらにIN/OUTのホースを外せば交換ができるである。(やってないから未確認)
 左画像が正真正銘のセレポンプである。自分で外したわけじゃなく、交換した部品をもらってきちゃいました(笑)。でも捨てるのに困ってます。だれか要りますか?(←だれもイランって)。
 ちょっと余談だが、ポンプが故障で油圧があがらなくなった場合は、このポンプを「ガンガン」叩けば一時的に復活する場合があるという。これ本当!。もしストップした場所がとんでもないところ(急な坂道だったり、高速道など)だった場合は、ポンプをガンガン叩いて一時的に復活させて、安全な場所までにとりあえず移動させるという手段も試みてはいかがだろうか。
 ちなみに、デルタ所有時代、高速道でフュエールポンプがお亡くなりになり立ち往生した事が有る。その際に、後部座席を取っ払いポンプが有るあたりをハンマーでガンガン叩いたら復活し燃圧が戻り、高速道出口まで何とか走れた経験がある。しかしながらその後、叩きすぎが原因でL字のジョイントが割れて、後部座席がガソリンまみれになったが苦い経験もある。何事も加減が大事です(笑)。
 左の画像はポンプのリレーの場所を示したものである。これがセレポンプのリレーだとは知りませんでした。だってカバーにはFANって書いてあるぢゃん凸っ!
 このリレーが焼けて、セレポンプが動かなくなる事例は結構有るらしい。ポンプをガンガンやる前にまずはリレーをチェックしよう。ちなみにここに有る赤いリレーはすべて同じものである。適当に入れ替えてポンプの動作を確認すればよい。できればスペアーを工具箱に準備しておいた方がよいかもしれない。ディーラーで買っておきますか?。

 3年保障が無くなり2ヵ月後の出来事である。うちの156はメーカー思いのいい子である。
 
   トラブルは忘れた頃にやってくる    皆様もご注意を!