サン・モリッツを中心としたオーバー・エンガディン地方には、宝石の様なたたずまいの湖がたくさん 連なっています。畔の村の素朴な家や教会の尖塔を湖面に映して、「エンガディンの夢の国」といった 呼び名にふさわしい趣です。 |
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スタッツァー(スタッツ)湖=Staze− rseeは、それ等のたくさんの湖の中に あって、サン・モリッツの近郊の森の中に ひっそりと、隠れる様にたたずんでいます。 サン・モリッツの南には街並やその背後の エンガディンの展望台として有名なピッツ ネール(Piz Nair)の姿を映した サン・モリッツ湖があります。 その東岸の遊歩道(ハイキングコース)の 途中に付けられたスタッツァー湖方面への 標識に従って、森の中を20分ほど歩くと、 突然目の前が開け、小さなスタッツァー湖 が静かな湖面を見せてくれます。 森の木々の上には、純白の雪を載せた山々 そしてその姿を鏡の様な湖面に映している スタッツァー湖.... 訪れる人も少なく自分だけが独占している 様な錯覚に陥ってしまいます。 この地域には、有名なシルヴァプラナ湖や シャンプフェール湖といった多くの美しい 湖があります。 スタッツァー湖はこれ等に比べて地味かも 知れませんが、「心が休まる....」と いう表現」がぴったりの湖です。 | ‘79年10月20日 |
観光客で溢れたシーズンが終わって、すぐそこまでやって来た、長く厳しい冬への準備を始める晩秋! 黄色の絨毯を敷き詰めた様なオーバー・エンガディン地方を訪れると、新しい発見があると思います♪ 夏の緑溢れるアルムや山々も好きですが、僕は晩秋のスイスに言葉に出来ない魅力を感じます。 |
Part−7 チェントヴァッリの谷(ティチーノ州)
スイスに何度か旅行されている方でも、ティチーノ州まで訪れた人は、そう多くはないのでしょうか? スイス最南のカントンで、イタリア語が使われ、スイスより北イタリアの趣の方が強い地方なのです。 さぁ、ロカルノの街から出るFART鉄道に乗って、チェントヴァッリ(Centvalli)の谷を 訪れましょう。僕等の忘れかけた、素朴な山村が胸を打ちます... |
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ロカルノの地下駅を出発した電車は、イントラグナ、 パラグネッダ等の箱庭の様な小さな村々を通り抜け 国境の小さな村、キャメドの先からは、イタリアに 入ります。 そして、チェントヴァッリは、イタリア領に入ると ヴィゲッツォ(Vigezzo)と、その名を変え るのです。 ”100の谷”と呼ばれる様に小さな谷の連続した 複雑な地形に沿って電車は走り続けます。 谷の上を見上げると、”はっ”と、思う様な高地に、 何軒かの家々が肩を寄せ合う様に佇んでいて、その 姿には、思わず胸を打たれます... 庭先に植えられている柿の木に、僕が生まれ育った、 山梨の田舎をオーバーラップさせてしまいます。 ベルナー・オーバーラントやヴァリス・アルプスの 様に、パンフレットやガイドブック等に載っている 有名な山々こそ、ここにはありません。でも僕には この、”100の谷”の佇まいの美しさの方が心が 洗われる気がします。 |
‘98年11月9日
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チューリッヒやジュネーブからここまで来るためには努力が必要ですが、訪れた人に”100の谷”は 100倍以上の感動を与えてくれます。 |
Part−8 ステッチェルベルグ(ベルナー・オーバーラント)
東インターラーケン駅を出発したBOB鉄道の電車は、ツヴァイリッチネンでグリンデルワルド方面と ラウターブルンネン方面に分岐します。ステッチェルベルグ(Stechelberg)は、このうち ラウターブルンネンから、更に西リッチュネンの谷を遡った、谷のどん詰まりにあります。 |
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ラウターブルンネンにてWAB鉄道に乗り 換え、ユングフラウヨッホに向かう乗客を 横目に、駅前の郵便局前からステッチェル ベルグ行きのポスト・バスに乗り込みます。 ラッパを吹き鳴らしながら、黄色の車体の バスは西リッチュネンの谷を走り抜けます。 途中、氷河という名前のパワーショベルが 掘った地下滝の「トリューメルバッハ」や ヨーロッパ最大の落差を誇る「ミューレン バッハ」の大滝に立ち寄りながらの20分、 バスは、終点のステッチェルベルグに到着 します。 そこは西リッチュネンの谷の最奧。バスは これより奧には進めません。 ほんの2,3軒の小さなホテル、郵便局と バス停、それに数軒の民家。 素朴なスイスの山村の面影を残した村... ラウターブルンネンから、ほんの20分で 訪れる事が出来るのです。 |
‘87年5月28日 |
ベルナーオーバーラント地方には、グリンデルワルド、ミューレン、ウェンゲンを始めとして数多くの 観光地が散りばめられ、年間を通じて数多くの観光客が訪れています。そんな中にふと忘れられた様な 小さな村があります。ステッチェルベルグもそんな素朴な香りを残す村の一つなのです。 |
スイス経済の中心都市、チューリッヒ...この街の南東にチューリッヒ湖(Zurichsee)が 三日月状に延びています。そしてこの湖の南端にプフィコン(ファフィコン=Pfaffikon)の 街があります。 |
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チューリッヒ中央駅からグラウビュン デン方面行の急行列車に乗り込みます。 静かな湖面のチューリッヒ湖を左窓に 見ておよそ35分...列車は静かに プフィコン駅のホームに滑り込みます。 ごくありふれたスイスのどこにもあり そうな平凡な街。 観光案内に書かれる事もほとんどない 街なのだが、それだけに心の安らぎを 感じます。 駅前通りには落ち着いた商店や小さな レストラン...道行く人も地元の人 ばかり。それでも『Hello!』と 声をかけると笑顔で応えてくれます♪ ほんの2,3日滞在しているとまるで この土地の住人になったみたいな... そんな気持ちになってしまいます。 |
‘02年4月27日 |
スイスには数え切れないくらいの美しい観光地が点在しています。 プフィコンからほんの1時間ほど足を延ばせば、ハイジの故郷マイエンフェルトが...切手の好きな 人にはおなじみのリヒテンシュタイン公国もすぐ先です。 でも時には、平凡でありふれた街に滞在して、のんびりとスイスっ子気分で過ごすのもいいものです♪ |
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