1979年10月、初めてのスイス&フランスひとり旅

大げさでなく、僕の『旅の原点』、そして人生を大きく動かしたのが、この時の旅行だったと思う。
前の年、初めてツァーでヨーロッパを訪れ、特にスイスの美しさに感動♪ 一生に一度のはずだったが、翌年もまた
出かけて来た。言葉もままならないのに、一人で・・・
しかし、スイスに8日間滞在して、たくさんの人達と出会い『もっとスイスの事を知りたい』、『日本から飛び出し
たい!』との想いが一気に膨れ上がった。

そして、1982年に外資系企業に転職! アメリカ、スイス、ドイツ・・・たくさんの友人達♪ 今は、本当に『思い立って』ヨーロッパやアメリカに出かけるのが普通になってしまったが、1979年の一人旅、 この時の純粋な想いをもう一度胸に描いて、旅に出てみたい・・・


10月17日(水):晴 ●昼ころ、家を出る。初めてのヨーロッパ一人旅に、かなり緊張しているのが、自分でも良く分る。  国電(当時はまだ、JRではなく“国鉄”)で上野へ・・・ 更に、スカイライナー&連絡バスで、成田空港へ♪  ずいぶん前の事なので、忘れてしまったが、成田空港のツァーカウンターでチェックイン! 手荷物検査、そして  出発ロビーへ。 ●17:20発の大韓航空(KE)001便<でソウル(金浦)へと向う。B747である。  ソウル(金浦)にて、約2時間のトランジット後、パリ(オルリー)行き、21:00発KE901便に乗り込む。  機材はDC−10♪  北回りは、昨年に続いてだが、昨年のツァーと違って、今回は一人旅のせいか、長く感じる。6時間のフライトの  後、アンカレッジに給油のため寄航。  90分後、ヨーロッパに向って再び飛び立つ♪ さぁ、次はパリだ! 胸が高まる。


10月18日(木):晴 ■朝9時、無事にパリ(オルリー)到着。飛行機の中では、緊張して余り眠れなかった (>_<)  入国審査は、大して時間はかからなかった。入国後、リムジンバスでアンバリッド・エアターミナルへ。  セーヌ河沿いを少し歩いてみる。パリ・・・ひと言で表すと『憧れを映す街。 ■メトロで、パリ北駅(Gare de Nord)へ!  窓口では手こずる事もなく、スイス、バーゼル中央駅までの切符を買うが、出発までは若干の時間がある。  駅でぼ〜っとしていたら、突然、不安が心の中に広がって来た。海外旅行2度目で、一人旅。それもヨーロッパに  12日間である・・・言葉(英語)も当時は、上手く喋れた訳ではない。  思わず、旅行会社に電話し、帰りの便を早められないか聞いてみる。しかし、満席・・・(ToT) ■13:25、パリ北駅を出発した、SNCF(フランス国鉄)の急行列車は快調に田園地帯を走る。  いくつかの地方都市に停車しながら、日が暮れかけたミュールーズ駅に滑り込む。18:25発の各駅停車に乗り  換えである。バーゼルまで、あと40分ほど♪  列車の中、スイス人の青年に話しかけられた。ほぼ同い年くらい♪ 明日からの予定を話すと、時刻表を見ながら  色々とアドバイスしてくれた。嬉しい出会いである。 ■30分ほどで、バーゼルSNCF駅に到着、簡単な出入国審査を受ける。スイスだ♪  もうすっかり暗くなっている。当りを付けておいた、駅前のHotel Juraへ・・・  一泊28SFr(スイスフラン)。当時のレートで朝食付で4,500円。安い! 尤もシャワー&トイレは共同。 ■成田から33時間・・・緊張していて、体も疲れていたのだろう、あっと言う間に夢の中。


10月19日(金):晴 ◆朝食はコンチネンタル・スタイル、ジュースにパンとコーヒーだけだが、美味しい♪ クロワッサンやバケットを  たくさん頂く。 ◆バーゼル中央駅で、スイス・ホリディカードの使用開始手続き、ランチ用にサンドイッチ等を買い、クール行きの  急行列車に乗り込む。8:51発、1時間でチューリッヒに到着。ドーム形状の威風堂々たる駅で圧倒される。  ウィーン行き特急『トランスアルペン』が停車している! いつか乗りたい♪  チューリッヒ出発・・・車窓に展開する山々や湖がきれいだ。目が釘付けになるクールまでの90分。  クールで13:00発、RhB鉄道に乗換え、サンモリッツに向う。レール幅も、標準軌から狭軌へ変る。列車も  ひと回り小さくなる。 ◆おとぎ話に出て来そうな、可愛いトゥジスやフィリズールの村々を抜け、そして、有名なランドワッサー橋を渡る。  スイスの醍醐味とも言える「鉄道の旅」である♪  そして、エンガディンの中心、サンモリッツに到着。標高1,822mのリゾートである♪  駅はサンモリッツ湖の畔。その美しさは格別だ (^^) ◆サンモリッツのバード地区にある、ホテル・ベルニナは、小さな可愛いホテルだった♪  チェックイン後、サンモリッツ湖の遊歩道を歩く♪ スイスの秋は、日暮れが早い。まだ4時なのに・・・夕陽が  サンモリッツの街並と湖を照らす。はっとする美しさ! しばらく、そこを離れられなかった。 ◆夕食は、ホテルのレストランで♪ メニューは忘れたが、満足のDinnerだった事は確かである。


  
特急トランスアルペン(10月19日)
  
暮れ急ぐサンモリッツ(10月19日)


10月20日(:晴 ▲スイスの朝ごはんは美味しい。ここでも、クロワッサンなど等たくさん戴く♪  今日も良いお天気。ハイキングも楽しもうと思う♪ ▲先ず、ピッツ・ネール(3,057m)に登る。ケーブルカーとロープウェーだが (^^;  サンモリッツ・ドルフにある、ケーブル駅から鮮やかな青色のケーブルカーで、先ず、中間駅のコルヴィグリアへ。  標高2,488m! 雪が積っている。サンモリッツの街並や輝く湖・・・そして南側にはベルニナ・アルプスの  盟主、ピッツ・ベルニナ(4,049m)の姿も!♪  コルヴィグリアからロープウェーで、いよいよピッツ・ネール(3,057m)へ・・・鹿の剥製が迎えてくれる。 ▲360度の展望を楽しむ。  ベルニナ・アルプスの山々♪ この地域の山容は、なだらかで日本の山々を連想させる。しかし、氷河がの存在が  日本との決定的な違いを見せている。  気温は、氷点下! 寒いが、気にならない。天が与えてくれたであろう、この時間。貪る様に、山々を見つめる! ▲写真を撮ったりしていたら「どこからいらしたのですか?」と英語で聞かれた。  チューリッヒに住んでいると言う若いご夫婦だった。東京の話を、拙い英語でする。しばらくおしゃべりした後で  山頂のカフェでコーヒーを。本当に来て良かった。感動の連続。  1時間ほど、展望を楽しんだ後、ロープウエー駅に戻る。すると先ほどの方が「記念に♪」とエンガディン地方の  写真集を手渡してくれた。今日も素敵な出会い(30年以上後の今も、大切に保存している)♪ ▲一旦、サンモリッツに下り、午後は、エンガディンの湖を巡るハイキング♪  先ず、森の中の小さな湖、スタッツ(スタッツァー)湖を訪れる。  サンモリッツ湖の東岸から、標識に従って20分、山々や森の木々を静かな湖面に映す「スタッツ湖」の畔に出る。  小さなホテルとレストランも、今はオフシーズンのためか、ひっそりしている。そんなシーンを独り占め♪ ▲スタッツ湖の畔から、ハイキング路をサンモリッツに戻り、今度はイン川に沿って、西に歩く。  黄葉真っ盛り♪ アルム(牧草地)は、黄色の絨毯を敷き詰めた様だ。  紅葉の鮮やかさでは、日本の木々に軍配を挙げる。しかし、アルムの黄葉と木々の紅葉・・・美しいという安直な  言葉では、とても表現出来ない!! ▲水の流れがきれいだ。イン川に沿って、上流に1時間ほど。  シャンフェール湖は、湖畔の村の教会を湖面に映した静かな湖♪ シャンフェールの村も静かで、まるで夢の中に  いる様だ。しばらく、その息を呑む美しさに言葉も失う。 ▲はっと我に返る・・・どのくらい、そこに佇んでいたのだろう。日も西に傾いて来た。  サンモリッツに戻る。ホテルの部屋で、エンガディンの湖の姿をもう一度思い返す。涙が出そう・・・ ▲Dinnerは、お魚だった♪ 鱒、いやペルチェ?のムニエル。すごく美味しい♪  近くのテーブルにいた、地元のおじさん達が「一人じゃつまらないだろう、こっちに来ないか?」と、声をかけて  くれた。嬉しい、もちろん甘えさせてもらう。ワインを頂いたり、お互い怪しい英語、でもしっかり心は通じる♪  昨日から、たくさんの出会い・・・去年のツァーとは感動の大きさは比べものにならない。  一人旅は大変でも、それを遥かに超えるものがある♪ そんな想いを胸に、眠りに付く Zzzz...


  
シャンフェール湖(9月20日)
  
サンモリッツ湖(9月20日)


10月21日(曇りのち雨 ▼朝、目覚める。外が暗い・・・昨日の晴天から一転、どんよりと雲が垂れ込めている (>_<)  今日は移動で、丸一日を費やす事になる。  サンモリッツ〜クール〜チューリッヒ〜ベルン〜東インターラーケンと乗り継いで、ラウターブルンネンまで移動。  約8時間の列車旅である。ルートとしては、クールから、ライン川沿いに西に進んで、フルカ、オーバーアルプ峠  越えが変化に富んで、景色も楽しめるのだが、10月中旬以降は一部で積雪対策のため、線路を取り外し、不通に  なってしまう(現在は、トンネルで通年運行されている)。 ▼9時発の急行で、サンモリッツ出発、クールに近付くころから雨になった (>_<)  クールで11:26発、チューリッヒでは、13:10発のインターシティへと乗り継ぐ・・・更に、ベルンにて  14:40発のインターラーケン・オスト(東)行に! 東インターラーケンには、15:41の到着。  ほぼ全て、定刻に運行されたが、サンモリッツから7時間近くかかった事になる。おまけに今日は、ず〜っと雨! ▼今日最後の乗り換えである。15:56発のラウターブルンネン行きのBOB(ベルナーオーバーラント)鉄道に  乗り込む。  天気が良ければ、ユングフラウ(4,158m)の姿が見えるはずだが・・・今日は、視界ゼロの雨 (>_<)  16:21、ラウターブルンネンに到着。今日の旅は、ここまで(笑) ▼ラウターブルンネンでは、「ホテル・オーバーラント」に2泊の予定である。木造の山小屋の雰囲気を感じさせる  ホテルで、とても気に入る。なにより、オーナーも従業員の方々もとても気さくである♪  今日は、延々7時間も列車に乗って来たし、何よりお天気が最悪。良くても、日は暮れかけている (>_<) ▼7時ころ。お腹も空いて来たので、ホテルのレストランで、Dinner♪  ワインもお肉のメイン・ディシュも美味しい。初老のウェイターが気さくで楽しい♪ 明日は晴れます様に!


10月22日(月):雨 ●期待に反して、雨音で目が覚めた。カーテンを開けると、雨に煙る「西リッチュネン」の谷が見える。  朝食(美味しい♪)後、しばらくぼ〜っとしていたが、取りあえず、クライネ・シャイデック(2,057m)に  登ってみる事にする。ラウターブルンネン、9:40発のWAB(ウェンゲンアルプ鉄道)で出発。 ●電車は、アプト式で、急勾配をぐんぐん登って行く。  ユングフラウ、リッチュネンの谷を取り囲む山々が大パノラマの様に展開するはずだが、何も見えない (ToT)  クライネ・シャイデックも雨が降りしきっている。アイガー(3,970m)の北壁も雨雲の中。それに、寒い!  霙が降っていて、今にも雪に変りそうである。カフェで、暖かいコーヒーと軽く早めの昼食。 ●結局、1時間半ほどで退散。  ラウターブルンネンに戻り、14:24発のBLM鉄道(ラウターブルンネン・ミューレン鉄道)のケーブルカー、  登山電車を乗り継ぎ、ミューレン(1,645m)まで行ってみる。  もちろん、こちらも雨。シルトホルン(2,791m)山頂は、雲海の上・・・を期待したが、ロープウェー駅に  掲げられた標識では“雨/雪”。 ●ミューレンは、昨年の11月に、ジュネーブから日帰りで来ている。村の佇まい、深く切れ込んだリッチュネンの  谷と、その谷を挟んで見えるユングフラウの巨大な姿。僕を虜にした村である。 ●仕方ないので、ホテルに戻り、うたた寝 Zzzz...目覚めたら、ちょうどDinner Time♪  昨日と同じ、ウェイターとおしゃべりしながら、今夜も楽しく・・・「日本語を教えてくれ」と言うので、挨拶を  いくつか教える (^^)


10月23日(火):雨のち曇り ■今朝も雨降りだが、昨日ほどは激しくない様に見える。予報では、低気圧が抜けて、回復傾向らしい。  もう一日、滞在を延ばそうかともも考えたが、ヴァリス・アルプスは初めて訪れる地域、何よりマッターホルンの  近くに、早く行きたい。 ■ゆっくりと朝ご飯を味わった後、9:23発のBOBで東インターラーケンに向う。着後、10:02発の急行に  乗り換え、更に、シューピーツにて、11:15発の『ミラノ行き』インターシティに乗り継ぐ・・・ミラノ行き  とは言っても、1時間ちょっと乗るだけで、途中のブリーグで下車(笑) ■ブリーグは、イタリアとの国境に程近い街である。ここから、シンプロン・トンネルを抜けると、イタリアである。  ブリーグには、12:27到着。  ツェルマット行きのBVZ(ブリーグ・ヴィスプ・ツェルマット)鉄道は、12:54発。サンドイッチ等を買い  込み乗車。 ■BVZの電車は、ヴィスプから方向を南に変えると、アプト式でぐんぐんと高度を稼いで行く。  ブドウ畑、対岸の「はっ」と驚く様な高地に村が・・・雨は相変わらずだが、谷の深さ、山々の高さは実感出来る。  ツェルマットまでは1時間30分! 目は車窓に釘付けになる。晴れていたら凄いだろうなぁ・・・ ■ツェルマットのひとつ手前のタッシュに到着。巨大な駐車場。1,000台は停まれそうである。  ガソリン車の乗り入れが禁止されているツェルマットに行くツーリストは、ここで車を置いて、列車に乗り換える。  そうして、ツェルマットの環境は守られているのだ。 ■ツェルマットには、14:26に到着。駅前からは、マッターホルン(4,478m)が見えるはずだが、雨雲に  隠れている (ToT)  山小屋の趣を残す、ホテル・ダービーにチェックイン。部屋も木の香りがする♪(この時は、このホテルがこの先  30年間に渡って、常宿になろうとは夢にも思わなかった)  まだ3時前なので、ツェルマットの村をぶらぶらする。遭難者墓地、少し郊外に出ると「ねずみ返し」の穀物小屋。  見る物全てが新鮮で、心に残る♪ ■風が出て来た、明日は晴れるぞ 期待も込めて、空を見上げる♪  Dinnerは、フルコースでとても食べ切れない。ウェイターがユーモアがあって、一人でも楽しい食事だった。


  
WAB登山電車(10月22日)
  
雨のクライネシャイデック(10月22日)


10月24日(水):曇りのち晴 ◆目を覚ますと、すぐにカーテンを開ける。雨は止んで、青空も見えるではないか♪  ダービー朝食は、コンチネンタルよりもアメリカンに近い。チーズ、ハム、ヨーグルトにフルーツ、美味しい♪ ◆夢にまで見たマッターホルンが見える♪ その独特の山容を自分の目で見る事を、どれほど夢見た事か!  『感動』という言葉が陳腐に聞こえるほどの想いが、胸の中を駆け抜ける!!!  もちろん、ゴルナーグラード(3,131m)に登る事にする。GGB(ゴルナーグラード鉄道)は、2両連結の  オレンジ色の車両。9:30発・・・ ◆アプト式で、乗り心地は決して良いとは言えないが、そんな事はどうでも良かった。  高度を上げるにつれて、ツェルマットの村並みは下方に小さくなり、変って、ワイスホルン(4,505m)など  ヴァリス・アルプスを代表する山々が姿を現わす♪  リッフェルアルプを過ぎて、3,000mを超えると、終点、ゴルナーグラードはもうすぐだ! この辺りからの  マッターホルンは、東壁を正面に、きれいな二等辺三角形♪ ◆ゴルナーグラード到着。雪が積っている。展望台も冬の装い。  そして、下方に巨大な『ゴルナー氷河』、その上流には『モンテローザ』、標高4,634mはスイス最高峰だ!  リスカム、ブライトホルン、西に視線を移せば、マッターホルン、更にワイスホルン・グループの山々。東方には  ミシャベル山群。ドーム(4,545m)、タッシュホルン(4,490m)、アルフーベル(4,206m)等、  4,000mクラスの山々!! 素晴らしい♪ ◆興奮が収まった頃「日本の方ですか?」と声をかけられた。埼玉在住のY氏で、海外青年協力隊の派遣期間を終え、  帰国する途中で、どうしてもスイスに寄りたくて、来たのだと言う。  立ち話も寒い・・・カフェに入って、ランチしながら、色々と話す。日本人のツァーは見かけるが、個人旅行する  人は、少ない。久し振りに日本語で沢山の話をする (^^) ◆1時間以上も話していただろうか? もう一度ヴァリス・アルプスの姿を目に焼き付けた後、14:15の列車で  ツェルマットに下る。  明日は、彼は、グリンデルワルドに移動との事で、僕も、雨で何も見れなかった、ベルナーオーバーラントに再度  チャレンジするつもりだったので、同行する事になった♪ ◆ツェルマットに戻った後は、メインストリートをぶらぶらしたり、ショッピングを楽しむ。  夕刻、マッターホルンの影が雲に映る。思わず『はっ』とするそのシーンを胸に焼き付けた・・・  ダービーの晩ご飯は美味しい・・・ビールが昼の疲れを心地良い酔いに変える♪(笑)  夢の様なツェルマットでの一日を思い出しながら眠りに付く☆


  
マッターホルン(10月24日)
  
ゴルナーグラードにて(10月24日)


10月25日(木):晴 ▲朝、たっぷりの朝食後、ホテルをチェックアウト・・・ヴィスプ川に架かる橋から、朝日に輝くマッターホルンを  目に焼き付ける。 ▲今日は、雨で見れなかった、ベルナーオーバーラントの山々に会うために、グリンデルワルドへ・・・そして夕方、  ジュネーブに出て、夜行列車でパリに向う予定である。  ツェルマット駅でY氏と合流、8:44の急行でブリーグへと向う。マッターホルンの姿は、あっと言う間に見え  なくなる・・・後ろは振り返らない (ToT) ▲10:13にブリーグ着。10:43発のバーゼル行きインターシティに乗り換え。シュピーツで12:15発に  乗り継ぎ、更に東インターラーケンにて12:43発グリンデルワルド行きへと乗り継ぐ・・・全て定刻の運行で  憧れのグリンデルワルドには、13:24に到着。 ▲アイガー(3,971m)が午後の陽射しを受けている。北壁は陰になっているが『処刑台』のイメージには遠い  穏やかな表情に見える。  アイガー、そしてグリンデルワルドの街をぶらぶらしたりする、裾野を引いた様な、ベッターホルンの優雅な姿も  素敵だ。僕は、アイガーやユングフラウよりも、ベッターホルン(3,701m)が好きだ♪ ▲PM3時、グリンデルワルドを後にする。東インターラーケンで15:59発の急行に乗り継ぐ。  更にベルンにて、18時発の急行でジュネーブへと向う! ジュネーブ・コルナバン駅には19:54着。   今夜、23:13発の夜行(5660列車)でパリ(リヨン駅)に向うのである。  時間もあるので、夜のジュネーブの街をぶらぶらする。モンブラン通りには華やかなショップが立ち並んでいる♪ ▲駅に戻り、パリ(Gare de Lyon)までの切符を58SFrで購入。夜食も買い込む♪  パリ(リヨン駅)行きは、出入国手続き後に乗る。ホームは、フランス国内になる訳である。  乗車時間を待つ間、日本の学生に会った。2人連れで、ヨーロッパをひと月かけて回っているそうである。  いいなぁ・・・羨ましい (^^;♪ ▲8人乗りのコンパートメントを3人で独占。座席を引き出せば、立派なベッドになる。3人では広過ぎる☆  定刻、23:13・・・憧れを映す街、パリに向って出発! あっと言う間に夢の中に落ちる☆


10月26日(金):雨 ★朝、まだ暗いうちに目だけは覚める。同室の二人は、まだ寝ている☆  パリに近付くに従って、夜が明け、通勤する人達も列車に乗り込んで来る。8人用のコンパートメントを、ベッド  モード(本来の使い方ではないのだが)から、座席に戻す。 ★朝7:26、パリ・Gare de Lyonに到着。ほぼ定刻だ。  二人と別れ、僕は駅構内で見つけたカフェに入る。クロワッサン二個とカフェオレで朝食!  とてもおいしい♪  パリのカフェにいると、ずっと前から住んでいる様な感じがする。10日もヨーロッパを一人で回って、それだけ、  旅にも慣れたのだろう♪ ★しばらく、カフェで隣りの若者と話したりした後、今夜のホテルを探さなくては・・・と、駅構内の観光案内所で  手配してもらう。最終日なので『ニッコー・ド・パリ』にでもと思った汚い格好の若者・・・紹介されたのは  モンパルナスの「ロイヤル・カルディナーレ」という、名前はおしゃれだが、46フランの安宿。当時のレートで  2,950円である。もちろん、トイレ&シャワーは共同。  まだ午前中なのに、ホテルのレセプションは、とても丁寧に気持ち良く応対してくれた。嬉しい♪ ★ホテルに荷物を置いて、小雨に煙る、パリの街に繰り出す。  メトロでシテ島に。ノートルダム寺院も煙っている。  サクレクール寺院、テルトル広場・・・雨が強くなって来た。でも、パリは素敵♪ ★パリ、モンパルナスの安宿。芸術家になった気分で、ベッドに入る☆☆  


  
ベッターホルン(10月25日)
  
雨に煙るシテ島(10月26日)


10月27日(:曇り ▼パリ(オルリー)発のアンカレッジ経由ソウル行き、KE902便は、13:30発。  当時は、特にアジアの航空会社は、ダブル・ブッキング等は日常茶飯事 (>_<)  兎も角、早く空港に行って、一番にチェックインしなければ・・・なので、朝食抜きの出発覚悟である。  チェックアウト手続きは。昨夜のうちに済ませてあるので、身支度を整え、ロビーに下りる。  すると、初老の女性(ホテルで働いているのだろう)が近付いて、暖かい紙袋を・・・焼きたてのクロワッサン♪  たどたどしい英語で『気を付けてね』と。握手して・・・泣けそう (;o:) ▼アンバリッド・エア・ターミナルから、リムジンバスでオルリー空港へ。  チェックインも無事に終わり、安心して買い物したり、ロビーで寛ぐ(当時はラウンジなんてなかった:笑)。 ▼定刻に、大韓航空(KE)902便は、アンカレッジに向って出発。  食事も映画も・・・機内ではのんびり過ごす。来る時とは比較にならないくらい、気持ちに余裕がある♪  アンカレッジにてトランジット後、ソウル(金浦空港)へ・・・


10月28日(曇り ●しかし、10月26日に韓国では歴史的な事件が起っていたのである。  当時の朴大統領が暗殺された、そう『朴正煕暗殺事件』である。パリからの便は折り返しなので、飛ぶだろうとは  思っており、実際に定刻で運航されている。しかし、ソウル=>成田は・・・最悪、足止めは覚悟である。 ●ほぼ定刻、KE902便は、ソウル・金浦空港に到着。乗換え手続きは行ったものの、乗換え客は、トランジット  ルームに入れられ『決して出ない様に』との指示が出る。マシンガンを抱えた兵士があちこちに立っている。  成田行き702便は18時発の予定だが、一向にアナウンスも何もない。  出発時間を過ぎ、一日遅れを覚悟した頃、搭乗のアナウンス♪ 2時間の遅れ、20時に出発との事である。 ●KE702便は、何事もなかったかの様に、成田に向っている。CAの方々も、笑顔が少しぎこちない様な気も  するが、ごく自然である。 ●成田へは、22時に到着。入国、税関を抜け、バスで京成成田空港連絡駅へ・・・帰路に付く。


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