4月のスイスは冬と春が同居しています。残雪はまだ深く、大雪が降る事も珍しくありません。しかし、春は着実に 訪れていて、時折吹き抜ける南風や、残雪の割れ目から覗く若草色に春の息吹きを感じます。初春のスイス・・・♪ いつものツェルマットやミューレンではなく、行き先に変化を付け、スイスの春を探しに行きました (^^) 4月15日(土):曇り ★今回は、英国航空(BA)6便、久しぶりの北回り=アンカレッジ経由だ。最近はノンストップ便が増えて来たが 個人的にはポーラールート(北回り)が好きである。夜間飛行と言うのも遠くに旅立つ感じがぴたりと来る。 ★スカイライナーで成田へ。所が予約が明日になっているとの事。手許の控えは今日=15日、結局エージェントの ミスとの事で、無事にチェックイン・・・そして、定刻21:30に離陸。アンカレッジまで約6時間。 ★10年ほど前、ヨーロッパへは北回りの夜行便が大半であった。しかし、ソビエト上空の飛行が可能になったのと モスクワでのトランジットが必要なくなってから、主役は一気にソ連上空を飛ぶノンストップに変った。 アンカレッジ空港のトランジット・ルームも徐々に寂しくなって来た。 約90分のトランジット後、ロンドン(ヒースロー)に向けて離陸。 ★離陸前、ちょっとしたアクシデントがあった。一人積み残してしまったのだ。トランジットカードで人数の把握は ちゃんとやっているはずなのに・・・一旦、ターミナルに戻ったため、約20分遅れでの離陸であった。 4月16日(日):小雨 ◆BA6便は、ほぼ定刻の6時にロンドン(ヒースロー:LHR)に到着。巨大な空港・・・長距離便とヨーロッパ 諸国間を結ぶ便のターミナルはかなり離れていて、バスで移動。再度のセキュリティ・チェック、機内持ち込みの バッグに入れてたシェーバーが検出されたが、実物を見せてOK。 ジューネーブ行きBA724は、定刻8:45に出発、11時過ぎの到着もほぼ定刻。 空港地下駅でスイスパスの手続き、ジュネーブ・コルナヴァン駅まで移動。列車を乗り換え、モントルーに向う! ◆残念ながら小雨が降りしきっている。車窓からはレマン湖が見えるが、霞がかかった様だ。それはそれで美しいが やはりスイスのシーンには、青空が似合う (>_<) ◆モントルーまで約30分。駅のインフォメーションで、ホテルを手配してもらう。湖岸の“パルク・イ・ラク”♪ ロマンドの地区なので、フランス語である。“湖に面したパークホテル”の意である。 昼頃だがチェックインへの対応もOK、荷物を置いて小雨の中、レマン湖畔へ・・・遥かシオン城も見える。 遊歩道沿い、春の花々が咲き乱れる花壇が続く。そして立ち並ぶ高級ホテル群。僕の好みではないのだが(笑)! ◆午後を散歩で過ごし、モントルーの街とレマン湖のシーンを楽しむ♪ 夕食は、駅近くのレストランだったが余り 印象に残っていない(苦笑)。 ホテルはまぁまぁだったが、お湯の出が悪いのは気になった(問題にならないレベルだが)・・・
4月17日(月):雨(雪)のち曇り ●今回は、これと言ったスケジュールは決めていない。ただ、ツェルマットやミューレンなどの様に、何度か訪れて いる場所は避けるつもりである。 ●今日は、モントルー駅からパノラマ・エクスプレスのルートを取り、シュピーツに出た後で南下、ブリーグに出る つもりである。SBB(スイス連邦鉄道)の直行で行けば、1時間と少しのルートを大きく迂回して、4時間近く かかるルートであるが、景色は比較にならないほど素晴らしい。"晴れていれば”だが・・・ ●今日も雨。朝ごはん後、モントルー駅の片隅、MOB(モントルー鉄道)の青い2両連結の電車に乗り込む。 こんな電車で急勾配を登れるのか、との心配は走り出して10分で拭い去られた。アプト式のラックが噛み合った 後は、ぐんぐんと高度を稼いで行く。しかし降り続く雨で、視界はほとんど利かない (*o*) ●スイスの中西部を貫く“パノラマ・ルート”は、映画“ピンクパンサー”の舞台にもなった“グスタード”の様な 美しい街を通り抜け、ベルナーオーバーラントに達する。 それにしても今日の天気は・・・高度を上げるにつれて、雨は雪に変わり、やがて※大雪※に。視界はほぼゼロ! 線路も雪に隠れるほどだった。ツバイジンメンで乗換え、シュピーツヘ・・・こちらは雪はほとんど止んでいた♪ ●シュピーツに到着、ツーン湖も見えるが雲は厚い。 BLS(ベルン=ロッシェベルグ=シンプロン)鉄道の急行に乗換え、ブリーグへ向う。ブリーグで2泊の予定! 以前から泊ってみたいと思っていた、駅前の“ホテル・ビクトリア”のレセプションで聞いてみるとOKとの事♪ ●チェックイン後、荷物を置いて、スタルデンリードの村に行く。ツェルマットに向う電車から、谷を挟んで見える 小さな村。スタルデン・ザース駅から小さなロープウェーがかかっている。 実際に乗ってみると、想像以上の迫力。先ずドアが手動、自分でロックするのだ (@O@)) ちょうど学校帰りの高校生3人と乗り合わせた。英語は完璧ではないが、コミュニケーションには十分♪ 日本の 事は映画などで“カラテ”のイメージだと言っていた。 ●スタルデンリードの村は、山の斜面に家々や教会などが立ち並ぶ、素朴な山村だった♪ 昨日からの雪は、かなり 積もった様で「緑のアルムの中の山村」ではなかったが、魅力的な所である。また是非訪れてみたい。 再びロープウェーで戻る。改めて外を見れば、ヴィスプ川は遥か下方。300mはありそう。恐怖さえ感じる。 ●今日は天気がイマイチなのが残念だったが、スタルデンでの高校生との出会い・・・楽しかった (^^) 4月18日(火):雪(雨)ときどき曇り ■予報通りの雨模様。朝食(余り印象に残っていない)後、部屋でぼ〜っとしていたが、予定通りザース・フェーに 行ってみる事にする。多分雪の中だろうが (*o*) ブリーグのバスターミナルから、黄色の車体のポスト(郵便)バスに乗り込む。 ■ザースの谷に入る頃から、雨は雪に・・・バスは谷間の景色の良い所を走っているはずだが、雪はますます激しく 何も見えない。ザース川沿いに40分、バスはザースフェーの村に到着。 それにしても凄い雪だ。時々雲が切れて山肌が見える。ドーム(DOM=4,545m)を主峰とするミシャベル 山群の巨大な岩肌なのだが、山頂は全く見えない。 ■カフェでコーヒーを飲みながら1時間ほど粘ったが、全く天気回復の気配なし・・・諦めて、バスでヴィスプへ! ベルナーオーバーラントも似たものだと思うが、行ってみよう。 BLSでシュピーツに出て、インターラーケン・オスト行きに乗換え。 ■こちらも、雨は降っていないものの雲が厚く、インターラーケンのインフォメーションの情報では、山々の展望は 期待出来ないとの事・・・予想していたとは言え、残念 (*o*) インターラーケンの表通りを歩いて、インターラーケン・ウェストからバーゼル行きの急行でベルンまで行く。 ベルンの市内観光でも・・・と思ったが、何度か来ているし、気が乗らない。駅前からマルクト通りを少し歩いた だけで、折り返す。もう夕方だ☆ ■結局、欲求不満のままでブリーグに戻り、ホテルに・・・晩ご飯をどうしたかも記憶に残っていない(苦笑)
4月19日(水):曇りときどき雨 ▲今日はグリゾン州の州都、クールに移動である。朝の天気は相変わらず、垂れ込めた雲と時折り霧の様な小雨が! 朝食後、ホテルをチェックアウト。8時過ぎ、FO(フルカ=オーバーアルプ)鉄道にてアンデルマットに向う♪ 赤い車体の列車は、小さな村々に停車しながらローヌ川に沿って東に向う。ゴムス(Goms)とも呼ばれるこの 谷は、ベルナーオーバーラントの南側に位置する。多くの村からは、ベルナーアルプスを南から眺める展望台へと 登るロープウェーが架けられている。どこか登ってみたかったのだが、この天気では・・・(>_<) ▲出発して2時間、アルプスを南北に分つゴッタルド峠(2,108m)の北の小さな街アンデルマットに到着♪ すぐに接続する列車はやり過ごして、1時間後の次発まで、街を歩いてみよう。 冬はスキー場となるであろう山々の斜面、グリンデルワルド、ツェルマット等に比べて近くに有名な山々があるの ではなく、地味な・・・その分落ち付いた雰囲気のリゾートだった。 ▲FO鉄道のディセンティス・ミュンスター行きの電車は、曲がりくねりながらオーバーアルプ峠を登る。眼下には アンデルマット。天気が良ければ、と思う (ToT) 最高地点、オーバーアルプ駅前の湖は凍り付いていた。分水嶺を過ぎ、今度はライン川に沿う。ディセンティスで RhB(ライヒェナウ鉄道)のクール行きに乗り換える。ライン川に沿って、1時間半。グリゾンの州都クールに 到着。直訳すると“法廷”の意味である。州都と言っても人口は3万人ほど。静かな街だ♪ ▲時刻は3時過ぎ、インフォメーションで手配してくれた“ドリー・クーニゲ”は、2つ星だが落ち着いた雰囲気の 良いホテルだった。チェックインの対応も丁寧だった。スイスはどこもそうなのだが (^^) 少し街を歩いてみる。チューリッヒ等と違って、地方都市は気持が落ち着く感じがする。ホテルで食べた晩ご飯も お腹に落ち着いた(笑) 4月20日(木):曇りのち晴れ ▼今日は、グリゾン州で行ってみたかった“フィリズール”を歩いてみようかと思う。 9時前出発。サンモリッツ行き急行で1時間、美しい村々を走り抜けつつ山間に分け入り、フィリズールに到着♪ 下車後、列車が走り去ると静寂が訪れる。かつて、日本の山間を走っていたローカル鉄道の駅を思い起こさせる! ▼登山道標識に従って、裏山に登る。有名な観光地等と違い、ハイカー,トレッカーの姿は少ない。 ムシェッタ(2,623m)に向う登山道・・・傍らに、松の木が♪ 森林限界の近くでハイマツを見かける事は 良くあるが、日本で見かける様な松の木は珍しい。周辺の穏やかな山容と併せて、懐かしい気がした (^^) ▼今日は、ダヴォスとアローザへも行きたい。ムシェッタの山頂制覇も魅力だが、ダヴォス&アローザの方を選ぶ♪ フィリズールから、ダヴォスまでは30分ほど。意外に近い。 ▼ダヴォスは、ウィンター・スポーツの高級リゾートであると同時に、数々の国際会議などが開かれる場所としても 良く知られているのだが、我々の様なツーリストには少々縁遠い様だ(苦笑) 駅を出て、街を歩いてみても高級ホテルや、会議場と思しき建物ばかり。もちろん郊外にはエコノミーなホテルも あったり、周辺の展望台へも登れるのだが、どうも落ち着かない。土産物屋で絵葉書を買って退散する。 ▼ダボスから、ランドクァルトを経由して、一旦クールに戻る。つまり、クール〜フィリズール〜ダヴォス、そして ランドクァルト間は循環線になっているのだ。スイスのきめ細かな鉄道路線には感心する。 ▼クールから、今度はアローザ(1,742m)に行くのであるが、3時を過ぎている。登山は無理だろうと思うが 登山電車で行ける所まで行こう! 2両連結の小さな登山電車は、クールを出るとアプト式でぐんぐん高度を上げる。クールの標高は585mなので 標高差1,200m近くを登る訳だ。かなりの馬力である。頑張れ!! ▼天候は回復して来て、青空も見える。車窓からの緑のアルムや若草色の木の葉が午後の日差しに輝いている♪ 今回は、天候に恵まれなかったが、このシーンを見ているだけで、心が洗われる。 アローザは、四方を山に囲まれたリゾートだった。火口の中にいる感じだが、この辺りは火山はなかったはずだと 思い起こす。アローザに何日か泊って、周囲の山々を毎日歩くのも悪くないと思う。 ワイスホルン(2,653m),パルパネール(2,687m)など、手頃な山がたくさんある♪ (^^) ▼慌しい(笑)一日だったが、楽しかった・・・ホテルのディナーも素朴で美味しかった♪
4月21日(金):曇りのち晴れ ●回復するかと思われたが、朝起きてカーテンを開けると、今日も雲が厚い。 アルプスに別れを告げる日。寂しい・・・朝食を口に運ぶ手が遅い (*o*) ●今日はこれから、ジュネーブに移動である。山岳地帯を抜けてシオンの谷に出るのが距離的には近いのだが、一旦 チューリッヒに出て、SBBの幹線を経由する方が時間は半分しかかからない。後者を選ぶ! 9時過ぎの急行でクールを出発、チューリッヒまでは、わずか1時間15分。チューリッヒ駅構内の売店で昼食の サンドイッチを買い込み、11時過ぎのインターシティで一気にジュネーブへ向う! ●途中、ベルン、フリブール、ローザンヌのみ停車。2時過ぎにはジュネーブ=コルナヴァン駅に滑り込む。 ホテル・ベルニナをインフォメーションで紹介してもらう。駅前の便利な場所だ♪ 荷物を置いて、ジュネーブの市内観光に出かける・・・レマン湖、ルソー島、サン・ピエール大寺院、宗教改革の モニュメントなど等。アルプスのトレッキングやクライミング以外、街歩きでもスイスは魅力的だ。そう言っても やはり、アルプスの方が好きでもあり、愛してはいるが(笑) ●レマン湖の大噴水を見ながら、スイスとの別れを惜しむ (ToT) 4月22日(土):曇り ◆帰国日である。気が重いが、まぁいい。また来れば良いではないか♪ ロンドン=ヒースロー行きの英国航空(BA)725便は、12:20発。 部屋でまったりした後、朝食・・・現金なもので、お腹いっぱい頂き、ホテルをチェックアウト。 ◆ジュネーブ=コアントラン空港までは、2年ほど前に鉄道が通じて便利になった。チェックインもスムースに終り 買い物などを楽しむ。 空港はユニークな形をしていて、滑走路近くのあちこちにゲートが分散して、地下道で繋がれているのだ。 ◆BA725の機材は、ボーイング757だった。珍しい、珍しく写真に収める。 定刻、12:20に出発・・・ヒースローにもほぼ定刻13時に到着・・・ターミナル間をバスで移動。 成田行きのBA7は、15:30発のノンストップ便である。2時間ほどのトランジットを持て余す。 当時は、ラウンジが使えなかった (>_<)
4月23日(日):曇り ■午前11時、無事に成田空港に到着、帰路に着く。 この時期、春の息吹がいっぱいのスイスのつもりで出かけたのですが、連日の雪でした (*o*) それでも、スタルデンの村への途中で一緒になった高校生との楽しいおしゃべり、普通なら通り過ぎてしまいそうな フィリズールでの『はっ』とする素朴な美しさ、そしてアローザへ向かう途中で見た若草色のアルム♪ 大好きなミューレンやツェルマットに行けなかったのは残念でしたが、春の息吹の中、スイスの魅力を改めて実感♪ それにしても、このわずか一ヵ月後、再びスイスを訪れる事になろうとは、夢にも思いませんでした!
この時期、春の息吹がいっぱいのスイスのつもりで出かけたのですが、連日の雪でした (*o*) それでも、スタルデンの村への途中で一緒になった高校生との楽しいおしゃべり、普通なら通り過ぎてしまいそうな フィリズールでの『はっ』とする素朴な美しさ、そしてアローザへ向かう途中で見た若草色のアルム♪ 大好きなミューレンやツェルマットに行けなかったのは残念でしたが、春の息吹の中、スイスの魅力を改めて実感♪
それにしても、このわずか一ヵ月後、再びスイスを訪れる事になろうとは、夢にも思いませんでした!