環六高速道路に反対する会ニュ−ス

No.11


1992年4月17日

勝訴への道筋が見えてきた

 これまで都や公団は環六拡幅の環境影響評価は必要ないとの主張を繰り返してきました。しかし,現実に道路幅22m4車線の道路を40m6車線の道路にして影響がないはずはありません。私たちの常識からすれば環境影響評価は当然なされるべきです。2月の口頭弁論を前に弁護士を中心にこれらの道路の認可・承認の基礎となった都市計画法や環境影響評価条例を徹底的に分析しました。そして法令解釈上も環境影響評価を行なっていない都市計画事業の承認・認可は違法と考えざるを得ないとの結論に達し,そのことを準備書面(二)にまとめて3回目の法廷に臨みました。この後もいくつかの新しい,そして決定的ともいえる情報を得ており,これらをもとに追及することで勝訴への道が間違いなく開けるものと確信しております。

 

第3回口頭弁論で手続き違法を追及

 2月25日午前11時,東京地方裁判所606号法廷で第3回の口頭弁論が開かれました。原告側は代理人のG・W・W弁護士と原告17名が出席しました。

 

▲私たち原告側から上に述べた内容の「準備書面(二)」を提出し,その要旨を法廷で朗読しました。

▲私たち原告側から,私たちの主張を裏付けるための証拠を多数提出しました。

甲28〜29号証 前回に続いて公害認定患者数を調査したもので,今回は,関係各区の区長からの回答に基づくもので,すでに関係地域内において大気汚染による公害病被害者が数多くいることを示しています。

甲30号証 NO2などの大気汚染が全く改善されず,著しく人の健康に被害を与えており,大気汚染と健康被害とに密接な関係があることを報道した新聞記事です。

甲31号証 自動車騒音が最悪な状況になっていることを示す新聞記事です。

▲被告建設大臣から「準備書面(二)」が提出されました。この中で被告側は道路拡幅予定地の地権者・居住者でない大多数の原告については原告適格がない,との主張を繰り返してきました。

 

 今回は開廷前に裁判の説明を行なったため,法廷でのこちらの主張が分かりやすかったという声が多く聞かれました。閉廷後も弁護士から裁判の内容や,今後の展望についての心強い話を伺うことができました。

 


第4回口頭弁論は4月23日(木)

 次回の裁判は4月23日(木)11時から,前回と同じく東京地方裁判所6階,606法廷で開かれます。弁護士らによる事前の説明も10時30分から行ないます。私たちが気合いを込めて提出した準備書面(二)に対して被告・建設大臣がどのように反論してくるのか見ものです。これまで同様,大勢の原告が参加して関心の高さを裁判所や被告側に見せつけることが重要なのです。なお,当日は午前9時30分に西武新宿線中井駅に集合しますが,直接法廷に行かれてもかまいません(地下鉄丸の内線霞ケ関駅下車,歩2分)。

 


印紙代返還申し立てに却下決定

 訴訟費用の返還を求めていた訴え(過納手数料返還申し立て)に対し,2月10日予想通り却下の決定が下されました。430名の原告に対して410万円が必要であるといって,印紙代の補正命令を下した裁判長自らの決定ですので,これは当然のことと受け止めております。しかしこの件は原告が何人でも審理の内容は同一ですから全体で8,200円のはずで,原告の数によって増額するのは不当です。即時抗告を起こし,高等裁判所の決定に委ねることになりました。

 


3月25日(水)第6回公害審査会

 昨年7月以来休会状態だった公害審査会の調停手続きが再開されました。懸案だった調停案の提出は,相手の譲歩が全く期待できない中で調停の見通しがはっきりしないため見送ることにし,相手が退席した場で委員会として今後この調停手続きをどのように進めようとしているのか,その考えを聞いてみました。

委員らは私たちの立場に一応の理解は示し,不満はあるだろうがなんとかまとめたいという気持ちは持っている,と説明しました。その一方で,環六拡幅の環境影響に関する鑑定など具体的な事項については,相手の妥協が全く考えられない現在実行はできないだろうし,そのための十分な権限もない,という発言に終始しました。この調停委員会にこの先何が期待できるのだろうか?というのが出席者の一致した感想です。

 

次回の審査会は5月14日(木)

 時間は10時30分から,場所は未定です。いつものように西武新宿線中井駅改札口9時30分に集合します。直接でかけられる方は事前におたずね下さい。私たちの会として公害審査会への取り組みについて真剣に考え直す時期にきているようです。調停をどうするのか,できるだけ多くの人の意見をお待ちしております。

 


お手伝いのお願い

 この裁判に関する膨大な仕事の一部を私たち会員としてお手伝いしています。週1回2時間程度のコピーや資料整理など比較的単純な作業を弁護士事務所で行ないます。曜日や時間も固定する必要はなく自由(といってもその場合は毎回調整が必要ですが)です。活気あふれる弁護士事務所の仕事の一端を見るだけでも有意義なことだと思います。不定期でもかまいませんのでご協力いただける方はぜひご連絡下さい。

 本会の活動も多忙を極めており,ニュースの発行もままならない状況です。どの様な形でもお手伝いいただける方を求めています。よろしくお願いいたします。

 


定例会を毎月第3土曜日午後に開きます

 毎月第3土曜日午後2時より定例会が開かれます。場所は本会代表の鈴木祐子宅です。10畳ほどの部屋でやや狭いものの,かえって肩の張らない気楽な議論ができますので,皆様お気軽にご参加下さい。

とりあえず4月18日,5月16日,6月20日,7月18日の予定です。

 


バザーのお知らせ

 恒例の春のリサイクルバザーを行ないます。皆様のお宅に眠っているご不用品などを提供して下さいますようお願いいたします。また,前日の準備や当日のお手伝いなどもよろしくご協力お願いいたします。ご連絡をお待ちしております。

 

日時:5月10日(日)11時から 2時頃まで (雨天の場合は17日)

会場:S駐車場

 


地権者の方々へ

都や公団の動きが活発となり,沿道の測量が盛んに行なわれています。公団から測量に関する連絡がありましたら「立ち退きませんから測量には協力できません」といって拒否して下さい。既に連絡があった方はすぐに公団に電話をしてその旨を伝えて下さい。そしてどの様なことでもお気軽に弁護士とご相談下さい。

 

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