第53回テーマ館「幻」


発明 リローデッド

帰ってきた発明6 博士の異常な愛情はつらいよ〜クローンの攻撃はハイビスカスの香り・
または私は如何にしてアンドロイドに羊の炎の友情を見せたか〜 森里 羽実 [2004/05/16 00:36:53]


博士「よし、本当に今度こそ、できたぞ!」
助手「ナンデスカ、博士?マタクダラナイ発明デスカ。ペッペッ」
博士「これこれ。いくら機械になってしまったからといって、そう拗ねるのはよさん
   か。今度のは、本当に、今までのを全て越える大発明なのじゃ!」
助手「もういいです。私は機械としての余生を送るためにいろいろ考えなくては
   ならないことがたくさんありますから。助手、やめさせていただきます。さよう
   なら」
博士「困ったやつじゃな。これさえあれば、また人間に戻れると言うのに」
助手「本当ですか?もう騙さないでくださいよ」
博士「ああ、黙って見ておれと言うに!では行くぞ、ほれぽちっとな」

     ★

博士「おや、おかしいぞ」
助手「どうしましたか、博士?」
博士「また『博士』のやつが発明をしたようだ。今度はどうする気かのう?」
助手「いい加減、博士の『幻影投影機』で投影した幻の観測はやめたいです。先ほど
   から気温が36度に達したままですよ。私、もう汗びっしょりです。
   大体、1キロも先でしか観測できないなんて・・しかも、その『幻』ときたら
   幻のくせに、やけに活発に動くときてる。さっきから、幽霊を出したり、
   爆発したり・・今度は何ですか?」
博士「うーむ、何かのう。・・・ややっ、これは何じゃ?」
助手「うわっ、博士!どうやら、空間が歪みだしているようです。これは何でしょう、
   異常気象でしょうか?暑さが私たちの脳に来たんでしょうか?」
博士「うーむ・・・助手よ、どうやら別れを言わねばならんようだ」
助手「なぜです、博士?まだ観測は途中です。『彼ら』だってまだ・・・」
博士「その彼らが、発明をしたのじゃよ。この世の中、すべてを『夢幻』に
   変えてしまい、なかったことにする発明を」
助手「何ですって!?」
博士「どこまでが幻になるのかはわからんが、また会えたら会おう、助手よ」
助手「博士ーーーーーーーっ!!」

     ★

博士「やった、ついにやったぞ!」
助手「どうしたんですか?博士」
博士「うむ、ついにそこに物が存在しないのに存在するように見える・・」
   (→「発明」hiroさん作へ)

 <劇終>(終わったのか!?果たして・・)

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